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厚生労働省「令和7年障害福祉サービス等経営概況調査結果」(令和6年度決算)では、グループホーム(日中サービス支援型)の収支差率を法人形態別に確認できます。GH日中型は包括型と異なり、社会法人と営利法人の収支差率がほぼ同水準という特徴があります。
法人形態別の収支差率一覧
| 法人形態 | 事業所数 | 平均定員 | 平均年収入 | 収支差率 |
|---|---|---|---|---|
| NPO法人 | 16件 | 14人 | 5,790万円 | 6.1% |
| 営利法人 | 124件 | 15人 | 5,032万円 | 3.9% |
| 社会法人(他含む) | 84件 | 15人 | 7,094万円 | 3.6% |
| その他 | 12件 | 12人 | 4,754万円 | 33.8%(n=12、参考値) |
「その他」はn=12と非常に少ないため33.8%は参考値として扱います。実態上の比較は社会法人3.6%・営利法人3.9%・NPO法人6.1%で、社会法人と営利法人はほぼ同水準(0.3ポイント差)です。
GH日中型で法人形態による差が小さい理由
GH包括型は社会法人8.5%・営利2.3%(6.2ポイント差)でしたが、日中型は3.6%と3.9%(0.3ポイント差)です。この違いには次の理由があります。
- 日中支援員の配置コストが均一にかかる:日中型は法人形態を問わず、日中の支援員を追加で配置する必要があります。この追加コストが全ての法人形態に均等にのしかかるため、法人形態による人件費コストの差が相殺されやすくなります
- 社会法人は定員規模が大きく収入も多い:社会法人の平均定員15人・年収7,094万円と最大規模ですが、日中支援員の人件費も高くなるため、収支差率は3.6%にとどまります
- 営利法人は年収5,032万円と社会法人より低い:同じ定員15人でも営利法人の年収は社会法人より約2,000万円低い。この収入差が人件費率の差を生んでいる可能性があります
社会法人が日中型GHを運営する場合の費用構造
社会法人の日中型GH(平均年収7,094万円)が収支差率3.6%にとどまる理由を、費用構造から確認します。
年収7,094万円・収支差率3.6%(差額256万円)なら、年間費用は6,838万円です。費用の構成は次のような内訳が想定されます(参考値)。
- 人件費(66.1%):約4,693万円
- 家賃・リース料(賃貸施設の場合):約400〜800万円
- 食材費・日用品(利用者負担除く):約200〜400万円
- 減価償却費・修繕費:約200〜400万円
- 管理費・その他:約500〜1,000万円
人件費66.1%が最大の費用項目です。日中支援員・世話人・夜間支援員の3種類を配置する必要があり、常勤換算の配置基準を満たしながら費用を抑えるには、非常勤職員の積極活用が有効です。GH日中型は常勤職員が必要な場面が多いため、包括型より人件費の圧縮余地が限られます。
包括型と日中型の収支差率の比較
| 法人形態 | 包括型 | 日中型 | 差 |
|---|---|---|---|
| 社会法人 | 8.5% | 3.6% | ▲4.9pt |
| 営利法人 | 2.3% | 3.9% | +1.6pt |
| NPO法人 | 8.7% | 6.1% | ▲2.6pt |
社会法人・NPO法人は包括型の方が収支差率が高く、営利法人は日中型の方がわずかに高い傾向があります。社会法人が日中型でも包括型並みの収益性を出せない理由は、日中支援の人件費が社会法人の収益を圧迫していることにあります。
GH日中型の経営診断で法人形態の位置づけ
社会法人・営利法人とも3〜4%台という収支差率の水準は、7サービスの中では中程度(就労移行支援の4.5%と同程度)です。日中型はその高い収入規模(平均5,803万円)に対して収支差率が低い水準にとどまっており、人件費管理が最大の課題です。
法人形態に関わらず、日中型で収支差率を改善するには次のポイントを確認します:
- 入居率が86.0%(WAM参考値)を下回っていないか
- 日中支援員のシフト(常勤・非常勤の配置比)が最適化されているか
- 重度障害者支援加算・夜間支援等体制加算等の未取得の加算がないか
GH日中型は社会法人も営利法人も同水準の収支差率(3〜4%)であるため、法人形態より「入居率と加算取得状況」の差が収支差率を決定する要因です。
GH日中型の収支差率を改善するための具体的な方向性
社会法人・営利法人とも3〜4%台にとどまっているGH日中型の収支差率を改善するには、次の取り組みが考えられます。
- 入居率の向上(86%→90%以上):定員15人・稼働率86%(WAM参考値)で年収5,803万円の事業所が、稼働率90%に改善すると年収は約6,083万円に増加します(試算値)。入居率1ポイントの差が年収60万円前後の差になります
- 重度障害者支援加算の取得:行動障害等を有する重度の利用者が多いGH日中型では、重度障害者支援加算(強度行動障害支援者養成研修修了者の配置等が要件)が収入増加に直結します。研修受講費用と加算収入を比較して、取得が有利かどうかを確認します
- 夜間支援等体制加算(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)の取得:夜間支援の体制(夜間支援員の配置数・入居者数等)に応じた加算です。日中型でも同様に取得可能であり、取得状況を確認することが収支改善の第一歩です
GH日中型は収入規模が大きい(平均年収5,803万円)ため、収支差率が1〜2ポイント改善するだけで収支差額が58〜116万円増加します。稼働率・加算の両面から改善できる余地があれば、積極的に取り組む価値があります。
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出典:厚生労働省「令和7年障害福祉サービス等経営概況調査結果」(令和6年度決算)。法人形態別の詳細は同調査の事業所別集計にもとづきます。

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