グループホームの大規模住居等減算。定員8人以上で基本報酬が5%下がる。





グループホームの大規模住居等減算。定員8人以上で基本報酬が5%下がる。


グループホームの大規模住居等減算。定員8人以上で基本報酬が5%下がる。

グループホーム(共同生活援助)の介護サービス包括型では、1か所の共同生活住居の入居定員が8人以上になると「大規模住居等減算」が適用され、基本報酬が5%減算されます(21人以上では7%減算)。複数の住居を一体的に運営する場合、住居の合計が21人以上になると5%の減算が加わります。

この記事では、介護サービス包括型と日中サービス支援型それぞれの減算条件、「一体的運営」の考え方、収益への影響を整理します。事業所の規模(住居数・定員)を決める前に確認しておきたい内容です。

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大規模住居等減算は、1つの住居の定員が8人以上になると適用される。

大規模住居等減算は、グループホームの共同生活住居1か所あたりの入居定員が一定人数を超えた場合に、基本報酬を減額する仕組みです。根拠は厚生労働省告示第523号(指定障害福祉サービス費用算定基準)別表第15の注記です。

グループホームの「共同生活住居」とは、利用者が実際に生活する1棟(またはフロア単位)の住居単位を指します。1つの事業所が複数の共同生活住居を運営することは認められており、各住居の定員や住居全体の合計定員によって、この減算の適用が変わります。

介護サービス包括型の減算。8人以上5%・21人以上7%・一体的運営21人以上5%。

介護サービス包括型の大規模住居等減算は、次の3段階で適用されます(出典:厚生労働省告示第523号 別表第15)。

条件 算定割合 減算の大きさ
1つの共同生活住居の定員が8人以上20人以下 ×95/100 5%減
1つの共同生活住居の定員が21人以上 ×93/100 7%減
一体的に運営する住居の合計定員が21人以上 ×95/100 5%減

3段階目の「一体的運営で合計21人以上」は、1つ1つの住居は8人未満でも、同じ事業者が運営する住居をまとめたときに21人以上になれば5%の減算が加わることを意味します。

また、1つの住居が8人以上の段階(5%減)と一体的運営で21人以上の段階(5%減)は重複適用されません。1つの住居が8人以上であれば、その住居の段階が優先され、一体的運営の段階との二重適用にはなりません。

日中サービス支援型の減算。8人以上の段階はなく、21人以上から7%。

日中サービス支援型の大規模住居等減算は、介護サービス包括型と条件が一部異なります(出典:厚生労働省告示第523号 別表第15)。

条件 算定割合 減算の大きさ
1つの共同生活住居の定員が21人以上 ×93/100 7%減
一体的に運営する住居の合計定員が21人以上 ×95/100 5%減

日中サービス支援型には「8人以上20人以下で5%減」という段階がありません。1つの住居が8人以上でも21人未満であれば、この減算の対象になりません(ただし一体的運営の合計が21人以上になれば5%減の対象になります)。

日中サービス支援型は夜間も含めた24時間の支援が特徴で、住居の構造が介護サービス包括型と異なるため、設備基準や減算の扱いも一部異なっています。

一体的運営とは、同じ事業者が複数の住居を運営すること。

「一体的に運営する複数の共同生活住居」とは、1つの事業所(法人)が複数の共同生活住居を運営している場合を指します。住居が別々の場所(物件)にあっても、同じ事業者の管理下にあれば「一体的運営」と見なされ、定員の合計で判定されます。

たとえば、同じ法人が近所の一戸建て2棟をそれぞれ共同生活住居として運営しており、合計の定員が21人以上になれば、各住居の定員が8人未満であっても、一体的運営の5%減算が適用されます。

一方、サテライト型住居(本体住居の近くに設けられる定員1人の住居)については、本体住居の定員に算入されるかどうかは運営実態によりますので、開設する前に指定権者(都道府県または政令市・中核市)に確認することが望まれます。

住居3か所×5人ずつ(合計15人)なら、減算はかからない。

全国平均の定員規模(15人・厚生労働省「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査」第17表)を住居3か所×5人ずつで運営する場合、各住居の定員は5人(8人未満)、一体的運営の合計も15人(21人未満)なので、大規模住居等減算は適用されません。

一方、同じ15人でも「1か所の住居に15人をまとめて入居させる」という運営形態を選んだ場合は、1つの住居の定員が15人(8人以上)になるため、×95/100の減算が適用されます。

減算が収益に与える影響。定員15人の計算例。

介護サービス包括型・定員15人・全員が障害支援区分6・その他の地域(1単位10円)の場合を例に、住居の分け方による収入の違いを計算してみます。基本報酬は区分6で600単位/日です。

住居の分け方 1か月の基本報酬(概算) 減算後の金額 減収額
住居3か所×5人(減算なし) 600単位×15人×10円×30日=2,700,000円 2,700,000円 0円
住居1か所×15人(8人以上・5%減) 2,700,000円 2,565,000円 135,000円/月

1か月135,000円の減収は、年間では162万円の差になります。定員や区分の構成によって金額は変わりますが、住居の分け方が収益に直結することがわかります。

なお、上の計算は基本報酬のみの概算です。実際の収入には処遇改善加算・夜間支援等体制加算・人員配置体制加算などが加わり、減算は基本報酬にのみかかります(処遇改善加算や人員配置体制加算には減算がかかりません)。

住居の定員を大きくするメリットとデメリット。

1か所の住居に多くの利用者を集めると、職員の目が届きやすくなり管理コストを抑えやすいという面があります。特に夜間の見守り体制については、利用者がまとまっているほど夜勤職員の配置が効率的になります。

一方で、定員が8人以上になれば減算が適用されることに加え、設備基準上の上限(1か所の共同生活住居は原則2〜10人、既存建物活用でも2〜20人まで)もあります。また、グループホームは地域の中に溶け込んだ「共同生活の場」という位置づけのため、施設的な大規模集住を避けるという政策の方向性も意識しておく必要があります。

大規模住居等減算が設けられた背景には、障害者が地域の中で小規模な単位で暮らすことを促す「地域移行・地域生活の推進」という方針があります。1か所に利用者を多く集めると生活環境が施設的になりやすいとの判断から、8人以上の住居には減算が課されています。

収支シミュレーターで、住居の分け方ごとに試算できる。

開業後の収支を計画するとき、住居を何か所に分けるか、1か所あたりの定員を何人にするかによって、大規模住居等減算の適用が変わります。実際の収支にどう影響するかは、利用者の障害支援区分の構成や地域区分、加算の取得状況によっても異なるため、個別に試算しておくことが大切です。

障害者グループホーム 開業向け収支シミュレーターでは、共同生活住居の定員・住居数を入力すると、大規模住居等減算が自動的に計算結果に反映されます。「住居を分けたパターン」と「まとめたパターン」を入力し直すことで、収入の差を数値で確認できます。

まとめ

グループホームの大規模住居等減算は、介護サービス包括型では1か所の住居の定員が8人以上で5%、21人以上で7%の減算が適用されます。日中サービス支援型には8人以上の段階はなく、21人以上から7%の減算です。また、複数の住居を一体的に運営する場合は合計定員が21人以上で5%の減算が加わります。

全国平均の定員規模(15人)を3か所に分けて運営するなら減算はかかりません。住居の分け方は開業計画の初期段階で決まるため、収支への影響を事前に試算しておくことをお勧めします。

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障害者グループホームの人員配置体制加算とは。要件をわかりやすく整理します。

出典
・厚生労働省告示第523号(指定障害福祉サービス費用算定基準)別表第15 共同生活援助サービス費の注記(大規模住居等減算)
・厚生労働省「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査結果」第17表(共同生活援助・介護サービス包括型・令和4年度決算)


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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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