ITパスポートを受けようと思っている方へ。
「ITパスポートが2027年に新しくなるらしい」という話、以前このブログでもお伝えしていました。そして2026年8月31日、実際に新しいシラバス案(出題範囲の一覧)とサンプル問題が、IPA(情報処理推進機構)から公表されました。
この記事は、公表されたばかりの一次資料を直接読んで、何が変わるのかをできるだけ具体的にまとめたものです。うわさや推測ではなく、IPAが公式に出した文書に基づいて書いています。
(2026年9月4日更新:シラバス案Ver.0.1・サンプル問題の公表内容を反映しました。)
目次
- 結論から:3つの疑問に先に答えます
- 2026年8月31日、何が公表されたのか
- 出題分野は、こう変わります
- いちばん増えたのは「AI」に関する内容です
- 新しく登場した「マインド・スタンス」という考え方
- 現行試験との違い(比較表)
- スケジュールの見通し
- 今からできる、3つの準備
- サンプル問題も、同時に公開されています
- 過去問がまだ少ない時期の、心強い味方
- よくある疑問に答えます
- まとめ
結論から:3つの疑問に先に答えます
この記事を書くにあたって、実際にこのサイトを検索して来てくださった方が多かった3つの疑問に、まず先にお答えします。
Q. ITパスポートは、いつ改訂されるの?
A. 2026年8月31日に、新しい出題範囲の「案」(Ver.0.1)とサンプル問題がIPAから公表されました。試験そのものが新しくなるのは2027年度の見通しです。「案」の段階なので、今後さらに調整される可能性はあります。
Q. ITパスポートのシラバスは、毎年変わるの?
A. これまでも、技術の変化に合わせて内容の見直しが行われてきた試験ですが、今回の2027年度改定は「毎年恒例の小さな更新」とは規模が違います。応用情報技術者試験の後継となる新区分の新設など、情報処理技術者試験全体の枠組みを再編する、大きな改定の一部として行われるものです。
Q. 新試験になったら、難しくなるの?
A. IPAは「難易度が上がる」とは公表していません。ただし、これまであまり出題されてこなかったAI関連の内容がかなり増えているため、生成AIに馴染みのない方にとっては「知らない言葉が増えた」と感じやすい可能性はあります。逆に、日頃から生成AIに触れている方にとっては、得意分野が増えたとも言えます。経営戦略やネットワークの基礎など、これまでの中心分野は大きくは変わらない見込みです。
2026年8月31日、何が公表されたのか
公表されたのは、次の2つの文書です。
- ITパスポート シラバス案(Ver.0.1):出題範囲の一覧表。大分類・中分類という単位で、どんなテーマから出題されるかが示されています
- ITパスポート サンプル問題:新しい出題範囲にそった、実際の問題形式のサンプルが公開されました
同じ日には、ITパスポートだけでなく、新設される「データマネジメント試験(仮称)」のシラバス案や、既存の情報処理安全確保支援士試験のシラバス案も、あわせて公表されています。なお、応用情報技術者試験の後継にあたる「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」のシラバス案(マネジメント区分・システム区分)は、これより一足早く2026年6月・7月の時点ですでに公表されていました。ITパスポートの方が、公表の順番としては後だった、ということになります。
あくまで「案」であり、正式決定ではないという点は、前回の記事と同じく、大事なところなので繰り返しお伝えします。バージョン番号が「Ver.0.1」となっているとおり、これから0.2、0.3……と改訂を重ねて、最終的な正式版に近づいていく流れだと考えられます。
出題分野は、こう変わります
これまでの「ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系」という3つの括りから、大分類・中分類という、より細かい単位に再整理されています。ITパスポートに関係する部分をまとめると、次のようになります。
| 大分類 | 含まれる中分類(テーマ) |
|---|---|
| 1:ビジネス変革 | ビジネス変革の方法論/経営戦略・デジタル戦略/ビジネスモデル・ビジネスプロセス/サービスマネジメント/プロジェクトマネジメント/デザインのアプローチ/マインド・スタンス |
| 2:データ・AIの利活用 | データマネジメント/データ分析・データ利活用/AI利活用 |
| 3:組織活動 | 経営・組織論/ガバナンス・監査 |
| 4:デジタル技術 | デジタルサービス・デジタルツール/システムの種類・構成/クラウド/ネットワーク/データベース/AI技術/情報デザイン・情報メディア |
| 6:セキュリティ | 情報セキュリティの脅威/情報セキュリティマネジメント/情報セキュリティ対策 |
| 7:倫理・コンプライアンス | 情報倫理・AI倫理/ビジネス関連法規/プライバシー関連法規/セキュリティ関連法規 |
表を見ると、大分類の番号が「4」の次に「6」へ飛んでいたり、中分類の番号が「19」の次に「23」へ飛んでいたりします。これは欠番ではなく、その間の番号(大分類5・中分類20〜22など)が、応用情報の後継試験など、他の試験区分に割り当てられているためです(情報処理技術者試験の全体で番号を共通にしているためです)。ITパスポートとしては、大きく「ビジネス」「データ・AI」「組織活動」「デジタル技術」「セキュリティ」「倫理・コンプライアンス」という6つの塊で捉えておけば、まずは十分です。
大きな骨格として、SWOT分析やPDCA、TCP/IPやデータベースの正規化といった、これまでの中心的なテーマの多くはそのまま残っています。「全部入れ替わる」というより、「土台は維持しながら、新しい分野が足される」というイメージのほうが近いです。
いちばん増えたのは「AI」に関する内容です
シラバス案を実際に読んでみて、いちばん目立つ変化は、AI・生成AIに関する用語の多さです。これまでのITパスポートには、ほとんど登場してこなかった言葉が、あちこちに新しく追加されています。
たとえば、次のような用語が、シラバス案の中に用語例として挙げられています。
- 生成AIの技術に関するもの:プロンプトエンジニアリング、RAG(検索拡張生成)、マルチモーダルAI、AIエージェント、ハルシネーション(AIが事実と異なる内容をもっともらしく出力する現象)
- AIの安全・倫理に関するもの:AI倫理、AIガバナンス、XAI(説明可能なAI)、HITL(ヒューマンインザループ)、フロンティアAIによるリスクと脅威
- AIの悪用に関するもの:プロンプトインジェクション、AIを悪用した攻撃(ディープフェイク、マルウェアの亜種生成など)
- 関連する法規:AI基本法
これらは「データ・AIの利活用」という大分類の中の「AI利活用」、そして「デジタル技術」の中の「AI技術」、「倫理・コンプライアンス」の中の「情報倫理・AI倫理」といった、複数のテーマにまたがって登場します。つまり一箇所にまとまっているのではなく、試験全体のあちこちにAI関連の内容が散りばめられている、という状況です。
ふだんの仕事で生成AIを使っている方にとっては、聞いたことのある言葉が並んでいるはずです。逆に、まだ生成AIに触れる機会が少ない方は、この記事や後で紹介するサンプル問題を通じて、一つずつ言葉に慣れておくと安心です。
新しく登場した「マインド・スタンス」という考え方
もう一つ、これまでのITパスポートになかった大きな変化があります。「ビジネス変革」という大分類の中に、「マインド・スタンス」という中分類が新しく設けられました。
これまでの出題範囲は、基本的に「知識として何を知っているか」を問う用語の一覧でした。ところが、この「マインド・スタンス」は、用語の暗記ではなく、「変化への適応」「事実に基づく判断」といった、行動の姿勢そのものを例として挙げているのが特徴です。
知識を問う問題と、姿勢や考え方を問う問題では、対策のしかたも変わってきます。丸暗記だけでは対応しにくい分野が加わった、と捉えておくとよさそうです。この部分がどんな形式の問題になるのかは、後述するサンプル問題でも確認できます。
現行試験との違い(比較表)
前回の記事では「案」の段階だったため、ぼんやりとした比較しかできませんでした。今回は公表された内容にもとづいて、もう少し具体的に整理し直します。
| 項目 | 現行のITパスポート | シラバス案(Ver.0.1) |
|---|---|---|
| 出題分野の括り | ストラテジ・マネジメント・テクノロジ | ビジネス変革/データ・AI利活用/組織活動/デジタル技術/セキュリティ/倫理・コンプライアンス |
| 生成AI・データ活用 | 一部の話題として登場 | 複数の中分類にまたがり、用語例が大幅に増加 |
| 行動・姿勢を問う分野 | 明確な区分はなし | 「マインド・スタンス」として新設 |
| サンプル問題 | 過去問が豊富にある | 2026年8月31日時点で4問が公開済み |
| 開始時期 | 現在実施中 | 2027年度の見通し(正式決定ではない) |
スケジュールの見通し
スケジュールの見通しについては、前回お伝えした内容から大きな変更はありません。
- 2027年度春頃:ITパスポート・情報セキュリティマネジメント・基本情報技術者試験が、新しい形で始まる見通しです
- 2027年度夏〜秋頃:新設される試験区分(プロフェッショナルデジタルスキル試験・データマネジメント試験)と、情報処理安全確保支援士試験が始まる見通しです
今回、出題範囲の中身が具体的になったことで、「いつから」だけでなく「何を」変わるのかも、ある程度見えてきました。正式なシラバス(Ver.1.0以降)が出るまでは、引き続き「見通し」の段階として捉えておくのが安全です。
今からできる、3つの準備
シラバス案が公表されたことで、今からできる準備も、より具体的になりました。
① 公表された用語に、一度目を通しておく
この記事で紹介したAI関連の用語(プロンプトエンジニアリング、ハルシネーション、AI倫理など)は、一度聞いたことがあるだけでも、本番での心理的なハードルがぐっと下がります。すべてを完璧に理解する必要はなく、まずは「見たことがある」という状態を作ることが第一歩です。
② サンプル問題の形式に慣れておく
公表されたサンプル問題を実際に解いてみると、出題の雰囲気がつかめます。後の章で、無料で解ける場所をご紹介します。
③ 予想問題で数をこなす
サンプル問題は4問だけなので、これだけでは練習量が足りません。出題範囲にそった予想問題を数多く解いて、四肢択一の形式に慣れておくことが、引き続き大切です。
サンプル問題も、同時に公開されています
今回のシラバス案の公表にあわせて、IPAは実際の出題形式のサンプル問題も公開しました。マインド・スタンス分野から1問、データマネジメント分野から2問、情報倫理・AI倫理分野から1問の、計4問です。
私たちのアプリでは、このIPA公式のサンプル問題を、そのまま無料で解けるようにしています。問題文・選択肢・正解はIPAが公表したものをそのまま使い、解説は当サイトで作成しました。買い切り前でも、AIの無料回数を使い切っていても関係なく、いつでも解けます。実際にどんな形式で出題されるのか、まずはこの4問で肌で感じてみてください。
過去問がまだ少ない時期の、心強い味方
公式のサンプル問題はまだ4問しかありません。とはいえ、「もっと数をこなしたいけれど、過去問がまだない」という状況は、前回の記事から変わっていません。
過去問がまだ少ない新しい試験だからこそ、AIに予想問題を作らせて、数をこなす、という方法があります。私たちのアプリは、今回公表されたシラバス案Ver.0.1の内容にそって、AIが4択の予想問題と解説をその場で作成します。作った問題は別のAIがもう一度チェックしてから出題する仕組みにしているので、精度にも気を配っています。
このアプリは、ITパスポートだけでなく、応用情報技術者試験の後継にあたる「プロフェッショナルデジタルスキル試験」にも対応しています。両方受けようか迷っている方にも使っていただけます。
大切なのは、道具が何であれ「今から、少しずつ、問題に触れておく」ことです。それが、2027年に向けた、いちばん地に足のついた準備になります。
よくある疑問に答えます
Q. 今の試験と新しい試験、どちらを受けたほうがいいですか?
A. これは人によります。今すぐ受けられる状態まで準備が進んでいるなら、待つ理由はありません。今の試験は出題範囲も過去問も整っているので、むしろ受けやすい状態です。逆に、まだこれから勉強を始める段階で、受験が2027年度にかかりそうなら、新しい範囲を意識しながら準備しても遅くはありません。
Q. 応用情報技術者試験を受ける予定なのですが、同じように変わりますか?
A. はい。応用情報技術者試験は「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」という新しい試験に生まれ変わる案が出ています。記述式(午後試験)が廃止され、すべて多肢選択式になるという変更も検討されており、こちらのシラバス案は2026年6月30日に一足先に公表され、7月31日に一部更新されています。ITパスポートより早いタイミングで情報が動いていた試験、ということになります。
Q. 独学だけで大丈夫でしょうか?
A. ITパスポートは、もともと独学で合格を目指しやすい試験です。新試験になっても、その傾向は大きくは変わらないと考えられます。ただし出題範囲が変わった直後は、市販の参考書がまだ新しい範囲に対応しきれていない、という空白期間が生まれやすいです。その期間だけは、公式シラバスを直接確認したり、AIで作った予想問題で数をこなしたりと、参考書に頼りきらない工夫があると安心です。
Q. 今から勉強しても、範囲が変わったら無駄になりませんか?
A. ITの基礎知識(ネットワークの仕組みや、経営の基本的な考え方など)は、試験の名前や区分が変わっても、土台としてほとんど引き継がれます。今回のシラバス案を見ても、SWOT分析やPDCA、TCP/IPといった従来からのテーマは、そのまま残っていました。無駄になるのは「過去問の正解だけを丸暗記した知識」であって、「なぜそうなるかを理解した知識」は、形が変わっても残ります。
まとめ
2026年8月31日、ITパスポートの新シラバス案(Ver.0.1)とサンプル問題が、実際に公表されました。
- 出題分野は「ビジネス変革」「データ・AI利活用」「組織活動」「デジタル技術」「セキュリティ」「倫理・コンプライアンス」の6つに再整理されます
- いちばんの変化は、AI・生成AIに関する用語の大幅な増加です
- 「マインド・スタンス」という、知識ではなく行動を問う新しい分野が加わりました
- SWOT分析やネットワークの基礎など、従来の中心テーマの多くはそのまま残っています
- サンプル問題4問が公開され、無料で解けます
- まだ「案」の段階であり、今後さらに調整される可能性はあります
あわてる必要はありません。今日、この記事で新しい用語に一度触れておくだけでも、本番までの心の余裕が変わってきます。あなたのペースで、今日から少しずつ進めていってください。
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※この記事は、2026年8月31日にIPA(情報処理推進機構)が公表したシラバス案(Ver.0.1)・サンプル問題をもとに書いています。バージョン番号が示すとおり、まだ「案」の段階であり、今後の改訂で内容が変わる可能性があります。最新の正式情報は、必ずIPAの公式サイトでご確認ください。
※この記事とアプリは、IPAとは関係のない、非公式のものです。AIが生成した予想問題には、内容に誤りが含まれる場合があります。お気づきの点は、アプリ内の「誤り報告」からお知らせいただけると助かります。


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