運輸局の運営指導(監査)で、ドライバー教育はどう確認されるか。

運輸局の運営指導(監査)で、ドライバー教育はどう確認されるか。 運送業(ドライバー教育)

運輸局・運輸支局が行う巡回指導(運営指導)では、ドライバーへの指導・監督の実施状況と記録が確認対象になります。直近1年分の記録が整っているか・12テーマをすべて実施しているかが主な確認ポイントです。記録がない・テーマが抜けていると改善を求められます。

この記事では、運輸局の確認の仕組み・確認されるポイント・事前に整えておくべきことをまとめます。

巡回指導と監査の違い

運輸局が行う確認には「巡回指導」と「監査」の2種類があります。

巡回指導 監査
実施機関 適正化実施機関(トラック協会等) 運輸局・運輸支局
目的 改善指導・支援 法令違反の調査・処分
主な対象 全事業者(定期的に実施) 違反情報・事故発生後など
確認項目 輸送安全規則全般・ドライバー教育含む 特定の法令違反を重点的に
処分 改善指示(行政処分なし) 改善命令・事業停止・許可取消し等

一般の事業者が最初に経験するのは巡回指導(適正化実施機関によるもの)です。改善指示が出て改善できない状態が続くと、運輸局の監査に移行することがあります。

ドライバー教育で確認される主なポイント

巡回指導のチェック項目は公開されており、ドライバーへの指導・監督については次の内容が確認されます。

  • 指導・監督(12テーマ)の実施記録があるか
  • 直近1年分の記録が保存されているか
  • 12テーマ全部を実施した記録があるか
  • 記録に実施日・テーマ名・ドライバーの確認サインがあるか
  • 初任運転者への特別教育の記録があるか(雇い入れのあった場合)

「研修をやった気がする」という状況ではなく、記録として出せることが確認の前提です。

記録がないとどうなるか

巡回指導で指導・監督の記録がないと確認された場合、改善指示が出されます。指示を受けた事業者は、期限内に改善報告書を提出する必要があります。

改善が見られない場合や、重大な違反が続く場合は、運輸局の監査対象になります。監査の結果、輸送安全規則第10条の違反が認定されると、行政処分(初違反は基本的に警告・繰り返しの場合は車両使用停止・事業停止)につながる可能性があります。

出典:国土交通省「監査方針・行政処分の基準等について」(国土交通省ウェブサイトで公開)

初任運転者の教育は別の確認項目

12テーマの定期的な指導・監督とは別に、初任運転者(新たに雇い入れたドライバー)への特別教育も確認項目になります。雇い入れた時点で実施が必要なため、新規採用があった年は初任運転者教育の記録も整えておく必要があります。

初任運転者教育の内容・時間は告示第1366号の別表第1に定められており、12テーマの定期教育よりも詳細な規定があります。

巡回指導の前に確認すること

巡回指導の通知が届いたとき(事前通知がある場合)や、定期的に自社で点検するとき、次の順序で確認することをお勧めします。

  1. 直近1年分の指導・監督の記録を取り出す
  2. 12テーマがすべて揃っているか確認する(抜けているテーマがないか)
  3. 記録に実施日・テーマ名・実施者・ドライバーのサインがあるか確認する
  4. 抜けがあれば速やかに実施して記録を作成する(遡及して偽造するのは絶対にNGです)
  5. 記録が1年以内の保存要件を満たしているか確認する

4で「抜けがあれば遡及して偽造」とは、日付を過去の日付で書いて「やった」とする行為です。発覚した場合は文書偽造になり、行政処分の対象が大幅に拡大します。抜けがあれば正直に記録し、今後の改善計画を示す方が適切な対応です。

運輸局に確認を相談できる窓口がある

「自分の記録のやり方が正しいか不安」「何を準備すればいいかわからない」という場合、都道府県のトラック協会(適正化実施機関)に相談できます。無料で相談を受け付けており、巡回指導のチェックリストも提供しています。

運輸局や運輸支局の窓口でも、一般的な疑問については対応を受けられます。正確な情報は各運輸局のウェブサイト、または直接の問い合わせで確認することをお勧めします。

事前に記録を整えておくことが最大の対策

巡回指導で問題なく通過する事業者に共通しているのは、実施のたびに記録を作成していること、年間計画があること、記録の保存場所が明確なことです。

巡回指導の直前に慌てて記録を作るのではなく、研修を実施するたびに記録を残す習慣が、最も確実な準備です。

記録の整備をブラウザで行うには

12テーマの研修資料・確認テスト・受講記録を、ブラウザで使える研修キットとして公開しています。実施のたびに記録が自動で端末に保存され、誰に・いつ・何を実施したかが一覧で確認できます。運輸局の確認に対応できる形式の記録を効率よく整えるために設計されています。

運送業 法定研修キット(12テーマ)はこちら テーマ1(心構え)は無料でお使いいただけます。

記録の項目・よくある不備の詳細は「運送業のドライバー教育、記録はどこまで残せばいいか。」も参照してください。

12テーマ全体の概要は「運送業のドライバー教育、何が義務で年何回か。」をあわせてお読みください。

あわせて読みたい:運送業のドライバー教育、何が義務で年何回か。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

ご質問はメールで。電話・面談はしていません。

fufumumu_designをフォローする
運送業(ドライバー教育)
fufumumu_designをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました