三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素の性質。乙6フッ素系危険物を整理する。

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第6類危険物の6品目のうち、三フッ化臭素(BrF₃)・五フッ化臭素(BrF₅)・五フッ化ヨウ素(IF₅)の3品目はフッ素を含む化合物です。これらは水と激しく反応してフッ化水素(HF)を生成するため、消火に水は使えません(水厳禁・乾燥砂で消火)。乙6の性消では、過塩素酸・過酸化水素・硝酸の「大量の水で消火」との区別が最頻出テーマです。

フッ素系3品目の一覧比較

品目 分子式 指定数量 危険等級 消火方法
三フッ化臭素 BrF₃ 300L I 乾燥砂(水厳禁)
五フッ化臭素 BrF₅ 300L I 乾燥砂(水厳禁)
五フッ化ヨウ素 IF₅ 300L I 乾燥砂(水厳禁)

3品目すべて指定数量300L・危険等級Iです(危険物の規制に関する政令別表第3)。危険等級Iはこれらフッ素系3品目と過塩素酸の合計4品目です。危険等級II(過酸化水素・硝酸)との区別も押さえておく必要があります。

水厳禁の理由

フッ素系3品目(三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素)が水厳禁である理由は、水と激しく反応してフッ化水素(HF)を生成するからです。

例:BrF₃ + 2H₂O → HBrO₃ + 3HF

フッ化水素(HF)は腐食性が強く、皮膚・目・呼吸器を激しく傷つける危険物質です。火災時に水を使うと、フッ化水素を発生させてかえって危険になります。消火には乾燥砂・乾燥粉末消火剤を使います。

三フッ化臭素(BrF₃)の性質

項目 内容
化学式 BrF₃
状態 常温で無色〜淡黄色の液体
融点 8.8°C
沸点 126°C
比重 2.84
腐食性 金属・ガラス・有機物を腐食する

融点が8.8°Cと比較的高いため、冬季には固化する可能性があります。常温付近で液体になる点が特徴です。強力な酸化剤で、有機物・可燃物と接触すると発火する危険があります。保管はフッ素樹脂製容器(テフロン等)を使用します。

五フッ化臭素(BrF₅)の性質

項目 内容
化学式 BrF₅
状態 常温で無色の液体
融点 -61°C
沸点 41°C
比重 2.47
腐食性 金属・有機物を腐食する

沸点が41°Cと低いため、夏季の気温でも蒸発が起きやすいです。蒸気にも腐食性があります。三フッ化臭素よりフッ素を2つ多く含みます。

五フッ化ヨウ素(IF₅)の性質

項目 内容
化学式 IF₅
状態 常温で無色〜淡黄色の液体
融点 9.4°C
沸点 101°C
比重 3.19
腐食性 金属・有機物を腐食する

ヨウ素とフッ素の化合物で、フッ素系3品目の中では比較的安定していますが、水との反応でフッ化水素を生成する点は同じです。融点が9.4°Cのため冬季に固化する可能性があります。

フッ素系3品目の共通注意事項

  • 水厳禁(水と反応してフッ化水素(HF)を生成)
  • 消火は乾燥砂または乾燥粉末消火剤を使用
  • 皮膚・目・呼吸器への腐食性が強い(防護具の着用が必須)
  • 漏洩した場合は砂・乾燥粉末で吸収し、水で洗い流さない
  • 保管容器はフッ素樹脂製(ポリテトラフルオロエチレン=テフロン等)
  • 金属と反応するため金属製容器は使用しない

試験で問われるポイント

消火方法の区別(最重要)

乙6の性消でもっとも出題されるのが消火方法です。「大量の水」と「乾燥砂(水厳禁)」の区別を必ず覚えます。

  • 大量の水:過塩素酸・過酸化水素・硝酸
  • 乾燥砂(水厳禁):三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素

フッ化水素の発生

フッ素系3品目は水と反応してフッ化水素(HF)を生成します。「水厳禁の理由を答えよ」という問題形式でも出ます。

危険等級Iである点

フッ素系3品目(三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素)はすべて危険等級Iです。「五フッ化臭素は危険等級II」は誤りです。

保管容器の材質

フッ素系3品目の保管にはフッ素樹脂製容器を使います。「金属製容器でよい」は誤りで、金属を腐食するためフッ素樹脂製が必要です。

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出典:消防法別表第一(危険物の品名・指定数量)、危険物の規制に関する政令別表第3(危険等級)、消防試験研究センター「危険物取扱者試験 試験科目及び問題数」。作成日:2026年11月。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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