「データサイエンスの資格や、AIの資格を取ってみたい。でも、種類が多すぎて、どれから手をつければいいのか分からない。」
もし、あなたが今そう感じているなら、この記事はきっとお役に立ちます。
ITパスポート、DS検定、統計検定、E資格。名前は聞くけれど、どれがやさしくて、どれがむずかしいのか。自分には、どれが合っているのか。調べれば調べるほど、かえって混乱してしまう。そんな経験は、ありませんか。
安心してください。この記事を最後まで読めば、その迷いは消えます。データ・AI系の代表的な6つの資格を、「どんな人に向いているか」「どれくらいの難しさか」「どれから取ればいいか」まで、やさしい言葉で、順番に整理します。読み終わるころには、「よし、まずはこれからやってみよう」と、自然に一歩が決まっているはずです。
実は私自身、この6つの資格それぞれについて、AIで問題を作って解く練習アプリを、1つずつ作ってきました。難しい専門書をずっと読んできたタイプではありません。それでも、6つの試験を一つひとつ調べ、実際に問題に触れ、「どこがやさしくて、どこでつまずくのか」を、この目で見てきました。その中で分かった、リアルな違いをお伝えします。
そして、先に1つだけ予告させてください。今回の6つのうち、たった1つだけ、「そのことを知らずに申し込むと、そもそも受けられない」資格があります。合格率の数字だけを見て選ぶと、あとで「あれ?」となる、少し注意が必要な資格です。それがどれなのかは、記事の後半で、はっきりお話しします。気になる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。まずは、全体像から見ていきましょう。
データサイエンス・AIの資格が「多すぎて選べない」のは、あなたのせいではありません
最初に、お伝えしておきたいことがあります。あなたが「どれを選べばいいか分からない」と感じるのは、あなたの理解力が足りないからでは、まったくありません。
理由は、シンプルです。この分野の資格は、レベルも、主催する団体も、問われる内容も、それぞれバラバラだからです。国が行う入門レベルの試験もあれば、大学で学ぶような統計の試験もあり、AIを作るエンジニア向けの、とても専門的な試験もあります。名前が似ているものまであります。これでは、初めての人が迷うのは、当たり前なのです。
だからこそ、大切なのは「全部を完璧に理解しよう」とすることではありません。まずは、ざっくりとした地図を手に入れることです。地図さえあれば、「今の自分は、どこにいて、次はどこへ進めばいいか」が見えてきます。その地図を、これから一緒に描いていきましょう。
まず全体像:6つの資格は「3つの山」に分かれています
むずかしく考える必要はありません。今回の6つは、登る山の高さで、3つのグループに分けられます。ふもとから始まる「入門の山」、少し登った「中級の山」、そして頂上に近い「上級の山」です。
入門の山にあるのが、ITパスポート、DS検定、そして統計検定のデータサイエンス基礎(DS基礎)です。この3つは、誰でも受けられて、合格率も比較的高めです。次の中級の山にあるのが、統計検定2級です。そして、いちばん高い上級の山にあるのが、統計検定準1級と、E資格です。
まずは、この地図を頭に入れてください。文章だけだと分かりにくいので、ひと目で見えるように、表にもまとめておきます。
| 資格 | 主催 | どんな人に向いている? | レベルの目安 |
|---|---|---|---|
| ITパスポート | IPA(国) | ITやAIの基礎を、はじめて学ぶ人 | 入門 |
| DS検定(リテラシー) | データサイエンティスト協会 | データサイエンスの全体像を知りたい人 | 入門 |
| 統計検定DS基礎 | 統計質保証推進協会 | Excelで、統計の計算に慣れたい人 | 入門〜初級 |
| 統計検定2級 | 統計質保証推進協会 | 統計を、基礎からしっかり学びたい人 | 中級 |
| 統計検定準1級 | 統計質保証推進協会 | 統計を、仕事で本格的に使いたい人 | 上級 |
| E資格 | 日本ディープラーニング協会 | AI(ディープラーニング)の技術者を目指す人 | 上級(受験に条件あり) |
それでは、ふもとの「入門の山」から、1つずつ登っていきましょう。ここが、いちばん大事なスタート地点です。
入門の3つ:ITパスポート・DS検定・統計検定DS基礎
入門グループの3つは、どれも受験資格がなく、誰でも申し込めます。合格率も比較的高めなので、最初の一歩に、とても向いています。
ITパスポート:まず「IT全体」を知りたい人の、王道の入口
ITパスポートは、国(IPA)が行う、ITの入門的な国家試験です。データやAIの専門資格ではありませんが、IT・経営・セキュリティ・データ活用など、幅広い基礎を、浅く広く学べます。近ごろは、AIやデータに関する問題も増えてきました。「まずは全体像を知りたい」という人の、王道の第一歩です。
人気も、とても高い試験です。令和6年度(2024年度)の応募者は、なんと約30万人(正確には309,068人)にのぼり、試験が始まって以来、はじめて30万人を超えました(出典:IPA公式「令和6年度iパスの年間応募者数等について」)。合格率は、例年おおむね50%前後とされています(各種の集計より。正確な最新の数字は、IPA公式でご確認ください)。2人に1人ほどが受かる計算なので、しっかり準備すれば、非ITの人でも十分に目指せます。
ITパスポートについては、別の記事でもくわしく書いています。よければ、ITパスポートは2027年に新しくなります。今から動く人のための準備のお話も読んでみてください。実際の問題は、ITパスポートのAI問題演習で、スキマ時間にためせます。
DS検定:データサイエンスの「全体像」を、広く浅くつかむ
DS検定は、正しくは「データサイエンティスト検定 リテラシーレベル」といい、データサイエンティスト協会が行う、入門レベルの検定です。「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」「ビジネス力」という3つの分野を、広く浅く問われます。「データの世界には、どんな知識が必要なのか、全体像を知りたい」という人に、ぴったりです。
受験する人は、1回あたり、およそ2,000人から3,600人ほど。合格率は、近ごろの回では、おおむね40%台で推移しています(出典:データサイエンティスト協会の公式サイト「過去実施結果」)。数字は回ごとに変わるので、最新は公式でご確認ください。
DS検定の勉強のしかたは、DS検定に合格する人がやっている勉強法にまとめています。練習は、DS検定のAI問題演習で、1日3問から気軽に始められます。
統計検定DS基礎:Excelを使って、手を動かしながら統計に慣れる
ここで1つ、間違えやすいポイントをお伝えします。名前がよく似ていますが、さきほどの「DS検定」と、この「統計検定DS基礎」は、主催する団体も違う、別の試験です。DS検定はデータサイエンティスト協会、DS基礎は統計検定(統計質保証推進協会)が行っています。
統計検定DS基礎の大きな特徴は、本番で「Excel(表計算ソフト)」を使って計算することです。パソコンで受けるCBT方式で、時間は90分ほど、問題数はおよそ45問とされています(各種の集計より)。平均や相関、回帰といった統計の基礎を、データの表を見ながら、実際に手を動かして解いていきます。「読むだけでなく、手を動かして慣れたい」という人に向いています。合格率は、年によって変わりますが、近年はおおむね60%台とされています(2023年は約62%、2024年は約66%という集計があります。正確な数字は公式でご確認ください)。
くわしくは、統計検定DS基礎は「Excelを使う」試験ですをどうぞ。練習は、統計検定DS基礎のAI問題演習で、Excel関数の使い方も一緒に確認できます。
中級と上級:統計検定2級と準1級
入門の山を登り終えたら、次は少し高い山です。統計を、なんとなくではなく、きちんと理解したい人のためのステップです。
統計検定2級:統計の「土台」を、しっかり固める
統計検定2級は、大学の教養課程でならうような、統計の基礎をあつかいます。データの読み方だけでなく、推測統計や仮説検定、回帰といった、少し踏みこんだ内容も出てきます。データサイエンスを、理論からしっかり身につけたい人にとって、定番の一歩です。
合格率は、おおむね50%前後で推移しています(2021年から2023年は、48%から50%ほど。統計検定公式のデータを引用した集計より)。入門の3つより少し身がまえる内容ですが、しっかり準備すれば、十分に届く範囲です。練習は、統計検定2級のAI問題演習で、少しずつ慣れていけます。
統計検定準1級:統計を「武器」にしたい人の、本格的な難関
統計検定準1級は、2級より一段むずかしい、応用レベルです。あつかう範囲がぐっと広がり、多変量解析や時系列など、いろいろな分析の手法が出てきます。合格までに必要な勉強時間は、およそ300時間とも言われ、2級のおよそ5倍という見方もあります(各種の集計より)。
合格率は、今のCBT方式では、おおむね35%前後とされています(2021年から2023年は、35%前後。統計検定公式のデータを引用した集計より。ただし、方式や資料によって数字が変わるので、必ず公式でご確認ください)。「統計を、仕事で本格的に使えるようになりたい」という人が、2級の次に目指す山です。練習は、統計検定準1級のAI問題演習で、幅広い範囲に触れておけます。
【いちばん気になるポイント】E資格には、他の5つにない“落とし穴”があります
お待たせしました。記事の最初で予告した、「知らずに申し込むと、そもそも受けられない資格」の話です。それが、このE資格です。
E資格は、日本ディープラーニング協会(JDLA)が行う、AI(ディープラーニング)の技術者向けの資格です。数学や機械学習、そしてディープラーニングの実装まで、とても専門的な内容が問われます。まさに、上級の山の頂上の1つです。
ここで、合格率の数字を見てみましょう。2025年の試験では、第1回が受験1,043名で合格率およそ68%、第2回が受験1,039名で合格率およそ70%でした(出典:JDLA公式のプレスリリース)。累計の合格者は、9,900名を超えています。この数字だけを見ると、「あれ、7割も受かるなら、意外とやさしいのかな?」と思うかもしれません。
ですが、ここに落とし穴があります。E資格は、だれでもすぐに受けられる試験ではありません。受験するには、協会が認定した講座(認定プログラム)を、試験日までの決められた期間内(過去2年以内)に修了しておくことが、必須の条件になっています(出典:JDLA公式)。
つまり、しっかり学んで準備をした人だけが、そもそも受験できる仕組みなのです。合格率が高めに見えるのは、この「事前の講座」で、すでに実力のある人にしぼられているから、という背景があります。ほかの5つが「誰でも申し込める」のに対し、E資格だけは「まず講座を受ける」というステップが必要です。ここを知らずに「合格率が高いから」と最後に回してしまうと、いざ受けようとしたときに、講座の時間とお金が別に必要だと気づく、ということが起こります。だからこそ、E資格を考えている人は、いちばん早い段階で、公式サイトの受験資格を確認しておくことをおすすめします。
出題のイメージだけでも先につかんでおきたい、という方は、E資格のAI問題演習で、どんな内容が問われるのかを、ためしてみてください。
結局、どれから取ればいい?あなたのタイプ別の答え
ここまで読んで、地図はだいぶ見えてきたと思います。最後に、タイプ別の「どれから取るとよいか」を、はっきりお伝えします。
まず、「ITやデータの世界に、とにかく一歩ふみ出したい」という人には、ITパスポートか、DS検定から始めるのがおすすめです。どちらも受験資格がなく、合格率も比較的高いので、最初の成功体験を作りやすいからです。とくに、仕事がITと直接関係ない人は、国家資格であるITパスポートから入ると、まわりからも分かりやすく評価されやすいです。
次に、「データを扱う仕事をしていて、統計を手を動かして学びたい」という人には、統計検定DS基礎で、Excelを使いながら基礎に慣れ、その後で統計検定2級に進むと、理論と実務の両方が身につきます。
そして、「統計を、仕事で本格的な武器にしたい」という人は、2級のあとに、統計検定準1級を目指しましょう。ここまで来れば、データ分析の仕事で、大きな自信になります。
最後に、「AI・ディープラーニングのエンジニアになりたい」という人は、E資格が目標になります。ただし、さきほどお話ししたとおり、受験には認定講座の修了が必要です。時間とお金の計画を、早めに立てておくことが大切です。
共通して言えるのは、いきなり上級の山をねらわず、ふもとの入門から、一歩ずつ登っていくことです。1つ受かるたびに、次の山が、ぐっと近くに見えてきます。
まずは「1問」から。気になる資格を、今日ためしてみませんか
資格選びで、いちばんもったいないのは、「どれにしようか」と迷っているうちに、時間だけが過ぎてしまうことです。地図が手に入った今が、動きだすいちばんのタイミングです。
とはいえ、いきなり分厚い参考書を買う必要は、ありません。まずは、気になった資格の問題を、スマホで1問だけ、解いてみてください。「あ、これなら続けられそう」「思ったより面白い」。その小さな手ごたえが、あなたを次の一歩へ運んでくれます。
私が作ったのは、まさにその「1問」を、気軽にためせるアプリです。AIが問題を作り、別のAIが内容をチェックしてから出しています。気になる資格から、のぞいてみてください。ITならITパスポート、データサイエンスの入り口ならDS検定、Excelで手を動かすなら統計検定DS基礎、統計をしっかり学ぶなら統計検定2級や準1級、AIの技術者を目指すならE資格が、それぞれ待っています。どれも、1日3問から無料でためせます。
まとめ
データ・AI系の6つの資格は、「入門の山(ITパスポート・DS検定・統計検定DS基礎)」「中級の山(統計検定2級)」「上級の山(統計検定準1級・E資格)」という、3つの高さで考えると、すっきり整理できます。迷ったら、まずは受験資格がなく合格率も高めの、入門の3つから始めるのが安心です。
そして、忘れないでほしいのが、E資格だけは受験に「認定講座の修了」という条件がある、ということです。目指す場合は、いちばん早い段階で、公式サイトの受験資格を確認しておきましょう。
資格は、ゴールではなく、次に進むための道具です。どの山から登るとしても、大切なのは、今日、小さな一歩を踏み出すことです。あなたのペースで、一歩ずつ。心から応援しています。
※各試験の受験料・日程・受験資格・合格基準・合格率・受験者数などは、年度によって変わります。この記事の数字は、記載した出典の公表時点のものです。正確な最新情報は、必ず各試験の公式サイトでご確認ください。また、この記事で紹介する学習アプリは、各試験の主催団体とは関係のない、非公式のものです。問題はAIが作成しているため、内容に誤りが含まれる場合があります。
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