消防設備士 乙6の規格は、筆記5科目の中の1科目で6問です(消防法施行規則第33条の10)。合格には3問以上の正解が必要です(消防法施行規則第33条の11の2・6問×40%=2.4問→切り上げて3問)。
規格は2つの省令から出題されます。「消火器の技術上の規格を定める省令」(消火器規格省令)と「消火器用消火薬剤の技術上の規格を定める省令」(薬剤規格省令)です。消火器の部品・表示・放射性能・消火薬剤の種類と性質が問われます。この記事では、6問の出題テーマと問われ方を整理します。
作成:fufumumu_design(ふふ)/作成日:2026年10月3日/問題数・合格基準の根拠:消防法施行規則第33条の10・第33条の11の2。各出題テーマの根拠:消火器の技術上の規格を定める省令・消火器用消火薬剤の技術上の規格を定める省令。
規格は2つの省令から出題される。消火器の規格と薬剤の規格
規格科目の根拠となる省令は2つあります。
| 省令 | 内容 |
|---|---|
| 消火器の技術上の規格を定める省令(消火器規格省令) | 消火器本体の構造・部品・表示・放射性能に関する規格 |
| 消火器用消火薬剤の技術上の規格を定める省令(薬剤規格省令) | 消火薬剤の種類・性質・適応火災に関する規格 |
試験では「消火器規格省令で定めるもの」「薬剤規格省令で定めるもの」という表現で問われます。2つの省令がそれぞれ何を定めているかを把握しておくことが、問題を読み解く出発点になります。
消火器の表示(消火器規格省令)。ラベルに書かなければならない事項
消火器には、消火器規格省令で定められた事項を表示しなければなりません。試験では「表示に含まれるもの・含まれないもの」を選ぶ問題が出ます。
消火器のラベルに表示しなければならない主な事項は次のとおりです。
- 品名(消火器の種類。「粉末消火器」「強化液消火器」など)
- 適応火災の絵表示(A火災・B火災・C火災の区分)
- 充填された消火薬剤の種類と量
- 使用方法(図示による簡明な表示)
- 取扱上の注意事項
- 製造年
- 製造者の名称または商標
- 型式番号(型式承認を受けた番号)
出題パターンとして多いのは「次のうち、消火器の表示事項として定められているものはどれか」という形式です。製造年・薬剤の種類・使用方法は表示必須事項として出題頻度が高い項目です。
適応火災の表示(A・B・C)。記号の意味と消火器との対応
消火器の適応火災は、A・B・Cの3区分で表示されます。
| 記号 | 火災の種類 | 代表的な対象 |
|---|---|---|
| A(白地) | 普通火災 | 木材・紙・繊維など |
| B(黄地) | 油火災 | ガソリン・灯油・油脂類など |
| C(青地) | 電気火災 | 変電設備・電気機器など |
消火器の種類によって対応できる火災区分が異なります。粉末(ABC粉末)消火器はA・B・C全てに対応し、二酸化炭素消火器はBとCに対応しますがAには対応しません。消火器の種類と適応火災の対応は消火器の種類の記事にまとめています。
規格科目では「この記号(色)はどの火災区分か」「この消火器が適応しない火災はどれか」という問いが出ます。記号(A・B・C)と背景色(白・黄・青)の対応を覚えておくと正確に答えられます。
安全装置と使用済み表示装置(消火器規格省令)
消火器には、誤操作を防ぐための安全装置と、使用済みかどうかを確認するための使用済み表示装置が規定されています。
| 装置 | 役割 | 規格のポイント |
|---|---|---|
| 安全装置(安全栓) | 誤って放射されないようにする | 使用時は引き抜くだけ(1動作で取り外せる)。取り外し方向にワイヤー等の抵抗がないこと |
| 使用済み表示装置 | 使用後または内部点検後に「使用済み」と表示する | 一度使用すると元に戻せない構造(一回性) |
試験では「安全栓の取り外しは何動作か」「使用済み表示装置の目的は何か」という問いが出ます。安全栓は1動作で引き抜けること・使用済み表示装置は一度使用すると元に戻せない(一回性)という点が出題のポイントです。
指示圧力計(蓄圧式消火器)。緑色の範囲が使用可能域
蓄圧式消火器には指示圧力計(圧力ゲージ)が取り付けられており、消火器内部の圧力を確認できます。
- 指示圧力計は蓄圧式消火器のみに設置される(加圧式には設置されない)
- 緑色の範囲が使用圧力域(正常範囲)を示す
- 指針が緑色の範囲内にあれば、内部の圧力が正常な状態
- 指針が緑色の範囲を外れている場合は整備が必要
試験では「指示圧力計が設置されるのはどのタイプの消火器か」「指針が緑色の範囲にある場合、消火器の状態はどうか」という問いが出ます。「蓄圧式にのみ設置」「緑色が正常範囲」という2点を押さえます。指示圧力計の使用圧力域の数値は数字まとめを参照してください。
放射性能の規格(消火器規格省令)。放射時間・放射距離・放射量
消火器の放射性能(どれだけの消火薬剤を、どれくらいの時間・距離で放射できるか)は消火器規格省令で最低基準が定められています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放射時間 | 消火薬剤の種類・消火器の型式ごとに最低放射時間が定められている |
| 放射距離 | 棒状放射(水・強化液の棒状)は最低放射距離の基準がある。霧状放射は規定が異なる |
| 放射量 | 充填した消火薬剤の90%以上を放射できること |
試験では「消火器の放射性能として定められているものはどれか」「充填した消火薬剤のうち放射できる割合の下限はいくらか」という問いが出ます。「充填量の90%以上を放射できること」という放射量の基準は出題頻度が高い項目です。放射時間・放射距離の数値は数字まとめにまとめています。
消火薬剤の規格(薬剤規格省令)。種類と適応火災の対応
消火薬剤の種類・性質・適応できる火災区分は薬剤規格省令で定められています。試験では薬剤の種類と適応火災の対応が問われます。
| 消火薬剤 | 適応火災 | 特徴 |
|---|---|---|
| 粉末(ABC粉末) | A・B・C | リン酸アンモニウム系。汎用性が最も高い |
| 粉末(BC粉末) | B・C | 炭酸水素ナトリウム系・炭酸水素カリウム系 |
| 強化液 | A(霧状はB・Cも) | 炭酸カリウム水溶液。棒状放射はAのみ、霧状放射はA・B・C |
| 泡(化学泡・機械泡) | A・B | C(電気)火災には使用不可(導電性があるため) |
| 二酸化炭素 | B・C | Aには適応しない。密閉空間での使用に注意 |
| ハロゲン化物 | B・C | ハロン1211・ハロン1301は製造禁止(モントリオール議定書)。HFC系等は継続 |
| 水(棒状放射) | A | 棒状放射はA火災のみ |
| 水(霧状放射) | A・C | 霧状放射はA・C火災に対応 |
試験では「この消火薬剤が適応しない火災区分はどれか」「泡消火器が使えない火災はどれか」という形式が多く出ます。泡がC(電気)火災に対応しないこと・強化液の棒状と霧状で適応火災が変わることが出題のポイントです。
試験問題の出題パターン4つ。6問に対応する
規格6問の出題パターンは次の4つです。
| パターン | 例 |
|---|---|
| 表示事項を選ぶ | 「消火器の表示事項として定められていないものはどれか」 |
| 部品の規格の正誤を選ぶ | 「蓄圧式消火器の指示圧力計について正しいものはどれか」「安全栓の取り外しに関して誤っているものはどれか」 |
| 消火薬剤の種類と適応火災を選ぶ | 「次の消火器のうち、C(電気)火災に適応しないものはどれか」 |
| 放射性能の正誤を選ぶ | 「消火器の放射性能として定められているものはどれか」 |
消火薬剤の適応火災・消火器の表示事項・指示圧力計(蓄圧式のみ・緑色が正常)の3点は出題頻度が特に高く、この3点を確実に押さえると規格科目の足切りを回避しやすくなります。
問題集で規格の問題を確認する
消防設備士 乙6の問題集(https://fufumumu-design.com/shobo-otsu6/)では、規格の問題を科目・分野別に収録しています。筆記の問題集は全問無料で使えます。
問題を解いた記録が残るので、どのテーマの正解率が低いかを把握しながら進められます。問題を解き終えたあとは、AIが作る問題(1日3問まで無料・買い切りで無制限)で角度を変えた練習ができます。


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