グループホームに入居できるのは誰か。対象となる障害の種類と手続き。
グループホーム(共同生活援助)を利用できるのは、障害者総合支援法に基づく障害支援区分の認定を受けた障害者です。対象となる障害は身体障害・知的障害・精神障害・難病(指定難病)の4区分で、原則として18歳以上です(出典:障害者総合支援法第5条)。65歳以上は介護保険が優先されますが、グループホームに対応する介護保険サービスがないため、例外として継続利用が認められています。
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利用対象は、法律で定められた4種類の障害者。
グループホームの利用対象は、障害者総合支援法第5条に列挙された以下の4種類の障害者です(出典:障害者総合支援法第5条)。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 身体障害者 | 視覚・聴覚・言語・肢体・内部障害等。身体障害者手帳を持つ方が対象となることが多い |
| 知的障害者 | 知的機能の障害がある方。療育手帳を持つ方が多い |
| 精神障害者 | 統合失調症・双極性障害・うつ病等。精神障害者保健福祉手帳を持つ方を含む |
| 難病患者 | 障害者総合支援法の対象となる指定難病を抱える方(令和6年4月時点で341疾病。毎年見直されるため最新は厚生労働省の公式ページで確認してください) |
これらの障害種別は複数に該当する場合(重複障害)もあります。たとえば知的障害と精神障害を併せ持つ方、身体障害と難病が重なる方なども利用できます。
年齢の下限は原則として18歳以上ですが、18歳未満の障害児についても、障害児が成人した場合に切れ目なく支援を受けられるよう、例外的に利用が認められる場合があります(都道府県・市区町村の運用によって異なるため指定権者に確認してください)。
入居に必要な障害支援区分は、グループホームの形態によって異なる。
グループホームには「介護サービス包括型」「外部サービス型」「日中サービス支援型」の3つの形態があり、利用できる障害支援区分の下限が形態によって違います(出典:平成18年厚生労働省省令第213条の4)。
| 形態 | 必要な区分の下限 | 対象のイメージ |
|---|---|---|
| 介護サービス包括型 | 区分2以上 | 日常生活の介護が必要な中〜重度の方。最も一般的な形態 |
| 外部サービス型 | 区分1以上 | 介護の必要度が低い軽〜中度の方。介護サービスは外部事業者が担当 |
| 日中サービス支援型 | 区分4以上 | 夜間も含めた24時間の支援が必要な重度障害者向け |
障害支援区分は1〜6の6段階で、数字が大きいほど支援の必要度が高いことを示します。区分はコンピュータ判定(一次判定)と審査会(二次判定)を経て市区町村が決定します。
開業するグループホームの形態によって、受け入れられる利用者の区分の幅が変わります。どの形態を選ぶかについては、介護サービス包括型と日中サービス支援型、どちらで開業すべきか。を参照してください。
入居の手続きは、障害支援区分の認定申請から始まる。
グループホームを利用するまでの手続きの流れは次のとおりです(出典:厚生労働省「障害福祉サービスの利用について(3訂版)」)。
| ステップ | 内容 | 目安の期間 |
|---|---|---|
| 1. 相談・申請 | 市区町村の障害福祉窓口(または相談支援事業所)に「障害福祉サービスの利用申請」を行う | 随時 |
| 2. 認定調査 | 市区町村の調査員が80項目の認定調査を実施。あわせて主治医の意見書(医師意見書)も提出 | 申請から2〜4週間程度 |
| 3. 審査・判定 | コンピュータによる一次判定→審査会による二次判定→障害支援区分を決定。結果を本人に通知 | 認定調査から1〜2か月程度 |
| 4. サービス利用計画の作成 | 相談支援事業所の相談支援専門員が「サービス等利用計画案」を作成(本人が作成するセルフプランも可) | 区分決定後 |
| 5. 支給決定 | 市区町村がサービスの種類・量(支給量)を決定し、「障害福祉サービス受給者証」を交付 | 計画案提出後 |
| 6. 入居・利用開始 | グループホーム事業所と利用契約を締結し、入居を開始 | 受給者証交付後 |
申請から実際の入居まで、最短でも2〜3か月かかるのが一般的です。開業後に利用者を確保するスケジュールを立てる際は、この手続き期間を見込んでおくことが必要です。
なお、すでに他の障害福祉サービスを利用中の方がグループホームに移行する場合は、受給者証の変更手続きのみで済む場合があります(市区町村に確認してください)。
受け入れる障害支援区分の構成が、事業所の収入水準を決める。
グループホームの基本報酬は障害支援区分によって異なります(出典:平成18年厚生労働省告示第523号)。介護サービス包括型では、区分6が最も高く、区分2が最も低い単位数です。区分ごとの単位数の詳細はグループホームの報酬は、障害支援区分で変わる。を参照してください。
受け入れる利用者の区分の構成が変わると、同じ定員でも月次収入が大きく変わります。以下は定員10人・その他の地域(1単位10円)・稼働率85%・月30日で区分構成が異なる2つのモデルを比較した概算です(基本報酬のみ・加算は含まない)。
| モデル | 区分構成(例) | 月次収入の概算 |
|---|---|---|
| 軽度中心モデル | 区分2〜3が8人・区分4〜5が2人 | 約130万〜150万円 |
| 重度中心モデル | 区分4〜5が5人・区分6が5人 | 約160万〜180万円 |
この試算はあくまで概算です。実際の単位数・地域区分・加算の有無によって異なります。開業前に収支シミュレーターで区分構成を変えた場合の収入を比較しておくことが現実的です。
一方で、区分の高い利用者ほど支援の必要度が高く、世話人・生活支援員の配置が手厚くなるため人件費も増加します。収入と費用の両面を合わせて試算する必要があります(収入の計算方法の詳細は障害者グループホームの収入は、どう計算するのか。を参照してください)。
65歳以上は介護保険が優先だが、グループホームは例外が認められている。
障害者総合支援法では、65歳以上になると介護保険サービスが優先されます(出典:障害者総合支援法第7条)。これは「介護保険優先原則」と呼ばれます。
ただし、グループホーム(共同生活援助)は介護保険に対応する同種のサービスがありません。そのため、65歳以上になっても障害福祉サービスとしてのグループホームを継続して利用できます。これは「介護保険優先原則」の例外として、自治体の裁量により認められているものです。
また、2018年から施行された改正により、65歳前から5年以上障害福祉サービスを利用していた方が65歳以降に介護保険サービスに移行した場合、一定の要件を満たせば介護保険の自己負担分の補助を受けられる仕組みが設けられています(出典:障害者総合支援法第71条の2・いわゆる「65歳問題」への対応措置)。
65歳以上の入居希望者を受け入れる場合は、当該利用者の介護保険の状況と障害福祉サービスの受給状況について、市区町村の担当窓口に事前に市区町村へ照会しておきましょう。
まとめ
グループホームに入居できるのは、障害者総合支援法に基づく障害支援区分を持つ身体障害者・知的障害者・精神障害者・難病患者です(出典:障害者総合支援法第5条)。必要な区分の下限はグループホームの形態によって異なり、介護サービス包括型は区分2以上・外部サービス型は区分1以上・日中サービス支援型は区分4以上です(出典:平成18年厚生労働省省令第213条の4)。
入居の手続きは障害支援区分の認定申請から始まり、入居まで最短2〜3か月かかります。開業後の利用者確保のスケジュールにはこの期間を織り込んでおくことが必要です。
開業計画では、どの区分の利用者を主に受け入れるかの設定が収支計画の精度に直結します。区分が高いほど基本報酬が高い一方、人員体制・人件費も増加するため、収支シミュレーターで区分構成別の収支を比較して計画することをお勧めします。
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【出典一覧】
・障害者総合支援法第5条(対象者の定義・障害種別)
・障害者総合支援法第7条(介護保険優先原則)
・障害者総合支援法第71条の2(65歳以降の介護保険移行時の対応)
・平成18年厚生労働省省令第213条の4(形態別の人員基準・障害支援区分の要件)
・平成18年厚生労働省告示第523号(基本報酬の単位数)
・厚生労働省「障害福祉サービスの利用について(3訂版)」(手続きフロー)

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