就労移行支援の設備基準。訓練室・洗面所・便所の要件。
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就労移行支援の事業所を開設するには、設備基準を満たした物件・施設が必要です。設備基準の中でも、訓練・作業室の面積要件は利用定員数に直結するため、物件選びの段階から把握しておくことが重要です。この記事では、就労移行支援の設備基準の概要・主な設備の要件・物件選びのポイントを整理します。
設備基準の根拠
就労移行支援の設備基準は「指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第171号)に基づきます。就労移行支援の設備基準は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準(省令174号)第70条が第38条を準用します。第38条では、訓練・作業室・相談室・洗面所・便所および多目的室その他の設備について要件が定められています。
就労移行支援の設備一覧
1. 訓練・作業室
訓練・作業室は、就労移行支援の利用者がビジネスマナー研修・パソコン操作・作業訓練・グループワーク等を行うメインのスペースです。利用定員1人あたりの床面積として省令に面積の基準が定められており、設定する利用定員に応じた訓練・作業室の広さが必要です。
就労移行支援は「就労に向けた訓練」が主目的であるため、訓練内容(ビジネス系・IT系・軽作業系・農業系等)に応じた机・椅子・パソコン・作業台等の設備を整えることが必要です。省令174号第38条(第70条準用)では訓練・作業室の要件は「訓練又は作業に支障がない広さを有すること」とされており、具体的な㎡数は都道府県の条例または指定権者の裁量に委ねられています。指定申請前に指定権者に事前相談して必要な広さを確認することをお勧めします。
2. 相談室
利用者・家族からの相談を受けるための相談室を設けます。プライバシーが確保された空間(個室または仕切りのある空間)であることが求められます。相談室は、サービス管理責任者(サビ管)が個別支援計画の説明・モニタリング面接を行う際にも使用します。
3. 洗面所
省令174号第38条(第70条準用)では、洗面所は「利用者の特性に応じたものであること」と定められています。利用者が手洗い等に使用できる設備として設けることが必要です。
4. 便所
障害のある方が利用しやすい便所を確保します。車椅子使用者・身体に障害のある方が利用できるバリアフリー対応(手すり・介助スペース等)が求められる場合があります。
5. 多目的室
省令174号第38条(第70条準用)では、多目的室も必要な設備として列挙されています。訓練室と相談室は利用者の支援に支障がない場合に兼用することができます。事業所の実情に合わせて活用できます。
6. その他の設備(静養スペース等)
省令174号第38条(第70条準用)に「静養室」の明示規定はありませんが、実務上、体調不良になった利用者が横になれる静養スペースを確保している事業所が多くあります。指定権者によって確認を求められることがあるため、事前相談の際に確認することをお勧めします。
訓練・作業室の面積と利用定員
訓練・作業室の面積は利用定員に直結します。物件選びでは、目標とする利用定員に必要な訓練・作業室の広さを先に確認し、それを満たす物件を選ぶことが基本的な考え方です。
就労移行支援の標準定員は20名以下の事業所が多く、訓練内容によって利用者1人あたりに必要なスペースが変わります(パソコン作業とグループワーク兼用の場合、机・椅子の配置等を含めた実際の使用面積で検討します)。
物件選びのポイント
就労移行支援の物件選びでは、設備基準を満たすかどうかに加えて、利用者が通いやすい場所かどうかを検討することも重要です。
- アクセスの確認:最寄り駅・バス停からの距離・バリアフリーな経路があるかを確認する(障害のある方が通いやすい立地を選ぶ)
- 指定権者への事前相談:物件の平面図を持参して設備基準を満たすか確認する
- 消防署への確認:用途変更・消防設備の設置要件を確認する
- バリアフリー対応:入口・廊下・便所のバリアフリー状況を確認し、必要な改修費用を見積もる
開業に向けた設備確認の手順
- 指定権者に事前相談の予約を入れる
- 検討中の物件の平面図(各室の用途・面積)を用意して持参する
- 設備基準を満たすか確認し、不足設備・改修が必要な箇所をリスト化する
- 消防署に施設用途の確認・消防設備の設置要件を確認する
- 改修費用を見積もり、開業スケジュールに組み込む
就労移行支援の開業時の収支計画はこちらで試算できます。
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まとめ
就労移行支援の設備基準は省令174号(第70条が第38条を準用)に基づき、訓練・作業室・相談室・洗面所・便所・多目的室等の設置が必要です。訓練・作業室の面積は「訓練又は作業に支障がない広さ」が求められ、具体的な㎡数は指定権者に確認が必要です。物件選びの段階で指定権者に事前相談して基準を確認することが重要です。利用者が通いやすいアクセス・バリアフリー環境も合わせて確認し、開業費用に改修コストを組み込んだ計画を立てることをお勧めします。
出典:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第174号)第70条(第38条準用)。作成:2026年11月。

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