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運送事業者は、死者・重傷者が発生した事故など一定の事故が起きた場合、24時間以内に運輸支局へ速報を入れる義務がある。詳報は30日以内に提出する。事故後には再発防止策の記録と社内への共有も義務の範囲に含まれる。
速報が必要な事故は、7つの基準のいずれかに当てはまる場合
自動車事故報告規則(昭和26年運輸省令第104号)第2条では、次のいずれかに当てはまる事故が「報告すべき事故」として定められている。速報は24時間以内(電話等)が義務だ。
| # | 速報が必要な事故の基準 |
|---|---|
| ① | 死者が生じた事故 |
| ② | 重傷者(加療30日以上を要する者)が生じた事故 |
| ③ | 自動車が転覆・転落・火災(積み荷への延焼含む)した事故 |
| ④ | 鉄道の踏切内での事故(列車の運行を妨げたもの) |
| ⑤ | 10台以上の自動車の衝突または接触(玉突き事故) |
| ⑥ | 高速自動車国道または自動車専用道路での事故(2名以上の重傷者、または5台以上の衝突) |
| ⑦ | 運転者の疾病(心疾患・脳疾患等)を原因とする事故 |
「転覆」は35度以上の傾斜、「転落」は道路外への飛び出しが目安とされている(行政上の解釈による)。
速報は24時間以内、詳報は30日以内
速報は、事故発生から「できる限り速やかに(24時間以内を目安)」として、最寄りの運輸支局に電話等で通知する。連絡先は事業者が把握しておく必要がある。速報の後、様式2(自動車事故報告書)に記載した詳報を30日以内に提出する。
速報を怠った場合・虚偽の報告をした場合は、貨物自動車運送事業法に基づく行政処分(事業停止等)の対象になる。
事故後に再発防止策を記録して共有する義務がある
貨物自動車運送事業輸送安全規則第9条の2は、事故が発生した場合に「事故の発生原因・再発防止策を社内で共有する」ことを義務づけている。この「共有」は口頭だけでは不十分とされており、書面・社内通知等で記録に残すことが求められる。
運輸局の運営指導(監査)では、過去の事故とその後の再発防止策がセットで確認される。「事故はあったが対策を記録していない」状態は、指摘事項になりやすい。
事故直後にドライバーがすべき対応
道路交通法第72条は、事故発生直後の運転者に次の措置を義務づけている。
- 車両を停止して、負傷者の救護を行う
- 道路の危険防止のための必要な措置を取る
- 警察官への報告(最寄りの警察署または110番)
負傷者の救護をしないまま逃げると「ひき逃げ」に当たる。事故が軽微に見えても、その場で確認できることには限界がある。まず停車・救護・報告の順で動くことをドライバーに繰り返し伝えておく必要がある。
事業者が事故後にすべき対応の流れ
事業者(運行管理者)の対応を時系列で整理すると次のようになる。
| タイミング | 対応 |
|---|---|
| 事故発生直後 | ドライバーからの第一報を受け、状況を確認する。必要に応じて応援・代替車を手配する |
| 24時間以内 | 速報対象か判断し、対象であれば運輸支局へ電話報告する |
| 30日以内 | 様式2(自動車事故報告書)を作成・提出する |
| 事後 | 原因分析・再発防止策の策定、社内共有・記録の保存 |
交通事故が運転者に与える心理的影響にも対応が必要
国土交通省告示第1366号別表第2の12テーマの一つ「交通事故が運転者に与える心理的影響」がある。重大事故に関わった運転者は、恐怖感・自責感・フラッシュバックなどの症状が出ることがある。事故後にそのまま乗務を継続させるのではなく、心理的な状態を確認する場を設けることが求められている。
事業者としては、事故後の運転者への声かけと、必要に応じた専門機関(EAP・産業カウンセラー等)への連携を検討しておくことが大切だ。軽微な事故でも当事者の運転者は精神的な負担を抱えやすく、それが次の事故リスクにつながるケースがある。
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出典:自動車事故報告規則第2条(e-Gov法令検索)、貨物自動車運送事業輸送安全規則第9条の2(e-Gov法令検索)、道路交通法第72条(e-Gov法令検索)、国土交通省告示第1366号別表第2。作成:2026年10月。


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