ITパスポートについて調べると、試験の内容はこのページ、合格率は別のページ、2027年の変更点はまた別のページ、と情報が散らばっていて、全体像がつかみにくいと感じた方が多いはずです。このページは、その「全体像」を1枚にまとめた案内図です。試験の中身、申し込みから受験までの流れ、合格率、勉強の進め方、そして2027年度に予定されている変更まで、順番に並べました。
数字や制度の内容は、すべてIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が公表している情報にもとづいています。制度が変わっている時期なので、申し込みの前には必ず公式サイトで最新の案内を確認してください。
まず結論:ITパスポートの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | ITパスポート試験(愛称:iパス) |
| 資格の区分 | 国家資格(情報処理技術者試験の一区分) |
| 実施団体 | IPA(独立行政法人情報処理推進機構) |
| 試験方式 | CBT方式(全国の試験会場で随時受験可能) |
| 試験時間・問題数 | 120分・100問(多肢選択式・四肢択一) |
| 受験料 | 7,500円(税込) |
| 直近の合格率 | 48.6%(令和7年度・応募307,266人/受験271,352人/合格132,012人) |
| 2027年度の見通し | 出題分野の再編・AI関連分野の新設が予定されています |
出典:IPA公式サイト「試験情報」「令和7年度iパスの年間応募者数等について」
そもそも、どんな資格か
ITパスポートは、情報処理の促進に関する法律にもとづき経済産業大臣が実施する情報処理技術者試験の一区分で、2009年春期から実施されている国家試験です。IPAの案内では「この試験の狙いは、すべての社会人が備えておいてほしい情報技術の基礎知識を受験者に習得していただくことにある」とされており、技術系の社会人・理系の学生だけでなく、事務系の社会人・文系の学生も対象としています。合格すると、職業人として備えておくべき、情報技術に関する共通的な基礎知識を習得したことを国が証明します。
受験資格に制限はなく、年齢・学歴・実務経験を問わず誰でも受験できます。CBT方式のため、全国の試験会場でほぼ随時、都合の良い日を選んで受験できるのも特徴です。年に数回しかない試験と違って、思い立ったときに申し込んで、数週間後には受験できるという柔軟さがあります。
試験は120分で100問、多肢選択式(四肢択一)の一発勝負です。記述式や実技はなく、マークシート方式のCBT版というイメージに近いです。合格基準は、IPA公式サイトによると「総合評価点600点以上(1,000点満点)であり、かつ分野別評価点(ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系)もそれぞれ300点以上(1,000点満点)であること」と定められています。総合点が高くても、3系統のどれか一つが極端に苦手だと不合格になる仕組みなので、得意分野だけを伸ばすのではなく、苦手分野を作らないことが合格への近道です。1問あたりにかけられる時間は1分強しかないため、時間配分の感覚を過去問で事前につかんでおくことも重要です。
受け方:CBT方式の申し込みから受験まで
ITパスポートはCBT方式のため、紙の願書を提出するタイプの試験とは申し込みの流れが異なります。IPA公式サイトの案内によると、受験申込みの際に、受験者自身が試験日時・試験会場を選択する仕組みになっています。会場は全国各地にあり、平日・土日を問わず開催されている会場も多く、まとまった休みを取らなくても受験しやすいのが特徴です。申し込み方法や支払い方法の詳しい手順は、必ずIPA公式サイトの最新の案内でご確認ください。
当日は、会場のパソコンでマウスとキーボードを使って解答します。計算問題や表計算の問題も画面上で完結するため、紙に書き出して計算する練習だけでなく、画面を見ながら考える練習をしておくと、当日の感覚のズレが少なくなります。
出題範囲:現行は3系統、2027年度から6分野に再編
現行のITパスポートは、「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」という3つの系統から出題されます。実際に令和8年度の公開問題100問を数えたところ、ストラテジ系34問・マネジメント系20問・テクノロジ系46問という構成でした。テクノロジ系が半分近くを占めますが、ストラテジ系とマネジメント系を合わせると54問と、半分以上は経営・法律・会計・開発の進め方など、ふだんの仕事の言葉で考えられる問題です。
2027年度からは、出題分野が「ビジネス変革」「データ・AIの利活用」「組織活動」「デジタル技術」「セキュリティ」「倫理・コンプライアンス」の6分野に再編される見通しです。いちばん大きな変化は、AI・生成AIに関する用語の大幅な増加と、知識だけでなく行動の姿勢を問う「マインド・スタンス」という新しい分野の追加です。この改訂の中身を一次資料から詳しく読み解いた記事が、こちらです。
▶ ITパスポート2027新試験、シラバス案(Ver.0.1)が公表されました。中身を全部確認しました。
令和8年度の公開問題を実際に全問読んで、AIに関する出題やセキュリティの比率など、現行試験の出題傾向を数字で分析した記事もあります。
▶ 令和8年度 ITパスポート公開問題100問を全部読みました。AIは5問、セキュリティは2割、そして無料で解けるようにしました
合格率は「2人に1人は届かない」水準です
令和7年度の結果は、応募者307,266人・受験者271,352人・合格者132,012人、合格率48.6%でした。年間応募者数は2年連続で30万人を超えており、社会人・学生を問わず幅広い層に受験されている試験だとわかります。合格率だけを見ると「2人に1人は届かない」水準ですが、出題範囲が幅広い分、山を張らずに基礎知識を満遍なく押さえられるかどうかが分かれ目になっている試験だと考えられます。
勉強の進め方:過去問がまだ少ない新試験期は、AIとの併用が現実的です
現行試験は、過去問が豊富に公開されており、独学で合格を目指しやすい試験です。ただし2027年度に出題範囲が変わった直後は、市販の参考書や過去問のストックが、新しい範囲にまだ対応しきれていない「空白期間」が生まれやすくなります。
基本の進め方は、①過去問を1年分、時間を測って通しで解く②間違えた問題は、選択肢一つひとつについて「なぜ違うか」まで確認する③分野ごとの正答率を見て、弱い分野の用語を重点的に押さえる、の3ステップです。ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系のどれか一つでも著しく苦手なままだと、総合点が良くても不合格になる試験なので、まんべんなく解いて弱点を早めに見つけることが大切です。
過去問がまだ少ない新しい試験だからこそ、AIに予想問題を作らせて数をこなす、という方法があります。この考え方と、実際にどんなアプリを選べばいいかを比較した記事が、こちらです。
「ITパスポートは廃止される」という噂について
2027年度に大きな見直しが入ることから、「ITパスポートが廃止される」「なくなる」という調べ方をされる方もいます。結論としては、ITパスポートという試験区分が廃止されることはありません。名前も試験区分もそのままで、出題範囲が見直されるだけです。ただ、2026年12月28日以降、CBT試験のシステムリプレースにともなう一時休止が予定されているなど、紛らわしく感じやすい事情もいくつか重なっています。噂の出どころを一つずつ確認した記事が、こちらです。
▶ 「ITパスポートは廃止される」って本当か。噂の出どころを一つずつ確認しました
似た名前の「生成AIパスポート」とは別の資格です
ITパスポートに生成AI関連の内容が加わることで、「生成AIパスポート」という民間資格と混同されやすくなっています。実施団体(IPA vs GUGA)、資格の区分(国家資格 vs 民間資格)、出題範囲、受験料など、数字で比較した記事が、こちらです。
▶ ITパスポートと生成AIパスポート、同じか。2027年の改訂で紛らわしくなった違いを整理します
応用情報技術者試験も、同じタイミングで再編されます
ITパスポートと同じ2027年度をめどに、応用情報技術者試験も「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」という新しい試験区分に再編される見通しです。ITパスポートが「名前も範囲もそのまま、内容だけ見直し」なのに対して、応用情報は「名前ごと再編」という、扱いの異なる変化です。この2つを混同しないための整理を、こちらの記事でしています。
▶ 応用情報技術者試験の後継「プロフェッショナルデジタルスキル試験」、シラバス案の中身を確認しました
2027年前後に起きる変化を、時系列で並べると
ITパスポートのまわりでは、時期の異なる複数の変化が同時に進んでいます。混乱しないよう、分かっている範囲を時系列で整理します。
| 時期 | 何が起きるか |
|---|---|
| 2026年3月31日 | IPAが試験区分体系の見直し(案)を公表。2027年度から新試験制度へ移行することが明らかに |
| 2026年6月30日〜8月31日 | 各試験区分のシラバス案(出題範囲の詳細)が順次公表 |
| 2026年12月28日以降 | ITパスポート・情報セキュリティマネジメント・基本情報技術者試験のCBT実施が、システムリプレースのため一時休止(再開は2027年1月以降の見通し) |
| 2027年度春頃 | 新シラバスでのITパスポート・情報セキュリティマネジメント・基本情報技術者試験が開始される見通し |
| 2027年度夏〜秋頃 | プロデジ(プロフェッショナルデジタルスキル試験)・データマネジメント試験(仮称)・情報処理安全確保支援士試験が開始される見通し |
このように並べると、ITパスポートに直接関係するのは「シラバス改訂(内容の変更)」と「CBT一時休止(実施方法の一時停止)」の2つで、時期も理由もまったく別のできごとだと分かります。ニュースやSNSでこの時期の話を見かけたときは、「シラバスの話か、休止の話か、それとも応用情報の話か」を一度切り分けて考えると、混乱しにくくなります。
よくある質問
Q. 受験資格に制限はありますか。
年齢・学歴・実務経験による制限はありません。誰でも受験できます。
Q. 独学で合格できますか。
もともと独学で合格を目指しやすい試験です。ただし2027年度の改訂直後は、市販の教材がまだ新しい範囲に対応しきれていない期間が生まれやすいため、その時期だけは公式シラバスやAI予想問題で補うのが安心です。
Q. 今からITパスポートの勉強を始めても、2027年の改訂で無駄になりませんか。
経営戦略やネットワークの基礎といった土台のテーマの多くは、改訂後もそのまま出題される見通しです。無駄になりにくいのは、用語の丸暗記より、なぜそうなるかを理解した知識です。
Q. 2027年度から難しくなりますか。
IPAは「難易度が上がる」とは公表していません。ただし、これまであまり出題されてこなかったAI関連の内容が増えるため、生成AIに馴染みのない方にとっては「知らない言葉が増えた」と感じやすい可能性はあります。
Q. どの分野から勉強すればいいですか。
決まった正解はありませんが、合格基準が分野ごとに定められている(3系統それぞれ300点以上必要)ことを踏まえると、まず自分の得意・不得意を過去問で把握し、いちばん弱い系統から手をつけるのが効率的です。多くの方は、法律や会計を含むストラテジ系・マネジメント系よりも、ネットワークやデータベースなどのテクノロジ系に苦手意識を持ちやすい傾向があります。
Q. 受験する日や会場によって、出題される問題は変わりますか。
公表されている「公開問題」が年度ごとにまったく違う100問になっていることからも分かるとおり、ITパスポートには相当な数の問題が用意されており、受験者全員が同じ問題を解いているわけではなさそうです。出題範囲や問題数(100問・3系統)はどの回でも共通ですが、個々の問題の組み合わせは人によって異なると考えられます。どの問題に当たるかを気にするより、幅広い分野を満遍なく仕上げておくほうが、結果的に安定した対策になります。
まとめ
- ITパスポートはIPAが実施する国家資格で、受験資格の制限はありません
- CBT方式・120分・100問・受験料7,500円。令和7年度の合格率は48.6%です
- 現行はストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の3系統、2027年度からは6分野に再編される見通しです
- 2027年度の改訂で最も増えるのは、AI・生成AI関連の内容です
- 「廃止される」という噂がありますが、試験区分そのものはなくなりません
- 生成AIパスポート(民間資格)や応用情報技術者試験の再編とは、別々の話として整理しておくと混乱しません
この記事は、制度の続報が出るたびに更新していきます。公式の過去問とAI予想問題を無料で解けるアプリも用意しています。
▶ ITパスポート公式過去問+AI予想問題(無料)を使ってみる
参考資料(すべてIPA公式サイト)
- 「ITパスポート試験」試験情報ページ(https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/ip.html)
- 「令和7年度『iパス(ITパスポート試験)』の年間応募者数等について」(https://www.ipa.go.jp/shiken/reports/ip-oubo2025.html)
- 「スケジュール、手数料など」(https://www.ipa.go.jp/shiken/mousikomi/schedule.html)
- ITパスポート試験 シラバス案 Ver.0.1(https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/henkou/2026/20260630.html)
- 「情報処理技術者試験における試験区分体系などの見直し(案)について」(プレス発表・2026年3月31日・https://www.ipa.go.jp/pressrelease/2025/press20260331.html)
- 「CBT方式で実施するITパスポート試験、情報セキュリティマネジメント試験及び基本情報技術者試験における2026年5月以降の試験実施について」(https://www.ipa.go.jp/shiken/2026/cbt-202605-jisshi.html)
- 【ITパスポート試験】過去問題(問題冊子・解答例)(https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/openinfo/questions.html)
※この記事は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が公表している情報にもとづいています。2027年度の改訂内容は、いずれも「仮称」「案」の段階であり、今後の公表・改訂で変わる可能性があります。最新の正式情報は、必ずIPAの公式サイトでご確認ください。
※この記事とアプリは、IPAとは関係のない、非公式のものです。AIが生成した予想問題には、内容に誤りが含まれる場合があります。お気づきの点は、アプリ内の「間違いを報告」からお知らせいただけると助かります。


コメント