居宅介護支援事業所の人員基準|主任ケアマネの要件と逓減制を解説

居宅介護支援事業所の人員基準は、管理者とケアマネジャー(介護支援専門員)が必置です。最大の変更点は2021年度改定で管理者が主任介護支援専門員(主任ケアマネ)でなければならなくなった点です。経過措置は2026年3月31日まであります。ケアマネ1人あたりの担当件数上限は45件(ICT活用で緩和可)で、件数を超えると報酬が大幅に下がる逓減制があります。

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必置の職員:管理者とケアマネジャー

居宅介護支援事業所には次の職員を配置する必要があります。

職種 人数・形態 主な要件
管理者 1人以上(常勤・専従) 主任介護支援専門員の資格保持(2021年度改定、経過措置2026年3月31日まで)
介護支援専門員(ケアマネ) 常勤換算1人以上 利用者35人ごとに1人が目安。45件超で逓減制が適用

管理者とケアマネは兼務が認められています(管理者自身がケアマネ業務を担うことが多い)。ただし他の事業所の管理者やサービス提供責任者との兼務は原則として認められません。

管理者の要件:主任ケアマネが必須(2021年度改定)

2021年度の基準改定により、居宅介護支援事業所の管理者は主任介護支援専門員(主任ケアマネ)でなければなりません。ただし経過措置として、次の場合は2026年3月31日まで主任ケアマネ以外の介護支援専門員が管理者になれます。

  • 2021年3月31日時点で既に管理者として勤務している介護支援専門員
  • 主任ケアマネ研修の受講が困難な特別の事情がある場合(都道府県が認定)

2026年4月1日からは全事業所で主任ケアマネが管理者として必須になります。現在管理者として勤務している方で主任ケアマネの資格がない場合は、2026年3月31日までに研修修了が必要です。主任ケアマネ研修は各都道府県が実施しており、申し込みから受講まで数か月かかることがあります。

出典:厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(2021年改正)

ケアマネジャーの担当件数と逓減制

居宅介護支援の報酬は「担当件数」によって変わります。ケアマネ1人の担当件数が45件を超えると逓減制が適用され、単価が大幅に下がります(2024年度)。

担当件数 適用される報酬 要介護1〜2の単価 要介護3〜5の単価
44件以下 居宅介護支援費(Ⅰ) 1,087単位/月 1,381単位/月
45〜59件 居宅介護支援費(Ⅱ) 522単位/月 659単位/月
60件以上 居宅介護支援費(Ⅲ) 522単位/月 659単位/月

出典:厚生労働省「2024年度介護報酬改定における改定事項について」

45件を超えた瞬間にその超過分の報酬が半分以下(約48%)になります。現実的な業務量として1人35〜40件が多く、45件超は事務負担・品質維持の観点からも推奨されません。ケアマネが35件を担当している事業所での月収入目安については、居宅介護支援事業所の開業資金の記事を参照してください。

逓減制の緩和要件(2024年度)

2024年度の改定で、一定要件を満たす場合に逓減制の適用開始が45件→49件に緩和されました。緩和要件は次の通りです。

  • ケアプランデータ連携システムを活用している
  • 事務職員を配置している

この緩和により、ICT活用と事務員配置を組み合わせることで、ケアマネ1人の担当件数の上限を実質的に引き上げることが可能になりました。ただし緩和後も50件を超えると逓減が始まります。

設備基準:3種類の設備が必置

都道府県(または市区町村)の指定を受けるには、次の設備が必要です。

  • 事務室:事業の運営に支障がない広さ。自宅の一室でも可(自治体の解釈による)。他の事業所の事務室と明確に区分けする必要がある場合もあります。
  • 相談室:利用者・家族のプライバシーが確保できる構造。パーティションによる仕切りが一般的。
  • 鍵のかかる書庫:ケアプラン・アセスメント票等の個人情報を保管する金属製キャビネット(鍵付き)。

車両は設備基準上の要件ではありませんが、利用者宅や医療機関への訪問が日常業務のため実態上必要です。

サービス提供体制強化のための職員配置

法定要件を超えた職員配置を行うことで、特定事業所加算を取得できます。加算の種類と主な要件は次の通りです。

加算種類 月額単位 主な要件
特定事業所加算(Ⅰ) 505単位/月(1件あたり) 主任ケアマネ2人以上配置、24時間対応、困難事例対応実績等
特定事業所加算(Ⅱ) 407単位/月 主任ケアマネ1人以上配置、24時間対応等
特定事業所加算(Ⅲ) 309単位/月 ケアマネ3人以上配置、24時間対応等(主任ケアマネ不要)
特定事業所加算(Ⅳ) 162単位/月 主任ケアマネ1人以上配置のみ(小規模事業所向け)

特定事業所加算(Ⅳ)は比較的取得しやすい要件です。主任ケアマネが1人配置されており、開業後一定期間が経過した時点で申請を検討してください。

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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