福祉事業所の全国の数字。9サービスの収入・給与費率・収支差率を、決算額をもとにまとめました。

福祉事業所の全国の数字(9サービスの収入・給与費率・収支差率) サービス共通

このページの数字は、厚生労働省と福祉医療機構(WAM)が公表した資料をもとに、当方が読み取り・計算・整理して作成したものです(給与費率は、給与費÷収入で当方が計算)。両機関が作成・公表したものではなく、両機関はこのページの内容について責任を負いません。

まず、9サービスの数字を1つの表で比べる

収入・給与費率・収支差率(平均)は、決算額をもとにした全国の平均です。「中央値」は、事業所ごとの収支差率を順に並べたときの真ん中の値です。平均と中央値が大きく違うサービスもあります(放課後等デイサービスは平均9.1%・中央値2.7%、児童発達支援は平均7.8%・中央値9.7%)。稼働率は参考値です。

サービス 年間収入(1事業所あたり平均) 給与費率 収支差率(平均) 収支差率(中央値) 稼働率(利用率・参考) 対象数
放課後等デイサービス 3,102万円 64.4% 9.1% 2.7% 87.8% 304事業所
児童発達支援 2,213万円 68.0% 7.8% 9.7% 80.8% 320事業所
共同生活援助(介護サービス包括型) 3,990万円 61.7% 6.9% 5.3% 85.7% 341事業所
共同生活援助(日中サービス支援型) 5,803万円 66.1% 5.1% 5.9% 86.0% 236事業所
生活介護 7,939万円 69.1% 6.3% 7.9% 84.2% 368事業所
就労移行支援 2,878万円 64.2% 6.0% 4.5% 69.2% 296事業所
短期入所 880万円 69.2% 2.3% 2.8% (データなし) 337事業所

出典:厚生労働省「令和7年障害福祉サービス等経営概況調査結果」(令和6年度決算。第48回障害福祉サービス等報酬改定検討チーム資料5)。収入・支出には、借入金利息・法人本部との繰入金・特別収益・特別費用も含まれます。稼働率は福祉医療機構(WAM)「経営分析参考指標」2023年度(令和5年度)決算分のダイジェスト版の「利用率」で、融資先の決算にもとづく参考値です(全事業所の平均ではなく、決算の年度も1年古い。児童発達支援は、児童発達支援センター以外の数字。短期入所は掲載なし)。標本調査のため、対象数が少ないサービスは幅を持ってご覧ください。基準日:2026年9月27日。

訪問介護・訪問看護は、別の調査(介護保険)の数字を使う

訪問介護・訪問看護は、上の7サービスとは異なる調査(介護保険の事業所を対象にした調査)で公表されています。単位も「1か月あたり」です。混同しないよう、別の表にしています。

サービス 月間収入(1事業所あたり平均) 給与費率 収支差率 月の訪問回数
訪問介護 316万円 67.8% 9.6% 853.3回
訪問看護ステーション(介護保険のみ) 348万円 70.1% 10.3% 421.5回

出典:厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査結果」(令和6年度決算)。訪問看護は介護保険の利用分のみで、医療保険の訪問看護は含みません。基準日:2026年9月27日。

平均は、収入の大きい事業所の影響を受けて中央値とずれる

表の「収支差率(平均)」は、収支差の平均を収入の平均で割った数字です。収入の大きい事業所の結果が強く反映されるため、事業所ごとの収支差率の真ん中(中央値)とずれます。放課後等デイサービスは平均9.1%に対して中央値は2.7%で、平均のほうが高く出ています。反対に、児童発達支援(平均7.8%・中央値9.7%)、共同生活援助(日中サービス支援型)、生活介護、短期入所は、中央値のほうが高くなっています。ご自分の事業所と比べるときは、平均と中央値の両方を見てください。

サービスごとに、経営主体と規模で差が出る

放課後等デイサービス

経営主体別では、営利法人が収支差411.8万円のプラス、社会福祉法人は54.2万円のマイナスです(いずれも年間・1事業所あたり)。

開業向け収支シミュレーター/経営診断(決算を入れて全国と比べる)/くわしい記事

児童発達支援

定員21人以上の事業所は、収支差が561.1万円のマイナスです(定員20人以下の区分はプラス)。

開業向け収支シミュレーター/経営診断(決算を入れて全国と比べる)

共同生活援助(介護サービス包括型)

定員31人以上の事業所は収支差率が約10.4%で、規模別で最も高くなっています。定員4人以下・5人・7人の事業所は、収支差がマイナスです。

開業向け収支シミュレーター/経営診断(決算を入れて全国と比べる)/くわしい記事

共同生活援助(日中サービス支援型)

介護サービス包括型より収入・収支差の額は大きいものの、収支差率(平均5.1%)は包括型(6.9%)より低くなっています。

開業向け収支シミュレーター/経営診断(決算を入れて全国と比べる)

生活介護

定員61〜80人・81人以上の事業所は、収支差がマイナスです(ただし、この2つの区分は対象の事業所数がそれぞれ11・4と少なく、参考程度です)。

開業向け収支シミュレーター/経営診断(決算を入れて全国と比べる)

就労移行支援

社会福祉法人の収支差率(約11.7%)は営利法人(約2.6%)より高い一方、収入の額は営利法人の3分の1程度です。

開業向け収支シミュレーター/経営診断(決算を入れて全国と比べる)

短期入所

収支差率(平均2.3%)は7サービスの中で最も低く、社会福祉法人(最も多い経営主体)は収支差がマイナスです。

開業向け収支シミュレーター/経営診断(決算を入れて全国と比べる)

この数字は、比べるための物差しとして使う

ここにある数字は、標本調査にもとづく全国の平均・中央値です。地域・規模・経営の状況によって、実際の数字は大きく変わります。融資・指定・運営指導などで求められる基準を満たすことを保証するものではありません。ご自分の事業所の数字と比べるときは、「福祉事業所の経営診断」もあわせてお使いください。

福祉事業所の経営診断(ご自分の決算を入れて全国の数字と比べる)/福祉事業の開業・運営・研修のツールと記事の一覧

作成:fufumumu_design(最終更新:2026年9月27日)

福祉事業の開業・運営のツールと記事の一覧:訪問介護・訪問看護・障害者グループホーム・放課後等デイサービス・児童発達支援・生活介護・就労移行支援・就労継続支援B型・短期入所の、収支シミュレーター・経営診断・法定研修キットとサービス別の記事(無料で試せます)

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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