放課後等デイサービスの固定費と変動費。収支改善のために見直すべき費用項目。

放課後等デイサービスの固定費と変動費。収支改善のために見直すべき費用項目。 放課後等デイサービス・児童発達支援

放課後等デイサービスの費用は、毎月一定額がかかる「固定費」と利用者数・売上に連動して変わる「変動費」に分かれます。固定費の割合が高いため、稼働率が少し下がるだけで収支が大きく変わります。この記事では、固定費と変動費の違い・主な費用項目の分類・収支への影響を整理します。

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固定費が高いほど、稼働率の変動に対して収支が敏感になる

固定費とは、利用者数が増えても減っても毎月ほぼ変わらない費用のことです。人件費(常勤職員の月給)・家賃・リース料(送迎車等)・通信費などが固定費に当たります。

変動費とは、利用者数・稼働率に応じて増減する費用です。おやつ・教材などの消耗品費、送迎のガソリン代などが変動費に当たります。

放課後等デイサービスは固定費の割合が高いという特徴があります。稼働率が80%から70%に10ポイント下がると、収入は約12.5%減りますが、費用(固定費中心)はほとんど変わりません。この結果、収支差が急激に悪化します。

主な費用項目の固定費・変動費の分類

放デイの主な費用項目の分類
費用項目 分類 特徴
常勤職員の人件費(月給) 固定費 利用者数に関わらず毎月かかる
非常勤職員の人件費(時給) 準変動費 勤務時間に応じて変動するが、最低限のシフトは固定的
家賃・管理費 固定費 毎月一定額
送迎車のリース料 固定費 毎月一定額
水道光熱費 準固定費 開所日数・季節によって変動するが大きくは変わらない
通信費(インターネット・電話) 固定費 毎月一定額
おやつ・消耗品費 変動費 利用者数・利用日数に比例して増減
送迎のガソリン代 変動費 送迎回数に応じて変動
損害保険料 固定費 年間一括または毎月一定額

固定費の合計が、損益分岐点を決める

損益分岐の稼働率は、固定費の合計と満員時(定員100%)の収入から逆算できます。

損益分岐の稼働率 = 月の固定費合計 ÷ 定員100%時の月収入

たとえば、月の固定費合計が180万円・定員100%時の月収入が250万円(基本報酬+加算込み)の場合:

損益分岐の稼働率 = 180万円 ÷ 250万円 = 72%

稼働率72%以上で黒字、72%未満で赤字という目安になります。固定費が高い(200万円など)と、より高い稼働率が必要になります。

人件費は固定費の中で最大で、コントロールが難しい

人件費は固定費の中で最も大きな割合を占めます。職員が常勤で雇用されている場合、利用者が少ない月でも人件費は変わりません。

人件費を抑える方法としては次のようなものがあります。

  • 常勤換算の人員基準を満たす範囲で、常勤と非常勤の比率を調整する
  • 開設初期は最低限の人員でスタートし、稼働率が上がったら採用する
  • 加配加算の取得を見越した人員体制にする(人件費増+加算収入増のバランスを確認)

ただし、人件費を抑えすぎると採用・定着が難しくなります。処遇改善加算を取得して原資を確保しながら、職員の処遇を改善していくことが基本的な方向性です。

変動費の管理:おやつ代・消耗品は少額でも積み上がる

変動費は1回あたりの金額が小さくても、利用者数と開所日数に応じて積み上がります。

たとえば、おやつ代が1人あたり100円・定員10名・稼働率85%(1日平均8.5人)・月22日開所の場合:

100円 × 8.5人 × 22日 = 18,700円/月

年間では22万4,400円になります。「1人あたり100円のおやつ代を150円にする」と年間で約11万円の差が生じます。変動費の単価を定期的に確認することも、収支の改善につながります。

収支シミュレーターで固定費と変動費を入力して損益分岐を確認できる

収支シミュレーターでは、人件費・家賃・その他の固定費を入力して、定員・稼働率ごとの月次収支と損益分岐の稼働率を試算できます。「家賃を月15万円に抑えた場合と20万円の場合で損益分岐がどれくらい変わるか」「加配加算を1名追加取得した場合の収入増と人件費増のバランスはどうか」といった比較も可能です。

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作成者:fufumumu_design 作成日:2026-11-01
【出典】
・厚生労働省「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査結果」第26表(放課後等デイサービスの収支差率・費用内訳)
本記事の内容は情報提供を目的としたものです。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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