サービス提供責任者(サ責)は、訪問介護事業所の運営に欠かせない職種です。指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号。以下「指定基準」)では、訪問介護事業所に必ず配置することが義務付けられています。
開業時の人員計画では、サ責を何人置くか・誰がなれるかを最初に確定させる必要があります。この記事では、サービス提供責任者の役割・資格要件・必要人数を整理します。
サービス提供責任者の主な業務は4つ
サービス提供責任者の業務は、指定基準に具体的に規定されています。主な業務は次のとおりです。
| 業務 | 内容 |
|---|---|
| 訪問介護計画の作成 | 利用者のケアプランに基づいて、訪問介護計画書を作成する。内容・サービス提供の方法をヘルパーに伝える |
| 訪問介護員への指示・指導・管理 | ヘルパーが訪問介護計画に沿ったサービスを提供できるよう、具体的な指示・技術的指導を行う |
| ケアマネジャーとの連絡調整 | 利用者の状態変化・サービスの実施状況をケアマネに報告する。サービス内容の変更が必要な場合は調整を行う |
| 利用者・家族への対応 | サービス開始前に利用者・家族に重要事項を説明する。苦情・要望の窓口になる場合もある |
サ責はヘルパーとして利用者宅を訪問することもできます。管理者との兼務も要件を満たせば認められています。
サービス提供責任者になれる資格
指定基準では、サービス提供責任者になれる者を次のいずれかとしています(指定基準第5条第3項)。
- 介護福祉士
- 実務者研修修了者
- 旧ヘルパー1級課程修了者(経過措置)
初任者研修修了者はサービス提供責任者になれません。ヘルパーとして訪問介護を行うことはできますが、サ責の役割は担えません。開業時の採用で注意が必要です。
何人必要か:利用者40人ごとに1人が基本
指定基準では、利用者の数が40人(端数を含む)ごとに1人以上のサービス提供責任者の配置が必要とされています。つまり利用者が1〜40人なら1人、41〜80人なら2人が最低配置数です。
| 利用者数 | 必要なサ責の最低人数 |
|---|---|
| 1〜40人 | 1人(常勤) |
| 41〜80人 | 2人 |
| 81〜120人 | 3人 |
「利用者の数が50人以下の場合に、常勤の実務者研修修了者(または介護福祉士)が1人いれば1人で足りる」という特例(50人特例)もあります。指定権者によって運用が異なる場合があるため、管轄窓口に確認してください。
サ責は「常勤」であることが必要
サービス提供責任者は常勤でなければなりません(指定基準第5条第3項)。パートタイムや登録ヘルパーとして非常勤でのみ働く職員はサ責として配置できません。開業時は、常勤のサ責を1名確保することが最初の人員基準のハードルになります。
管理者とサ責の兼務はできます(管理者が常勤専従の場合を含め)。小規模の開業では、管理者兼サ責として1人で対応することが多いです。
開業時にサ責が担う実務の負担
開業直後はケアマネへの営業・利用者獲得・訪問介護計画の作成・シフト管理・ヘルパーへの指示・行政への報告書類など、サ責が担う業務が集中します。管理者兼サ責として1人で動く場合、自身もヘルパーとして訪問に入りながらこれらの業務をこなすことになります。
開業初期の利用者が少ない時期を乗り越えるには、サ責1人が過度に過重にならない体制を設計することが重要です。
サービス提供責任者の給与水準
サービス提供責任者の給与水準は、公益財団法人介護労働安定センター(介護労働実態調査・毎年公表)で職種別の月収データを確認できます。
処遇改善加算Iイ(令和8年6月以降27.0%)を取得している事業所では、基本給に加算分が上乗せされます。法定福利費込みの実コストは月収よりさらに高くなることを前提に、開業時の人件費を試算してください。
人件費を含む収支試算をシミュレーターで確認する
訪問介護 開業向け収支シミュレーター(https://fufumumu-design.com/houmon-kaigo-keikaku/)では、管理者・サービス提供責任者・常勤ヘルパー・非常勤ヘルパーの人員構成と賃金を入力して、月次の人件費・収支・資金繰りを36か月分試算できます。サ責の増員タイミング(利用者が40人を超えるとき)による費用増加も確認できます。
あわせて読みたい:訪問介護の人員基準。管理者・サービス提供責任者・ヘルパーの要件を整理します。
あわせて読みたい:訪問介護の開業資金はいくら必要か。
この記事で確認した根拠
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第5条
- 指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について(老企第25号)
- 公益財団法人介護労働安定センター「介護労働実態調査」(給与水準の参考)


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