就労定着支援の収支を、今すぐ試算したい方はこちらからどうぞ。
就労定着支援の経営が成り立つかどうかは、登録利用者数・就労定着率(報酬区分)・運営体制の3つで決まります。開業1〜2年目は最低区分(1,074単位)が適用されるため、黒字化には一定の登録利用者数が必要です。
この記事では、厚生労働省「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査」のデータをもとに、就労定着支援の全国の収支状況を解説します。
全国の就労定着支援の収支差率は3.4%(令和5年度・中央値相当)
厚生労働省「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査」(令和5年11月調査)によると、就労定着支援の収支差率(収入に対する利益の割合)は次のとおりです。
| 指標 | 就労定着支援 |
|---|---|
| 収支差率(平均) | 約3.4% |
| 人件費率(平均) | 約65〜70% |
| 事業規模(年間収入の平均) | 約1,500万〜2,000万円(規模差が大きい) |
出典:厚生労働省「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査」
収支差率3.4%は、1,000万円の収入で34万円の利益が残る水準です。他の障害福祉サービス(放課後等デイサービス:9.1%、グループホーム:7%台)と比べると薄い利益率ですが、設備投資が少ないため、絶対額での損失リスクは小さい傾向があります。
黒字化に必要な登録利用者数の目安
就労定着支援の月次費用の目安は次のとおりです(就労移行支援との兼務なし・独立運営の場合)。
| 費用項目 | 月額の目安 |
|---|---|
| 就労定着支援員の人件費(常勤1人) | 25万〜30万円 |
| 管理者の人件費(兼務の場合は按分) | 5万〜10万円(按分) |
| 家賃・光熱費(事務所費) | 3万〜10万円 |
| その他(通信費・消耗品等) | 1万〜3万円 |
| 合計 | 34万〜53万円/月 |
費用合計を40万円と仮定した場合、収入がこれを上回るために必要な登録利用者数を試算します。
1年目・2年目(区分7・1,074単位・1単位10.00円)の場合:
40万円÷(1,074単位×10.00円)=約37.2人
つまり、開業1〜2年目(最低区分)で月40万円の費用をカバーするには、登録利用者が約37〜40人必要です。
3年目以降、就労定着率が8割以上(区分3・2,768単位)になった場合:
40万円÷(2,768単位×10.00円)=約14.4人
同じ費用構造でも、区分が上がると黒字化に必要な登録利用者数が大幅に下がります。
就労移行支援との兼務で費用を抑えられます
実際の運営では、就労移行支援事業所が就労定着支援を追加指定するケースが多いです。この場合:
- 就労定着支援員を就労移行支援の職員が兼務 → 専任の人件費が不要
- 相談室を共用 → 事務所費の追加が少ない
兼務の場合、就労定着支援に係る実質的な追加費用は月5万〜10万円程度(人件費按分・事務費等)に抑えられることもあります。この場合、登録利用者が5〜10人で黒字化できる計算になります。
就労定着支援の収益を左右する3つのポイント
1. 登録利用者数の確保
就労定着支援は、就労移行支援等から就職した人が利用対象です。自事業所の就労移行支援等の就職実績が少ないと、登録利用者を集めにくい構造があります。他事業所からの紹介を受けるためには、支援の質と実績の積み上げが必要です。
2. 就労定着率の管理
3年目以降の報酬区分は就労定着率で決まります。区分7(1,074単位)と区分1(3,512単位)では報酬が約3.3倍違います。月1回以上の連絡の確実な実施と、職場・本人・生活環境への早期介入が就労定着率を左右します。
3. 利用者の回転と継続のバランス
就労定着支援は最大3年6か月という利用期間があります。利用者が卒業していく一方で、新規登録者を継続的に確保しないと登録利用者数が減り続けます。就労移行支援等との連携による新規登録者の継続的な確保が経営の安定には不可欠です。
自分の事業所の数字を試算する
登録利用者数・就労定着率(区分)・地域単価・人件費を入力して、損益分岐点と3年間の収支推移を確認できます。
就労定着支援の収支を、地域単価・登録利用者数・人件費を入れて試算できます。


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