危険物取扱者乙4の試験概要。3科目の出題内容と合格基準を整理する。

危険物取扱者乙4の試験概要。3科目の出題内容と合格基準を整理する。 資格

危険物取扱者 乙4 AI問題集(無料で150問)

法令・物理化学・性質消火の3科目、確認済みの問題150問を無料で繰り返し解けます。解説には消防法・危険物の規制に関する政令の条番号を記載。

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危険物取扱者 乙種第4類(乙4)の試験は、法令・基礎的な物理学および基礎的な化学・危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法の3科目で構成されています。合計35問・試験時間2時間で、各科目60%以上の得点かつ全体でも60%以上が合格基準です(消防試験研究センター公表)。受験資格は一切なく、誰でも申し込めます。

試験科目と問題数の内訳

乙4の筆記試験は3科目に分かれており、それぞれに合格ラインが設定されています。1科目でも60%を下回ると、他の科目が満点でも不合格になります。

科目 問題数 合格に必要な正解数
危険物に関する法令 15問 9問以上(60%)
基礎的な物理学および基礎的な化学 10問 6問以上(60%)
危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法 10問 6問以上(60%)
合計 35問 21問以上(全体60%)

試験はすべて4択の選択式(マークシートまたはコンピュータ入力)です。記述式や計算式を書かせる問題はありません。ただし、指定数量の倍数計算など、問題文の中で計算が必要な問題は出ます。

合格基準は「科目ごと60%以上かつ全体60%以上」

合格基準は、3科目それぞれで60%以上の得点かつ全体でも60%以上です(消防試験研究センター「試験実施について」)。35問中21問以上正解が全体の基準ですが、科目別のラインを下回れば不合格です。

たとえば、法令で14問正解(93%)・物化で6問正解(60%)・性消で5問正解(50%)という場合、全体では25/35(71%)ですが、性消が60%を下回っているため不合格になります。3科目すべてのラインをクリアしないと受かりません。

科目免除制度もあります。すでに他の類の危険物取扱者免状を持っている場合、法令と基礎的な物化が免除されます。この場合、性消の10問だけを受験し、6問以上正解(60%以上)で合格です。受験時間も短くなります。

試験時間と試験方式

試験時間は2時間(免除なしの場合)です。科目免除ありの場合は35分に短縮されます(消防試験研究センター「試験科目及び問題数」)。

試験方式は2種類あります。

方式 特徴 選び方
CBT試験(コンピュータ) 全国のテストセンターで受験。日程が選びやすい。申込はインターネット。 スケジュールの自由度を重視する場合
書面試験(ペーパー) 都道府県ごとに定められた試験日程・会場で受験。 紙のマークシートに慣れている場合

CBT試験は各都道府県のテストセンターで実施され、空きがあれば自分の都合に合わせて日程を選べます。書面試験は消防試験研究センター(都道府県支部)が定めるスケジュールに従います。どちらの方式で受けても、取得できる免状は同じです。

受験資格と申込み方法

乙4には受験資格がありません。年齢・学歴・職歴を問わず、誰でも申し込めます。高校生や中学生が取得するケースもあります。

申込みの流れは以下のとおりです。

  • 電子申請(インターネット)または書面申請のどちらかを選ぶ
  • 消防試験研究センターのサイト(https://www.shoubo-shiken.or.jp/)から申込む
  • 受験手数料を支払う(金額は最新の案内で確認)
  • 受験票が届いたら試験日当日に持参する

CBT試験の場合は申込後にテストセンターと日時を予約します。書面試験の場合は試験日と会場があらかじめ決まっています。申込締め切りは試験日の約2週間前が多いですが、都道府県・方式によって異なります。

法令15問の出題傾向

法令は15問あり、3科目の中で最も問題数が多い科目です。消防法・危険物の規制に関する政令(危険物令)・危険物の規制に関する規則(危険物規則)から出ます。

頻出テーマをまとめると以下のようになります。

  • 指定数量と倍数計算(複数品名がある場合の合算)
  • 危険物施設の種類(製造所・7種類の貯蔵所・4種類の取扱所)
  • 設置・変更の許可と届出の区別(消防法第11条・第11条の4・第11条の5)
  • 保安距離と保有空地(製造所・屋外タンク貯蔵所等)
  • 危険物保安監督者と保安統括管理者の選任条件
  • 予防規程の作成義務がある施設の種類
  • 危険物の運搬と移送の基準(容器の表示・混載禁止)

法令は暗記が中心ですが、条文の趣旨を理解していると選択肢を絞りやすくなります。「許可」と「届出」の違い、「保安監督者の選任が不要な施設」など、細かい区別が問われる問題が多いです。

物理化学10問の出題傾向

基礎的な物理学および基礎的な化学(物化)は10問です。高校化学・物理の基礎知識が出ます。

  • 燃焼の3要素(可燃物・酸素供給体・点火源)と消火の原理
  • 引火点・発火点・沸点の定義と違い
  • 燃焼範囲(爆発範囲)の上限・下限
  • 静電気の発生と帯電防止策
  • 熱の伝わり方(伝導・対流・放射)
  • 混合物と純物質、化合物と混合物の区別
  • 酸化・還元の定義

計算問題はほぼ出ませんが、燃焼範囲の「上限・下限が広いほど危険」「引火点が低いほど引火しやすい」などの比較判断を問う問題が多いです。

性質消火10問の出題傾向

危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法(性消)は10問です。第4類各品名の性状・貯蔵・取扱い・消火方法が中心です。

  • 第4類の区分と引火点範囲(特殊引火物・第1〜4石油類・アルコール類・動植物油類)
  • 各品名の代表物質とその引火点・発火点・水溶性の有無
  • 第4類共通の火災予防(換気・静電気・炎や火花の排除)
  • 消火方法(泡・CO2・粉末・水噴霧が有効、棒状注水は禁止)
  • 水溶性液体(アセトン・アルコール類)には耐アルコール型(AR型)泡消火剤を使う理由

乙4が扱う第4類危険物はガソリン・灯油・軽油・重油・アセトン・エタノールなど身近な物質が多く、日常感覚で「引火しやすそう」と分かるものが多いです。ただし、比重(水より軽い)・蒸気比重(空気より重い)・水溶性の有無は一つひとつ確認が必要です。

合格後の免状と活かせる職場

合格すると消防試験研究センターから合格通知が届き、都道府県知事に申請すると危険物取扱者免状(乙種第4類)が交付されます。免状は終身有効ですが、3年ごとの保安講習(受講義務)があります。

乙4を必要とする職場は幅広いです。

業種・職場 乙4が必要な理由
ガソリンスタンド(給油取扱所) ガソリン・軽油の取扱いに資格者が必要
石油化学プラント・製油所 製造所での危険物製造・取扱い
危険物倉庫(屋内・屋外タンク貯蔵所) 施設ごとに資格者の立会い義務
タンクローリー運転・物流 移動タンク貯蔵所での取扱い
ビルメンテナンス・設備管理 自家発電設備の燃料(重油等)管理

乙4は全類の中で最も受験者数が多く、ガソリンスタンドや物流・製造業での就職・転職で重視される資格です。

この記事シリーズの一覧

当サイトでは乙4対策の記事を複数公開しています。

問題を実際に解きながら覚えたい方は、上部のリンクから無料のAI問題集を使ってみてください。

試験対策のよくある疑問

乙4を初めて受験する方からよく寄せられる疑問をまとめました。

テキストは何を使えばよいですか?

書店で入手できる乙4テキスト・問題集のシリーズが主流です。消防試験研究センターが公表している例題や出題傾向に沿った内容であれば、特定のテキストにこだわる必要はありません。まずは1冊テキストを読み通し、同一シリーズの問題集で確認するサイクルが効率的です。法令・物化・性消の3科目をバランスよく進め、苦手科目だけが残らないようにするのがポイントです。

電卓は持ち込めますか?

持ち込みはできません。指定数量の倍数計算は暗算で行います。計算自体は四則演算(割り算と足し算)だけです。ガソリン200L・灯油1,000L・重油2,000Lなどの指定数量を覚えていれば、暗算で1〜2秒で計算できます。

受験手数料はいくらですか?

電子申請の場合は3,500円、書面申請の場合は3,700円です(消防試験研究センター公表・執筆時点)。都道府県により異なる場合があるため、申込前に最新の案内を確認してください。

合格通知はいつ届きますか?

CBT試験(コンピュータ)の場合は試験終了後すぐに画面でスコアと合否が確認できます。書面試験の場合は試験日から1〜2週間程度で消防試験研究センターから合格通知が届きます(時期は都道府県・試験日によって異なります)。

免状の申請はどこでしますか?

合格後、都道府県知事に免状の交付申請をします(消防試験研究センター経由)。申請に必要なものは合格通知書・写真・申請手数料等です。免状が届くまでに通常2〜3週間程度かかります。免状取得後は3年以内に保安講習を受講する義務があります(消防法第13条の23)。

科目免除はどの時点で申請しますか?

申込時に他の類の免状の写しを提出します。試験当日に申請することはできません。申込後に消防試験研究センターから届く受験案内で「科目免除あり」と記載されているかを確認してください。免除が反映されていない場合は、センターに問い合わせて訂正を受けます。

出典:消防試験研究センター「試験実施について」「試験科目及び問題数」(https://www.shoubo-shiken.or.jp/)。消防法(昭和23年法律第186号)。危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号)。危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第55号)。記事中の問題数・合格基準はセンター公表内容に基づきます。試験内容は変更されることがあるため、受験前に最新の案内を必ず確認してください。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

ご質問はメールで。電話・面談はしていません。

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