放課後等デイサービスの年間研修計画、義務テーマの網羅と月別スケジュールの作り方。
放課後等デイサービス(以下、放デイ)の年間研修計画は、「どの研修を年間でやるか」をあらかじめ決めておく書類です。計画がないまま「思いついたときにやる」という運用では、義務テーマの実施もれが起きやすく、運営指導で「年間計画に基づいた実施がされていない」と指摘されることがあります。
研修計画は年度当初に作成し、全職員に周知します。計画と実績が対応していることが、運営指導での確認ポイントです。
年間計画に組み込む義務研修テーマ一覧
| テーマ | 根拠 | 実施頻度の目安 |
|---|---|---|
| 感染症の予防・まん延防止 | 指定通所支援基準 | 年1回以上(感染症委員会も年2回以上) |
| 虐待防止 | 指定通所支援基準・障害者虐待防止法 | 年1回以上(虐待防止委員会も年2回以上) |
| 身体拘束廃止・適正化 | 指定通所支援基準 | 年1回以上 |
| BCP(業務継続計画)研修・訓練 | 指定通所支援基準(令和3年改正) | 年1回以上 |
| 事故発生防止・緊急時対応 | 指定通所支援基準 | 年1回以上 |
| 安全計画に基づく訓練・避難訓練 | 指定通所支援基準・児童福祉法 | 年2回以上(避難訓練) |
| ハラスメント防止 | 労働施策総合推進法(2022年4月より全事業者に義務化) | 年1回以上 |
| 個人情報保護 | 個人情報保護法・指定通所支援基準 | 年1回以上 |
(出典:指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準・こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン」令和6年7月改訂版)
委員会(感染症・虐待防止)は研修と別に組み込む
感染症委員会・虐待防止委員会は研修とは別の義務です。委員会は年2回以上の開催が求められており、委員会の議事録と研修の実施記録は別々に保管します。
年間計画を作成する際は「研修の実施」と「委員会の開催」を別の行に分けて記載することで、運営指導での確認が明確になります。
月別スケジュールの組み方
義務テーマを12カ月に分散させると、1カ月に1〜2テーマの研修をこなせるペースになります。以下は組み方の一例です。
| 月 | 研修テーマ例 | 委員会等 |
|---|---|---|
| 4月 | 個人情報保護(新年度・新入職員向け) | |
| 5月 | 事故発生防止・緊急時対応 | 感染症委員会① |
| 6月 | 感染症の予防・まん延防止(夏季前) | |
| 7月 | 安全計画に基づく訓練(夏期) | 避難訓練① |
| 8月 | BCP研修・訓練 | |
| 9月 | 虐待防止研修 | 虐待防止委員会① |
| 10月 | 身体拘束廃止・適正化 | |
| 11月 | ハラスメント防止 | 感染症委員会② |
| 12月 | 感染症の予防(冬季前) | |
| 1月 | 安全計画に基づく訓練(冬期) | 避難訓練② |
| 2月 | (予備・欠席者補講・テーマ追加) | 虐待防止委員会② |
| 3月 | 年度末振り返り・次年度計画の作成 |
この表はあくまで例です。事業所の状況・繁忙期・職員の勤務パターンに合わせて調整します。長期休暇中(夏・冬・春)は利用児童数が増え職員の負担が高まるため、研修日程は前後にずらす工夫も必要です。
年間計画に書く項目
- 研修テーマ・実施予定月
- 実施方法(座学・外部講師・動画視聴等)
- 担当者(誰が準備・進行するか)
- 対象職員(全員・特定のポジション等)
- 実績欄(実施後に日付と参加者数を記入)
計画作成後にすること
年間計画は作成して終わりではなく、職員全員に周知します。掲示・メール共有・会議での配布など、「全員が確認した」ことが分かる形で周知し、確認サインをもらうか配布の記録を残します。
実施後は計画の実績欄を埋め、年度末に「計画通り実施できたか・できなかったテーマの補完はどうしたか」を振り返ります。その振り返り記録が次年度の計画改善につながります。
法定研修・訓練のキットを使う
放課後等デイサービス向けの義務研修テーマを網羅した教材・確認テスト・年間研修計画テンプレートを収録した研修キットを公開しています。
▶ 義務テーマを網羅した年間計画テンプレート付き放デイ研修キット
出典:指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準・こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン」(令和6年7月改訂版)・労働施策総合推進法。
あわせて読みたい:放課後等デイサービスの研修記録、何を書いて何年保存するか。様式の作り方。


コメント