グループホームの地域区分と報酬単価の違い。所在地で収入がどう変わるか。





グループホームの地域区分と報酬単価の違い。所在地で収入がどう変わるか。


グループホームの地域区分と報酬単価の違い。所在地で収入がどう変わるか。

グループホーム(共同生活援助)の1単位あたりの単価は、地域区分によって異なります。東京23区などの1級地では11.40円、全国の多くの事業所が該当する「その他」では10.00円です(出典:平成18年厚生労働省告示第523号)。定員15人・稼働率90%・区分5の事業所でシミュレーションすると、1級地とその他の地域では基本報酬だけで月あたり30万円以上・年間400万円前後の収入差が生じます。開業予定地の地域区分を確認することは、収支計画の精度を上げるうえで最初の一歩です。

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地域区分は、厚生労働省が市区町村ごとに1〜7級地と「その他」に分類している。

障害福祉サービスの報酬は、国が定めた単位数に「1単位あたりの単価」を掛けて計算します。この単価は、事業所が所在する市区町村の「地域区分」によって変わります(出典:平成18年厚生労働省告示第523号)。

地域区分は、厚生労働省が全国の市区町村を1〜7級地と「その他」の8区分に分類したものです。大都市圏ほど高い区分に設定されており、物価・人件費の水準の違いを反映する仕組みになっています。

主な地域の区分の例を示します(出典:厚生労働省「地域区分について」)。

地域区分 1単位あたりの単価 該当地域の例
1級地 11.40円 東京都特別区(23区)
2級地 11.12円 神奈川県横浜市・東京都八王子市 等
3級地 11.05円 東京都調布市・大阪府大阪市 等
4級地 10.84円 愛知県名古屋市・京都府京都市 等
5級地 10.70円 埼玉県さいたま市・千葉県千葉市 等
6級地 10.42円 北海道札幌市・福岡県福岡市 等
7級地 10.21円 宮城県仙台市・広島県広島市 等
その他 10.00円 上記以外の全市区町村

「その他」に該当する市区町村は全国に多く、地方圏の事業所の大部分がこの区分に含まれます。1級地と「その他」では14%の差があります。

地域区分の正確な区分は、厚生労働省「地域区分について」のページで、市区町村名から検索できます(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/chiiki_kubun.html)。なお、令和6年度以降に一部の市区町村で区分が見直された場合があるため、開業予定地の最新の区分は同ページで確認してください。

1級地と「その他」では、同じ定員・稼働率でも月30万円以上の収入差になる。

地域区分の違いが収入にどれくらい影響するかを試算します。条件は次のとおりです。

  • サービス形態:介護サービス包括型
  • 定員:15人
  • 稼働率:90%(実入居者:約13〜14人)
  • 利用者の障害支援区分:全員が区分5
  • 計算に使う単位数:区分5の基本報酬を637単位/日(出典:厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」による概算値)
  • 月日数:30日
  • 加算:なし(基本報酬のみ)
地域区分 1単位単価 入居者14人の月収入(概算) 年収入(概算)
1級地(東京23区等) 11.40円 637×11.40×30×14 = 約305万円 約3,660万円
その他 10.00円 637×10.00×30×14 = 約268万円 約3,216万円
差額 − 約37万円/月 約444万円/年

基本報酬だけの比較で、年間444万円の差が出ます。加算を含めると差はさらに広がります。

一方で、1級地の都市部では物件の家賃・職員の人件費・生活費も高い傾向があります。地域区分が高いから収支が良いとは一概に言えず、費用側の水準と合わせて判断することが重要です。収入と費用の両方をまとめて試算できるツールについては、障害者グループホームの収入は、どう計算するのか。もあわせて参照してください。

地域区分は、自分で確認してから収支計画に入力する。

グループホームの収支計画を作成する際は、開業予定地の地域区分を最初に確認します。厚生労働省のウェブサイト(「地域区分について」)に、市区町村ごとの区分が一覧として掲載されています。

確認手順は次のとおりです。

  1. 厚生労働省「地域区分について」のページにアクセスする(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/chiiki_kubun.html)
  2. 「障害福祉サービス」の地域区分一覧で、開業予定の市区町村を検索する
  3. 該当の級地(1〜7級地またはその他)を確認し、1単位あたりの単価を把握する
  4. 収支シミュレーターの地域区分欄にその級地を入力する

注意点として、障害福祉サービスの地域区分は介護保険サービスと同一ではない場合があります。混同しないよう、「障害福祉サービス」の区分表を使って確認してください。

また、地域区分は報酬改定のタイミング(3年ごと)で見直されることがあります。令和6年度改定でも一部市区町村の区分が変更されています。古い情報をもとにしていると収入が過大または過少に試算されるため、開業前に最新の一覧表で再確認することが重要です。

地域区分の違いは、障害支援区分別の収入にも等倍でかかる。

地域区分は、基本報酬にも加算にも同じ比率で影響します。たとえば、処遇改善加算・夜間支援等体制加算なども、単位数に1単位あたりの単価を掛けて計算するため、地域区分が高い事業所では加算収入も高くなります。

利用者の障害支援区分が高いほど基本報酬の単位数も大きくなり、地域区分の差が金額として拡大します。区分6の利用者を多く受け入れる事業所ほど、地域区分による収入の差が大きくなります。

区分ごとの単位数の詳細は、グループホームの報酬は、障害支援区分で変わる。区分ごとの単位数と収入への影響。で確認できます。地域区分と障害支援区分の組み合わせを変えながら、収支シミュレーターで試算することをお勧めします。

まとめ

グループホームの1単位あたりの単価は、1級地(東京23区等)の11.40円から「その他」の10.00円まで、8段階に分かれています(出典:平成18年厚生労働省告示第523号)。定員15人・稼働率90%・区分5の場合、1級地と「その他」では基本報酬だけで月約37万円・年間約444万円の収入差が生じます。

開業を検討している市区町村の地域区分は、厚生労働省「地域区分について」のページで確認できます。収支計画の入力前にあらかじめ調べ、実態に合った試算を行ってください。

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【出典一覧】
・平成18年厚生労働省告示第523号(地域区分・1単位あたりの単価)
・厚生労働省「地域区分について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/chiiki_kubun.html(市区町村別地域区分一覧)
・厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001658031.pdf(区分5の基本報酬単位数の確認)


この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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