短期入所(ショートステイ)の報酬の仕組み。入所日と退所日を両方数え、単独型事業所は1日320単位が加わる(1日の報酬の計算例つき)

短期入所(ショートステイ)の報酬の仕組み。入所日と退所日を両方数え、単独型事業所は1日320単位が加わる(1日の報酬の計算例つき) 短期入所

障害福祉サービスの短期入所(ショートステイ)の報酬は、泊まった「日」ごとに計算します。日数は、入所した日と退所した日の両方を数えるので、1泊2日の利用は2日分です。福祉型の基本報酬は、日中活動に出かけない日で、障害者なら障害支援区分に応じて1日509〜923単位、障害児なら障害児支援区分に応じて1日509〜784単位です。生活介護などの日中活動(障害児は通所)に出かけた日は、日中の支援がないぶん低い単位数(障害者は1日173〜602単位)になります。さらに、単独型事業所は1日320単位の単独型加算を、利用を始めてからの日(1年に通算30日まで)は1日30単位の短期利用加算を算定できます。

この記事では、告示(報酬の決まり)と留意事項通知の原文を確かめながら、福祉型の短期入所の報酬の決まり方を順に整理し、1日あたりの報酬を実際に計算します。

福祉型の基本報酬は、障害支援区分と日中活動の有無で4つに分かれる

福祉型短期入所サービス費は、利用する人が障害者か障害児か、その日に日中活動(障害児は通所)を利用したかどうかで、(Ⅰ)から(Ⅳ)の4つに分かれます。

障害者(1日の単位数) 区分6 区分5 区分4 区分3 区分1・2
(Ⅰ) 日中活動を利用しない日 923 784 648 583 509
(Ⅱ) 生活介護などの日中活動を利用した日 602 527 318 240 173
障害児(1日の単位数) 障害児支援区分3 区分2 区分1
(Ⅲ) 通所を利用しない日 784 615 509
(Ⅳ) 児童発達支援・放課後等デイサービスなどを利用した日 527 279 173

出典:平成18年厚生労働省告示第523号 別表第7の1 イ(1)〜(4)(厚生労働省 法令等データベースの現行条文)。当方で、厚生労働省「報酬算定構造・サービスコード表等(令和8年6月施行分)」の単位数と、16個すべてが一致することを確かめています。

この表のほかに、看護職員を常勤で置いて国が定める人を受け入れる「福祉型強化」や、「医療型」の短期入所があり、単位数も要件も別です。この記事では、福祉型を扱います。

障害児は、障害児支援区分の3段階で決まる

障害児を受け入れる場合の(Ⅲ)(Ⅳ)は、障害支援区分ではなく、障害児支援区分で決まります。告示は、(Ⅲ)を「障害児に係るこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定める区分(平成18年厚生労働省告示第572号)に規定する区分1(以下「障害児支援区分1」という。)以上に該当する障害児」に対して算定するとしています(出典:告示第523号 別表第7の1 注3)。

区分3の784単位は、障害者の区分5(784単位)と同じ単位数です。一方、(Ⅳ)は、児童発達支援・放課後等デイサービスなどの通所を利用した日に算定し、区分2なら615単位から279単位へ、半分以下になります。放課後等デイサービスなどに通ったあと、夜だけ受け入れる使い方では、(Ⅳ)の日が多くなります。障害児を受け入れる事業所では、その日に通所を利用するかどうかで、1日の単位数が大きく変わると考えておくと、見込みを立てやすくなります。

日中活動に出かけた日は、単位数が大きく下がる

(Ⅱ)は、障害者が生活介護・自立訓練・就労移行支援・就労継続支援などを利用した日に算定します。告示は、(Ⅱ)を、利用者が「生活介護等」「を利用した日において、指定短期入所事業所において指定短期入所を行った場合」に算定するとしています(出典:告示第523号 別表第7の1 注2)。日中は日中活動の事業所で支援を受け、夕方から翌朝までを短期入所で過ごす使い方です。

下がり方は区分によって違います。区分6は923単位から602単位へ約35%の減少ですが、区分4は648単位から318単位へ約51%、区分3は583単位から240単位へ約59%減ります。平日に生活介護などへ通いながら短期入所を使う人が多い事業所では、同じ日数を受け入れても、(Ⅰ)の単位数だけで見込んだ収入より、かなり少なくなります。収入を見込むときは、利用日のうち日中活動に出かける日の割合を、別に置いておくことが大切です。

日数は、入所した日と退所した日の両方を数える

留意事項通知は、日数の数え方を次のように定めています。「短期入所の日数については、入所した日及び退所した日の両方を含むものとする。」(出典:留意事項通知(障発第1031001号)令和7年3月31日改正 新旧対照表 p.153)

そのため、1泊2日は2日、2泊3日は3日です。請求する日数は、利用1回ごとに、泊まった夜の数より1日多くなります。月の収入を見込むときは、夜の数ではなく、この数え方の日数で計算します。

ただし例外があります。同じ敷地内や隣り合う敷地で、職員の兼務や設備の共用をしている事業所どうし(通知の言葉では「隣接事業所等」)の間で、退所したその日に別の事業所に入所する場合は、入所の日は数え、退所の日は数えません。たとえば、短期入所からそのまま併設の障害者支援施設に入所に切り替えた日は、短期入所サービス費を算定しません。

単独型事業所には、1日320単位の単独型加算がつく

短期入所の事業所は、置き方によって3つに分かれます。障害者支援施設などと一体で運営する「併設事業所」、施設の空いている居室を使う「空床利用型事業所」、それ以外の「単独型事業所」です(指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第115条)。生活介護事業所やグループホームなどで行う短期入所も、併設事業所・空床利用型事業所に当たらなければ、単独型事業所です。

告示は、単独型加算について「単独型事業所において、指定短期入所を行った場合に、1日につき所定単位数を加算する。」としています(出典:告示第523号 別表第7の4 注1)。単位数は1日320単位で、医療型の短期入所は対象外です。区分4の(Ⅰ)の648単位に対して、およそ半分にあたる大きな加算です。

さらに、(Ⅱ)や(Ⅳ)を算定する日で、入所日と退所日以外の日に、事業所での支援が長くなる場合の上乗せもあります。留意事項通知は、「指定短期入所事業所における支援が18時間(就寝の時間を含む。)を超える場合については、さらに100単位を算定可能とする。」としています(出典:留意事項通知 令和7年3月31日改正 新旧対照表 p.160)。ただし、生活介護事業所などで行う単独型事業所では、同じ敷地内の日中活動(別法人を除く)を利用した日には算定できない、とされています。

短期利用加算は、1年に通算30日まで

短期利用加算は1日30単位です。告示では、利用を開始した日から起算して30日以内の期間について、1年につき30日を限度に算定します。留意事項通知は、この30日の数え方を次のように示しています。「算定日数については、1年間に通算して30日を限度として算定する。」(出典:留意事項通知 令和7年3月31日改正 新旧対照表 p.157)

この上限は、収入の見込みに効いてきます。たとえば、毎月2泊3日を2回(月6日)使う人は、1年で72日利用します。そのうち短期利用加算を算定できるのは30日なので、利用日の約42%です。短期入所を頻繁に使う人が多いほど、加算のつかない日の割合が増えます。

利用定員20人以上の単独型事業所は、基本報酬が100分の90になる

大きな単独型事業所には、基本報酬を下げる決まりがあります。留意事項通知は、「単独型の指定短期入所事業所において、運営規程に定める利用定員が20人以上の場合は、利用者全員につき所定単位数の100分の90を算定する。」とし、この所定単位数は「各種加算がなされる前の単位数」であるとしています(出典:留意事項通知 令和7年3月31日改正 新旧対照表 p.155)。単独型加算などの加算は、100分の90になりません。

そのほかの主な加算を、単位数と条件で並べる

加算 単位数 主な条件
重度障害児・障害者対応支援加算 1日30単位 福祉型(または共生型)で、区分5・区分6・障害児支援区分3の利用者が、利用者数の50%以上
常勤看護職員等配置加算 1日10・8・6・4単位 看護職員を常勤換算で1人以上。単位数は利用定員(6人以下/7〜12人/13〜17人/18人以上)で決まる
食事提供体制加算 1日48単位 低所得の利用者等への食事の提供で、栄養士等による献立の確認などが条件。令和9年3月31日まで
送迎加算 片道186単位 居宅等と事業所の間の送迎。同一敷地内の他の事業所等との間は100分の70
福祉・介護職員等処遇改善加算 (Ⅰ)イ18.6%・(Ⅰ)ロ19.3%・(Ⅲ)16.5%・(Ⅳ)14.2% ほかの加算まで含めた単位数に掛ける。短期入所には(Ⅱ)が無い

出典:告示第523号 別表第7、留意事項通知(令和7年3月31日改正)、厚生労働省・こども家庭庁「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について(報告)」(社会保障審議会障害者部会 第155回 資料1)。表は当方が整理したものです。

重度障害児・障害者対応支援加算について、留意事項通知は「区分5若しくは区分6又は障害児支援区分3の利用者の数が、当該指定短期入所事業所等の利用者数の100分の50以上である場合に算定可能とする。」としています(留意事項通知 令和7年3月31日改正 新旧対照表 p.158)。重い区分の人を多く受け入れる事業所ほど、基本報酬と加算の両方で1日の単価が上がる仕組みです。このほか、医療連携体制加算、緊急短期入所受入加算、地域生活支援拠点等としての加算などもあります。どの加算も、算定するには要件を満たし、指定権者(都道府県・市)に届け出る必要があります。

1日の報酬を計算すると、日中活動の有無で約3,800円の差になる

単独型事業所で、区分4の障害者を受け入れた日の報酬を計算します。地域区分は「その他の地域」(1単位10円)、処遇改善加算は(Ⅲ)の16.5%、短期利用加算を算定できる日とします。

項目 日中活動を利用しない日 日中活動を利用した日
基本報酬(区分4) 648単位 318単位
単独型加算 320単位 320単位
短期利用加算 30単位 30単位
処遇改善加算(16.5%) 約164.7単位 約110.2単位
1日の合計(金額) 約11,627円 約7,782円

当方の計算です。金額は、利用者負担(1割、所得に応じた上限あり)を含む報酬の総額です。食費・光熱水費などの実費は含みません。

同じ区分4の人でも、日中活動に出かける日は、1日の報酬が約3,800円少なくなります。月に6日の利用なら、その差は約2万3,000円です。一方で、単独型加算の320単位は、どちらの日にもつくため、単独型事業所では1日の報酬に占める加算の重みが大きくなります。

利用できる日数は、市町村が決める支給量の範囲内

短期入所を何日使えるかは、利用する人ごとに、市町村が支給決定で決めます(受給者証に記載される支給量)。事業所の側にも決まりがあり、省令は、入所と退所のたびに事業所の名称や年月日などを受給者証に記載し、「支給決定障害者等が提供を受けた指定短期入所の量の総量が支給量に達した場合は」、受給者証の該当部分の写しを市町村に提出するとしています(出典:指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第119条)。

そのため、1人あたりの利用日数の見込みは、事業所の都合だけでは決まりません。収入を見込むときは、地域の利用者が受けている支給量の目安を、相談支援事業所や市町村の窓口で確かめておくと、現実に近い数字を置けます。

食費・光熱水費などは、報酬とは別に実費を受け取れる

短期入所では、報酬と利用者負担のほかに、食事や光熱水費などの実費を利用者から受け取れます。省令は、「指定短期入所において提供される便宜に要する費用のうち次の各号に掲げる費用の支払を支給決定障害者等から受けることができる。」とし、食事の提供に要する費用、光熱水費、日用品費などを挙げています(出典:指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第120条第3項)。

受け取るには、あらかじめ利用者(支給決定を受けた人や保護者)に内容と費用を説明し、同意を得ることが必要です(同条第6項)。額は事業所が決めますが、食事と光熱水費については、国が定めるところによるとされています(同条第4項)。実費は、食材費や光熱費にあてるお金なので、利益の源にはなりにくいものの、収入と費用の両方に入れておかないと、資金繰りの見込みがずれます。

また、食事提供体制加算(1日48単位)は、食事そのものの代金ではなく、事業所の責任で食事を提供する体制に対する加算です。低所得の利用者等が対象で、令和9年3月31日までとされている点も、実費とは別に確かめておく必要があります。

地域区分の単価は、居宅介護などと同じ行を使う

1単位の単価は、事業所のある地域の区分で決まります。短期入所は、告示第539号の表で、居宅介護・重度訪問介護・同行援護などと同じ行に並んでいます。

  • 1級地(東京都特別区):11.20円
  • 2級地(横浜市・川崎市・大阪市など):10.96円
  • 3級地(さいたま市・千葉市・名古屋市など):10.90円
  • 4級地(船橋市・相模原市・神戸市など):10.72円
  • 5級地(水戸市・川口市・松戸市など):10.60円
  • 6級地(仙台市・宇都宮市・川越市など):10.36円
  • 7級地(札幌市・前橋市など):10.18円
  • その他の地域:10.00円

出典:平成18年厚生労働省告示第539号(厚生労働省 法令等データベース)。市区町村は例で、該当するかは告示の表と指定権者の案内で確かめてください。

令和8年6月からの新規指定の基本報酬の引き下げは、就労継続支援B型・共同生活援助・児童発達支援・放課後等デイサービスが対象で、短期入所は含まれていません。また、令和9年4月に報酬改定が見込まれているため、開業が令和9年4月以降になる場合は、改定後の告示で単位数を確かめてください。

受け入れの見込みから、月の収入と採算を試算する

当方の「短期入所 開業向け収支シミュレーター」は、この記事の基本報酬と加算を使い、障害者と障害児の割合、区分の構成、日中活動に出かける日の割合、契約者1人あたりの利用日数から、延べ利用日数と収入を計算します。短期利用加算の年30日の上限は、利用日数から自動で反映します。職員の配置の形(短期入所の職員だけで24時間を回すか、生活介護事業所やグループホームなどの本体と一緒に配置できる時間があるか)も選べ、開設後3年の収支と資金繰り、損益分岐の稼働率を試算できます。年ごとの収支と主な指標は無料、月ごとの資金繰りの表・グラフ・印刷は有料版(買い切り9,800円)です。入力は、お使いの端末の中にだけ保存されます。

この記事は、告示第523号・第539号(厚生労働省 法令等データベースの現行条文)、留意事項通知(令和7年3月31日改正の新旧対照表)、省令第171号、令和8年度報酬改定の改定事項の資料の原文を確認して書いています(確認日:2026年9月27日)。加算の要件の細部と届け出は、指定権者(都道府県・市)の案内で確認してください。作成:fufumumu_design

この記事の出典

福祉事業の開業・運営のツールと記事の一覧:訪問介護・訪問看護・障害者グループホーム・放課後等デイサービス・児童発達支援・生活介護・就労移行支援・就労継続支援B型・短期入所の、収支シミュレーター・経営診断・法定研修キットとサービス別の記事(無料で試せます)

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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