放課後等デイサービスの事故発生防止・緊急時対応研修、学齢期の子どもに多いリスクと手順の整備。
放課後等デイサービス(以下、放デイ)では、6〜18歳の学齢期の子どもが下校後から夕方にかけて利用します。学齢期の子どもは活動量が大きく、施設内外での移動・活動場面でのリスクが多様です。また、てんかんや行動障害など医療的・行動的な緊急事態が起きる可能性もあります。
指定通所支援基準では、事業所に対して「事故の発生防止のための指針を整備し、職員への研修を定期的に行うこと」を義務づけています。研修は年1回以上の実施が求められ、委員会(安全管理委員会等)と合わせて体制を整えます。
放デイで起きやすい事故・緊急事態のパターン
| 場面 | リスクのポイント |
|---|---|
| 施設内での活動 | 転倒・転落(遊具・階段)・他害(噛みつき・引っかき)・器物破損による受傷 |
| 送迎・校外活動 | 乗降時の転倒・交通事故・迷子・不審者への接触 |
| てんかん発作 | 放デイ利用者にてんかんを合併しているケースは少なくない。発作時の対応手順(側臥位・気道確保・時間計測・119番の判断基準)が事前に整備されているかが重要 |
| 食物アレルギー・誤嚥 | おやつ・昼食(長期休暇中)での誤嚥・アレルギー反応。重篤な場合はアナフィラキシーに至ることがある |
| 行方不明(飛び出し) | 衝動性の強い子どもが施設外へ無断で出ていく事態。出入り口の管理・人数確認の手順が必要。発見できない場合は速やかに警察に届け出る |
事故発生防止の指針に盛り込む内容
指定通所支援基準では「事故発生防止のための指針」の整備を義務としています。指針に記載する主な内容は以下のとおりです。
- 施設内・送迎・校外活動のリスクポイントと回避策
- ヒヤリハット報告の手順と記録様式
- 事故発生時の初動対応(救急対応・保護者連絡・行政報告)の手順
- 重大事故の定義と報告基準(死亡・重傷・行方不明等)
- 再発防止策の検討と記録の残し方
てんかん発作への対応手順
放デイでてんかんのある子どもを受け入れている場合、発作が起きた際の手順を事前に文書化しておきます。
発作中の対応:安全な場所に移動・側臥位(横向き)にして気道を確保。口の中に物を入れない。発作の開始時刻と持続時間を計測する。
119番に連絡する基準:発作が5分以上続く・意識の回復が遅い・繰り返す・呼吸困難がある場合は直ちに119番に連絡します。これらの基準は主治医・保護者と事前に確認し、個別の対応手順書に記録しておきます。
坐剤・口腔用液の投与:発作時に抗けいれん薬(ジアゼパム坐剤等)の投与が処方されている場合、投与の条件・担当者・手順を医師の指示書・保護者の同意書に基づいて整備します。投与可否の判断は医師の指示に従います。
研修で確認する内容
ヒヤリハット記録の取り方:事故に至らなかった「ヒヤリ」した場面の記録が蓄積されることで、事故発生前に対策を打てます。記録の書き方・提出先・集計の頻度を職員間で共有します。
緊急時の役割分担:事故・急変が起きたときに誰が何をするかを事前に確認します。「当事者対応担当」「他の子どもの安全確保担当」「119番通報担当」「保護者連絡担当」「管理者への報告担当」の役割を人数に合わせて割り当てます。
重大事故報告の手順:死亡・重傷・行方不明など重大事故が発生した場合は、指定権者(都道府県・市区町村)への報告義務があります。報告書の様式・提出先・期限を職員全員が把握しておきます。
記録として残すもの
- ヒヤリハット記録(発生日時・場面・状況・対応・改善策)
- 事故記録(受傷の内容・応急処置・保護者への連絡・行政報告の有無)
- 研修の実施記録(実施日・内容・参加職員名・受講確認サイン)
- 発作対応手順書(個別)と医師の指示書・保護者の同意書
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出典:指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準・こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン」(令和6年7月改訂版)。


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