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短期入所(福祉型・単独型)では、利用者の自宅と事業所の間の送迎を行った場合に、送迎加算を算定できます。片道186単位、同一敷地内なら130単位です。送迎を行うかどうかは任意ですが、収支に大きく影響するため、開業前に設計を整理しておく必要があります。
この記事では、送迎加算の算定条件・単位数の計算・収支への影響・開業時の判断のポイントを整理します。
送迎加算は片道186単位、迎えと送りの両方で算定できる
短期入所の送迎加算の単位数は、告示523号 別表第7の1に定められており、1回の片道につき186単位です。
「迎え(利用者宅から事業所へ)」と「送り(事業所から利用者宅へ)」のそれぞれで算定できます。同じ利用者が1回の利用で入所・退所の両日に送迎を受けた場合、入所時の迎えと退所時の送りでそれぞれ186単位、合計372単位の算定が可能です。
| 区分 | 単位数(片道) | 備考 |
|---|---|---|
| 同一敷地外 | 186単位 | 通常の送迎 |
| 同一敷地内 | 130単位 | 186×70%=130.2→130単位(端数切り捨て) |
出典:障害福祉サービス等報酬告示(告示523号)別表第7の1
算定の要件は「送迎を行う体制を整えていること」
送迎加算の算定要件を定めた告示は現時点で公表されておらず、留意事項(厚生労働省通知)には「外部委託も可」という記述があります。実務上は、「事業所が送迎を行う体制を整えている場合に算定できる」と解釈されています。
「体制を整えている」とは、一般的に次のような状態を指します。
- 送迎に使用できる車両を確保している(所有・リース・外部委託のいずれも可)
- 送迎を担当する職員または委託先がいる
- 運営規程・重要事項説明書に送迎の実施を明記している
ただし、算定の具体的な条件は指定権者(都道府県または政令市・中核市)によって解釈が異なる場合があります。開業前や算定開始前に、担当窓口へ確認することをお勧めします。
同一敷地内の送迎は186単位の70%になる
事業所と利用者宅が同一敷地内にある場合、送迎加算は186単位の100分の70(約70%)で算定します。
186単位 × 70% = 130.2単位 → 130単位(端数切り捨て)
「同一敷地内」の典型的な例は、グループホーム(GH)の敷地内に短期入所の居室がある場合です。GH利用者が一時的に短期入所を使う際、GHの棟から短期入所の棟への移動が「同一敷地内の送迎」に該当するケースがあります。
同一敷地内かどうかの判断(敷地の範囲の定義)は、指定権者に確認するのが確実です。
送迎加算が収支に与える影響の試算
送迎加算は利用者の人数と利用頻度に比例して収入が増えます。以下に、定員6人の単独型事業所での試算例を示します。
| 条件 | 月の送迎収入の試算 |
|---|---|
| 定員6人・全員往復・稼働率90%・1単位10円(同一敷地外) | 約60万円 |
| 定員6人・全員往復・稼働率90%・1単位10円(同一敷地内) | 約42万円 |
| 定員6人・片道のみ・稼働率90%・1単位10円(同一敷地外) | 約30万円 |
計算式:186単位×2(往復)×6人×0.9(稼働率)×30日×10円=601,560円→約60万円
ただし、送迎を行うには車両費・人件費・燃料費などのコストが発生します。これらのコストを差し引いた上で、送迎を行うことが収支的に有利かどうかを判断する必要があります。
送迎のコストの内訳
送迎を行う場合に発生する主なコストは次の通りです。
| コスト項目 | 目安・備考 |
|---|---|
| 車両費(リース) | 月3〜6万円程度(車種・契約による) |
| 任意保険・自賠責 | 月1〜2万円程度 |
| 燃料費 | 走行距離・燃費による |
| 運転者の人件費 | 職員が兼務の場合は追加コストなしの場合もある |
| 外部委託費 | 委託先との契約による。1回あたり2,000〜4,000円程度の事例あり |
外部委託を使う場合、1回の片道で委託費が2,000〜4,000円かかる一方、送迎加算は1単位10円×186単位=1,860円です。委託費が加算収入を上回る可能性があるため、外部委託を使う場合は採算を事前に確認してください。
開業時に送迎を行うかどうかの判断ポイント
短期入所の開業時に送迎を行うかどうかは、次の観点から判断します。
送迎を行うメリット
- 区分5・6の重度利用者は自力での通所が難しく、送迎ありの事業所を選ぶ傾向がある
- 送迎加算による収入増(採算が合う場合)
- 遠方からの利用者も受け入れられる
送迎を行わない選択肢
- 開業当初は車両・運転者の確保コストを抑えたい場合
- 本体事業(GH・生活介護等)の敷地内や近隣に居住している利用者が主な対象の場合
- 送迎なしでスタートして、需要が出てから対応する段階的な方法もある
送迎の有無は、運営規程・重要事項説明書に記載する事項のひとつです。後から変更する場合も、書類の変更と指定権者への届出が必要になる場合があります。開業前に方針を決めておくことで、手続きをまとめて行えます。
送迎加算は短期入所独自の設計で決まる
送迎加算の算定判断は、事業所の立地・想定する利用者層・本体事業との関係によって異なります。
たとえば、GHと同一敷地内で短期入所を運営する場合、GH利用者の一時的な短期入所利用が中心であれば、送迎を行わなくても稼働率を確保できる可能性があります。一方、地域のさまざまな利用者を広く受け入れる単独型の事業所では、送迎ありのほうが利用者の確保につながりやすいでしょう。
送迎加算の収入の見込みと、送迎コストのバランスを収支シミュレーターで確認してみてください。
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送迎加算の詳細は加算一覧の記事もあわせてご覧ください。
短期入所で取れる加算の一覧。単独型加算・短期利用加算・重度対応加算の条件。
開業の採算と職員配置の形の記事はこちらです。
短期入所の開業は、職員の配置の形で採算が決まる。
福祉事業の開業・運営のツールと記事の一覧:fufumumu-design.com/fukushi/(無料で試せます)
この記事の出典
- 障害福祉サービス等報酬告示(告示523号)別表第7の1 送迎加算の項:https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84aa4538&dataType=0&pageNo=1
- 障害福祉サービス等に係る給付費等の算定の留意事項等について(厚生労働省通知・送迎の外部委託可の根拠。具体的なURLは指定権者または厚生労働省のサービス情報ページから確認してください)
- 短期入所サービスの報酬・基準について(厚生労働省):https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66260.html


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