消防設備士 乙種第6類(乙6)の勉強は、科目ごとに足切りがある試験です。全体で6割取れても、1つの科目が4割を下回ると不合格になります。どの科目から始めるか、どの順番で積み上げるかが合否を左右します。
この記事では、出発点によって異なる3つの学習ルートを整理します。初学者ルート・他類保有者ルート(消防設備士の他類免状あり)・乙5または甲5の免状を持っている人のルートの3種類です。あわせて、各科目に関連する当サイトの記事一覧を科目別にまとめます。
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▶ 消防設備士 乙種第6類 問題集
試験の構造を確認する
合格基準は3つあります(消防法施行規則第33条の14)。
| 合格基準 | 問題数 | 必要な正解数 |
|---|---|---|
| 各科目40%以上(筆記) | 科目ごとに異なる | 科目ごとに異なる(後述) |
| 筆記全体で60%以上 | 30問 | 18問以上 |
| 鑑別で60%以上 | 5問 | 3問以上(目安) |
この3つをすべて満たす必要があります。3つめの鑑別の配点は公表されていないため、5問中3問が目安です。
筆記の科目ごとの足切りラインは次のとおりです(消防法施行規則第33条の12)。
| 科目 | 問題数 | 最低正解数(40%以上) |
|---|---|---|
| 消防関係法令(共通) | 6問 | 3問以上 |
| 消防関係法令(乙6類別) | 4問 | 2問以上 |
| 基礎的知識(機械) | 5問 | 2問以上 |
| 構造・機能・整備(機械) | 9問 | 4問以上 |
| 構造・機能・整備(規格) | 6問 | 3問以上 |
問題数が少ない科目ほど1問の重みが大きくなります。類別法令は4問しかないため、3問落とすと足切りになります(2問以上の正解が必要)。
確認問題(2問)
① 乙6の試験で、鑑別の合格基準は何%以上か。
答えを見る
60%以上(消防法施行規則第33条の14)。5問の配点は公表されていないため問題数の60%である3問以上が目安。
② 消防関係法令(乙6類別)は4問ある。足切りを回避するには最低何問正解が必要か。
答えを見る
2問以上(4問の40%=1.6問。小数点切り上げで2問)。
ルートA:初学者(受験経験なし・消防系の知識なし)
消防法や消火器の知識がない状態から始める場合の推奨順序です。
| 週 | 学習内容 | 目標 |
|---|---|---|
| 1週目 | 消防関係法令(共通・類別) | 消防法の体系・設置基準の考え方をつかむ |
| 2週目 | 消火器の種類と適応火災 | 薬剤の種類・A/B/C火災への対応を整理する |
| 3週目 | 消火器の構造・機能(機械) | 加圧式・蓄圧式の違い・指示圧力計・安全栓 |
| 4週目 | 消火器の規格(規格省令) | 安全栓の規格・使用温度範囲・表示事項 |
| 5週目 | 基礎的知識(機械の基礎) | 圧力・てこ・流体の計算の解き方をつかむ |
| 6週目 | 鑑別対策・模試 | 問題文から消火器の種類を特定する練習 |
順序の理由:法令から先に入る理由は、「なぜ消火器を設置しなければならないか」という背景を知ることで、構造や規格の記憶が定着しやすくなるためです。基礎的知識(機械)は暗記中心ではなく計算と理解が必要なため、後半に回しても遅くはありません。鑑別は特有の出題形式に慣れる時間が必要なため、1週間を確保します。
ルートB:他の消防設備士の類を持っている人
乙7・乙4・甲4など、他の類の免状を持っている場合、消防関係法令(共通)6問が免除されます(消防試験研究センター「試験の一部免除」)。
| 免除される科目 | 問題数 | 残る問題数 |
|---|---|---|
| 消防関係法令(共通) | 6問 | 筆記24問+鑑別5問 |
試験時間も1時間45分から1時間30分に短縮されます(消防試験研究センター「試験の一部免除・試験時間・試験問題数一覧表(乙種)」)。法令共通を外せるため、法令(類別)→消火器の種類→構造・規格→基礎的知識→鑑別の順で4週間程度で仕上げることができます。
注意点として、法令共通の免除を受けると問題が24問になり、1問あたりの影響が大きくなります。残った科目でミスを減らす精度が求められます。
ルートC:乙5または甲5の免状を持っている人
消防設備士乙種第5類または甲種第5類(避難器具)の免状を持っている場合、消防関係法令(共通)6問と基礎的知識(機械)5問の両方が免除されます(消防法施行規則第33条の11)。
| 免除される科目 | 問題数 | 残る問題数 |
|---|---|---|
| 消防関係法令(共通) | 6問 | 筆記19問+鑑別5問 |
| 基礎的知識(機械) | 5問 |
試験時間は1時間15分になります(消防試験研究センター「試験の一部免除・試験時間・試験問題数一覧表(乙種)」)。消火器固有の法令(類別)・構造・規格・鑑別の4つに絞って学習できます。
注意点:電気工事士・電気主任技術者は乙6では免除の対象になりません。乙6の試験に電気の問題がないためです(センターの一覧表にも電工・電験のみの人は免除なしと記載されています)。
確認問題(2問)
① 第2種電気工事士の免状だけを持っている場合、乙6の試験で免除される科目はあるか。
答えを見る
免除なし。乙6には電気の問題がないため、電気工事士・電気主任技術者の免除は乙6では適用されない。
② 乙5の免状を持っている場合、残る問題数はいくつか。
答えを見る
筆記19問+鑑別5問の計24問(法令共通6問と基礎的知識5問の計11問が免除される)。
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消防関係法令(共通・類別)
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消火器の種類と適応火災(構造・機能の基礎)
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- CO₂・ハロゲン化物消火器の特徴
- 消火薬剤の主成分と性質の整理
- 燃焼の3要素と消火の4方式
構造・機能・整備(機械)
- 構造・機能・整備(機械)9問の対策
- 加圧式と蓄圧式の違い。指示圧力計・点検周期・整備手順
- 消火器の使い方・初期消火の手順。操作機構と安全栓の規格
- 指示圧力計の見方。緑色範囲・点検判定・蓄圧式のみの理由
- 消火器点検の実務。外観・機能・総合点検の判定基準
- 鑑別問題の解き方。写真・部品の名称と機能の確認方法
- ホース・ノズルの点検・劣化判断・整備手順
消火器の規格(規格省令)
基礎的知識(機械)
鑑別対策
試験の受け方・スケジュール
- 試験の申し込み方法。CBT方式と書面申請の違いと5ステップ
- 試験日程・CBT方式と書面申請の選び方
- 科目の一部免除。免除パターンごとの問題数と合格ラインの変化
- 勉強時間の目安。初学者60〜90時間・科目別の配分
- 試験当日の流れ
- 試験直前1週間の勉強法・科目足切り回避の絞り込み
まとめ
乙6の学習は、出発点によってルートを変えるのが効率的です。初学者は法令→消火器の種類→構造→規格→基礎的知識→鑑別の6週間が基本です。他類(乙7・乙4・甲4など)の免状を持っている人は法令共通が免除され4週間に短縮できます。乙5・甲5の免状を持っている人は法令共通と基礎的知識の両方が免除され、消火器固有の科目に集中できます。どのルートでも、類別4問は問題数が少ないため足切りに注意が必要です。なお、電気工事士・電気主任技術者は乙6では免除の対象になりません。
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