放課後等デイサービスの食物アレルギー研修、おやつ管理とエピペン対応の進め方。
放課後等デイサービス(以下、放デイ)では、下校後のおやつ提供や長期休暇中の昼食提供の場面で食物アレルギー対応が必要になります。学齢期の子どもの食物アレルギーは、本人が症状を訴えられる場合もありますが、知的障害や自閉スペクトラム症のある子どもは「のどが変だ」「気分が悪い」という訴えが難しく、職員が初期症状に気づくことが重要です。
食物アレルギー対応は指定通所支援基準の安全管理・事故発生防止の観点から取り組みが求められており、職員研修とアレルギー情報の管理が必要です。
食物アレルギーの主な特定原材料
| 区分 | 品目 |
|---|---|
| 特定原材料(表示義務8品目) | えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生(ピーナッツ) |
| 特定原材料に準ずるもの(表示推奨20品目) | アーモンド・あわび・いか・いくら・オレンジ・カシューナッツ・キウイフルーツ・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・バナナ・豚肉・まつたけ・もも・やまいも・りんご・ゼラチン |
(出典:食品表示法・消費者庁「食物アレルギーに関する食品表示に関する調査研究」)
おやつ・食品を購入する際は、パッケージの原材料表示を確認します。加工食品では表示義務のある8品目は必ず表示されますが、原材料に含まれる可能性のある「コンタミネーション(混入リスク)」は表示されないことがあるため、重篤なアレルギーのある子どもには既製品の扱いに注意が必要です。
アレルギー情報の収集と管理
利用開始時に保護者からアレルギーの有無・対応方法を書面で確認します。医師の診断がある場合は「アレルギー疾患生活管理指導表」(学校でも使われる様式)の提出を依頼し、原因食物・除去の程度・エピペンの処方有無を把握します。
- アレルギー情報は利用者ファイルに保管し、おやつ担当・添乗担当の職員が確認できる状態にしておく
- アレルギーのある子どものおやつは個別に用意し、配付ミスが起きない仕組みをつくる(名前入りの袋・色分け等)
- 情報が変わった場合(医師の指示変更・新たなアレルギーの発症)は保護者から連絡を受け次第記録を更新する
アナフィラキシーへの対応
アナフィラキシーとは、食物アレルギー等の原因物質に接触してから短時間(多くは30分以内)で起きる、全身性の重篤なアレルギー反応です。じんましん・呼吸困難・意識障害・血圧低下などが急速に進行します。
初期症状のサイン:「口の中がかゆい・変な感じ」「のどが締まる感じ」「顔色が変わる・青白い・赤い」「呼吸が苦しそう」「ぐったりする・意識がもうろうとする」などの変化に気づいたら、食べたものを確認し直ちに対応します。
エピペン(アドレナリン自己注射薬)の使用:アナフィラキシーの既往がある子どもにはエピペンが処方されることがあります。職員が代わりに注射できる条件(本人が使用できない状態・緊急やむを得ない場合)と手順(外側太もも部に垂直に押し当てる)を研修で確認します。エピペン使用後も必ず119番に連絡します。
(参考:厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」2019年改訂版。同ガイドラインは保育所向けですが、アナフィラキシー対応の基本的な手順として放デイでも参考になります。)
学校との情報共有
学齢期の放デイ利用者は、学校でもアレルギー対応を受けている場合があります。学校の対応内容と放デイの対応が一致していることを保護者経由で確認しておくと、対応の食い違いを防げます。
研修で確認する内容
アレルギー情報の確認方法:在籍する子どものアレルギー一覧をおやつ担当職員が毎回確認する手順を習慣にします。当日のメンバーに初めて入る職員も確認できる仕組みが必要です。
食品表示の読み方:特定原材料8品目と表示推奨品目の一覧を使って、おやつのパッケージ表示を実際に確認する練習をします。
アナフィラキシー発生時の役割分担:エピペン使用担当・119番通報担当・保護者連絡担当・他の子どもの安全確保担当を事前に確認します。
記録として残すもの
- アレルギー疾患生活管理指導表(医師発行)・保護者からの申告書
- おやつ・食事の提供記録(誰に何を提供したか)
- 研修の実施記録(実施日・内容・参加職員名・受講確認サイン)
- アナフィラキシー発生時の経過記録(発生日時・症状・対応・エピペン使用の有無・医療機関への連絡)
法定研修・訓練のキットを使う
放課後等デイサービス向けの事故発生防止・安全管理テーマの教材・確認テスト・記録様式を収録した研修キットを公開しています。食物アレルギー対応の研修教材としても活用できます。
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出典:指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準・食品表示法・消費者庁「食物アレルギーに関する食品表示に関する調査研究」。参考:厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」(2019年改訂版)。


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