就労移行支援の収入の計算方法|定着率別単価と月収入シミュレーション

就労移行支援の収入は「1日あたり単価 × 利用者数(実績)× 開所日数 × 1単位単価」で計算します。報酬は「就労定着率」によって決まる連動型で、定員20人・稼働率80%・定着率50%以上(1,210単位/日)の場合の月収入は約428万円です。ただし新規開業から2年間は定着率が「30〜40%未満(879単位/日)」とみなされるため、3年目以降に収入が大きく増える構造です。

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収入の計算式

就労移行支援の月収入は次の式で計算します。

月収入 = 1日単価(単位) × 月間実利用者数(延べ) × 1単位単価

月間実利用者数(延べ)= 1日あたり平均利用者数 × 月の開所日数

開所日数は事業所が自由に設定できますが、月20〜22日(年間240〜260日)が標準的です。

定着率別の1日あたり報酬単価(2024年度・定員20人以下)

定着率区分 1日あたり単価 適用場面
50%以上 1,210単位/日 実績3年目以降(上位)
40〜50%未満 1,020単位/日 実績3年目以降
30〜40%未満(新規みなし) 879単位/日 開業から2年間(全新規事業所)
20〜30%未満 719単位/日 実績が低い場合
10〜20%未満 569単位/日 実績が低い場合
5〜10%未満 519単位/日 実績が低い場合
5%未満(0人含む) 479単位/日 就職者がほぼいない場合

出典:厚生労働省「2024年度介護報酬改定における改定事項について(就労移行支援)」

具体的な収入計算例

開業直後(新規みなし・879単位/日)

定員20人・稼働率80%(16人/日)・新規みなし(879単位)・月20日・11円換算:

  • 1日あたり収入:879 × 16人 × 11円 = 154,704円
  • 月収入(20日):154,704 × 20 = 3,094,080円

3年目以降(定着率50%以上・1,210単位/日)

定員20人・稼働率80%(16人/日)・定着率50%以上(1,210単位)・月20日・11円換算:

  • 1日あたり収入:1,210 × 16人 × 11円 = 212,960円
  • 月収入(20日):212,960 × 20 = 4,259,200円

新規みなしと定着率50%以上の差は月約116万円(年約1,392万円)です。3年目以降に定着率を維持できれば収益が大きく改善します。

稼働率別・定着率別の月収入一覧表

定員20人・月20日・1単位11円の場合:

単価区分 稼働率60%(12人/日) 稼働率80%(16人/日) 稼働率100%(20人/日)
1,210単位(定着50%以上) 319万円 426万円 532万円
879単位(新規みなし) 232万円 309万円 387万円
719単位(定着20〜30%) 190万円 253万円 317万円
479単位(定着5%未満) 127万円 169万円 211万円

就労定着率の仕組みと収入への影響

就労定着率は「前年度の修了者のうち、就職後6か月以上継続就労した者の割合」です。毎年4月に前年度の実績が確定し、4月以降の報酬単価が決まります。

就労移行支援を修了せずに中断した方や、就職後6か月以内に退職した方は「定着者」に含まれないため、定着率を高めるためには就職の質(安定した職場への定着)が重要です。

新規事業所は2年間のみなし区分(879単位)が終了した時点で初めて実績が反映されます。開業から2〜3年目の単価更新が、事業所の収支構造を大きく変える分岐点です。

主な加算で収入を増やす方法

  • 移行準備支援体制加算(Ⅰ):就労移行支援を修了し就職した方に対し、就職後6か月間のフォローアップを実施した場合(1日あたり22単位・就職者数分)
  • 就労支援関係研修修了加算:就職支援ナビゲーター等の研修修了者を配置した場合(1日あたり6単位)
  • サービス提供体制強化加算:常勤職員割合が75%以上(Ⅰ)等の場合(1日あたり10〜18単位)

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就労移行支援以外の福祉事業の収支情報は、福祉事業者向けツール一覧にまとめています。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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