就労定着支援の利用期間は最長3年間と定められています。ただし「3年」のカウントの起点、途中での打ち切り・再利用の可否、期間満了後の扱いについては、省令・通知に細かい規定があります。この記事では法令の原文をもとに、利用期間の仕組みを整理します。
利用期間は「就労してから3年6か月」が上限の実態
就労定着支援の利用期間は、省令上は「3年間」です(障害者総合支援法第5条第16項・施行規則の規定)。
ただし、就労定着支援が始まるのは就職後6か月が経過してからです。就職後6か月は、直前に利用していた就労移行支援・就労継続支援等の事業所が定着支援を担います(省令の就労移行支援の運営基準に規定)。
そのため、一般就労した時点を起点にすると、実態上は以下の流れになります。
| 期間 | 担当 |
|---|---|
| 就職後0〜6か月 | 直前の就労移行支援・就労継続支援等の事業所が定着支援を担当 |
| 就職後7か月〜3年6か月(最長) | 就労定着支援事業所が支援を担当(最長3年) |
就職した日ではなく、就労定着支援を利用開始した日から3年が経過した時点で、利用期間の上限に達します。
利用開始日のカウントと支給決定の有効期間
就労定着支援の利用開始は、市区町村から支給決定が出た日以降です。支給決定には有効期間が設定されており、原則1年ごとに更新(継続の申請)が必要です。
利用可能な最長3年間の中で、支給決定の更新を繰り返しながら継続して利用する仕組みです。更新の申請を忘れると、期限切れで支援が止まることがあるため、更新時期の管理が事業所側の運営上の重要なポイントになります。
3年の期間内での途中終了は本人の希望でも可能
就労定着支援の利用は、期間が残っていても本人の意思で終了できます。就職先での生活が安定し、支援の必要性がなくなったと本人が判断した場合、利用者から申し出ることで支援を終了することができます。
途中終了した場合、残りの利用可能期間はそのまま消えます(一度終了した後に再開する仕組みについては、後述します)。
利用期間満了後、再利用はできるか
原則として、就労定着支援の利用は通算3年を上限とし、同一の就職先に関しては再利用はできません。3年を超えた後も定着支援が必要な場合は、障害者就業・生活支援センター(なかぽつセンター)・ハローワーク・相談支援事業所等の他の支援機関への引き継ぎが必要になります。
ただし、一度離職して再び一般就労した場合(転職した場合)は、新たな就職を起点として就労定着支援を再利用できます(施行規則の規定に基づき、新たな一般就労に対しての支給決定が可能)。この場合も「直前のサービスを経た一般就労」という条件は変わりません。
離職→再就職した場合の利用期間の扱い
就労定着支援の利用中に離職し、その後再就職した場合の取り扱いは以下のとおりです。
- 離職した時点で、現在の事業所での就労定着支援は終了扱いとなります
- 再就職後、再び就労移行支援等のサービスを経た場合は新たな就労定着支援の対象になります
- 就労移行支援等を経ずに直接再就職した場合は、就労定着支援の対象外となります
再就職後の支援が必要な場合は、ハローワークの障害者専門窓口や障害者就業・生活支援センターが活用できます。
利用期間満了に向けた「卒業」の準備
就労定着支援の3年間は終わりが決まっています。期間満了後も就労が継続できるよう、最後の6か月〜1年で以下の準備を進めることが実務上重要です。
- 利用者自身がセルフモニタリング(自分の体調・職場環境の変化に気づく)できるようにする
- 職場の担当者が利用者の障害特性を理解し、必要な配慮を継続できる体制を確認する
- 次の相談窓口(障害者就業・生活支援センター・相談支援事業所・かかりつけの医療機関等)への引き継ぎを行う
期間内に利用者・職場・関係機関の間に信頼関係と情報共有の仕組みを作っておくことが、期間終了後の就労継続につながります。
事業所の収支計画では「利用期間の上限」を意識した設計が必要
就労定着支援の利用者は最長3年で交代します。安定した収入を維持するには、常に新規の利用者(就職後6か月を迎えた方)を確保し続ける仕組みが必要です。地域の就労移行支援事業所・就労継続支援事業所との関係構築が、利用者の安定的な流入につながります。
就労定着支援の収支計画(利用者数・利用期間・報酬の試算)については、就労定着支援 収支シミュレーターで確認できます。
参考・出典
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)第5条第16項
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行規則(就労定着支援の利用期間に関する規定)
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(厚生労働省令第171号・平成18年)
この記事は2026年11月時点の法令に基づいています。
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