訪問看護ステーションの開業の流れ。指定申請から開業日まで、何か月かかるか。

訪問看護ステーションの開業には、都道府県への指定申請が必要です。法人設立から指定日まで、早くても3〜4か月、通常は半年程度かかります。指定日は多くの自治体で月初め(1日)に設定されており、申請の締め切りを逃すと1か月単位でずれます。この記事では、開業準備から指定・サービス開始までの流れと、時間軸の目安を整理します。

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※ 指定申請の手続き・書類・締め切りは都道府県ごとに異なります。必ず管轄の都道府県の窓口に確認してから準備を進めてください。

訪問看護ステーションの指定権者は都道府県

介護保険と医療保険、どちらの訪問看護ステーションも、指定権者は都道府県です(介護保険法第70条・健康保険法第88条)。市区町村ではありません。

都道府県の担当窓口(多くは介護保険担当課や医療政策担当課)に事前相談を申し込み、必要書類や申請スケジュールを確認することが最初のステップです。

開業準備から指定日までの目安のステップ

以下は一般的な目安です。自治体によって手続きの時間や書類の種類が異なります。

ステップ 内容 目安の期間
1. 事前相談 都道府県窓口への事前相談・申請スケジュール確認 開業の6か月以上前
2. 法人設立 合同会社・株式会社・NPO等の設立登記 1〜2か月
3. 事務所・設備の確保 物件契約・設備(通信機器・車両等)の準備 1〜2か月(法人設立と並行可)
4. 人員の確保 看護職員の採用(常勤換算2.5人以上) 1〜2か月
5. 申請書類の作成・提出 指定申請書・平面図・誓約書等の作成と提出 締め切り1〜4週前
6. 審査・指定 都道府県による審査・指定通知の発送 申請から1〜3か月
7. 指定日・開業 多くの自治体で月初め(1日)に指定 指定日からサービス開始

指定日が月初めになる理由

多くの都道府県では、訪問看護ステーションの指定日を月の初め(1日)に統一しています。これは、介護保険・医療保険の請求が月単位で区切られているためです。

例えば、4月15日に指定を受けた場合、4月15日〜30日のサービス分の介護報酬請求が月の途中から始まることになり、国民健康保険連合会(国保連)への請求処理が複雑になります。月初め指定にすることで、請求月と一致させるのが実務上の慣行です。

申請締め切りを1回逃すと1か月ずれる

多くの自治体では、翌月1日の指定を受けるための申請締め切りを当月の中旬ごろ(例: 当月15日)に設けています。締め切りを1日でも過ぎると、その月は受け付けてもらえず、次の申請受付月まで1か月待つことになります。

人員確保のめどが立ったら、できるだけ早く書類の準備を始めることが重要です。

指定申請に必要な主な書類(概要)

必要書類は都道府県によって異なりますが、一般的に次のようなものが求められます。

  • 指定申請書(都道府県所定の様式)
  • 法人の登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 定款(または寄附行為)の写し
  • 事業所の平面図・設備の概要
  • 看護職員の資格証明書・雇用契約書等
  • 管理者に関する書類(看護師・保健師等の免許証等)
  • 運営規程
  • 介護給付費算定に係る体制等に関する届出書

都道府県のウェブサイトに様式が掲載されている場合がほとんどです。事前相談時に一覧を入手してください。

開業後、最初の入金まで2〜3か月かかる

開業してサービスを提供しても、最初の入金まで時間がかかります。介護保険・医療保険とも、当月の実績を翌月に国保連(または社会保険診療報酬支払基金)へ請求し、翌々月に入金されます。

つまり、4月に開業してサービスを提供した分は、5月に請求し、6月に入金されます。開業初月から2か月間は収入ゼロで運営費を賄う必要があります。この運転資金の確保は開業準備の重要な要素です。

→ 訪問看護ステーションの開業資金。何にいくらかかるか、融資はどこに相談するか。

開業前に確認・準備しておく主なこと

  • 常勤換算2.5人以上の看護職員の確保(→ 人員基準の詳細はこちら)
  • 事務所の要件確認(専用の部屋・連絡設備等)
  • 運営規程・個人情報保護方針・訪問看護計画書等の書式の整備
  • 損害賠償保険への加入(任意だが加入が望ましい)
  • 居宅介護支援事業所・ケアマネへの事前挨拶(開業後の利用者獲得に向けて)

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訪問看護の開業・運営に役立つツールと記事の一覧はこちら。
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参照した資料
介護保険法第70条(指定居宅サービス事業者の指定)。健康保険法第88条(訪問看護事業者の指定)。指定申請の手続き・書類・期日は都道府県によって異なります。必ず管轄の都道府県にご確認ください。数値は令和8年10月時点。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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