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就労移行支援と就労定着支援は、どちらも「働くこと」に関わる障害福祉サービスですが、支援するタイミングが違います。就労移行支援は「就職する前」の訓練・求職活動を支援し、就労定着支援は「就職した後」の職場定着を支援します。
この2つのサービスは組み合わせて使われることが多く、就労移行支援事業所が就労定着支援の指定も取るケースが一般的です。事業所を開設・運営する立場からは、両サービスの違いを正確に理解することが必要です。
この記事では、就労移行支援と就労定着支援を対象者・利用期間・報酬・人員基準・設備基準の観点から比較します。
就労移行支援と就労定着支援の概要比較
| 項目 | 就労移行支援 | 就労定着支援 |
|---|---|---|
| 目的 | 就労のための訓練・求職活動支援 | 就職後の職場定着支援 |
| 対象者 | 就労を希望する65歳未満の障害者 | 就労移行支援等を利用して一般就労した障害者(就労後1年6か月未満に開始) |
| 利用期間 | 原則2年(最大1年延長可・合計3年) | 最大3年6か月 |
| 通所・訪問 | 通所が基本(事業所に来てもらう) | 訪問と通所を組み合わせ(月1回以上の連絡義務) |
| 基本報酬の型 | 日額(通所した日数で変わる) | 月額(登録利用者1人あたり・就労定着率で7区分) |
| 定員 | あり(20人以上が標準規模) | なし(登録利用者数に法的上限なし) |
| サービス管理責任者 | 必須(定員に応じた人数) | 不要 |
| 設備基準 | 訓練室・相談室・洗面所等 | 相談室のみ |
出典:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(厚生労働省令第171号)
支援するタイミングが正反対です
就労移行支援は「就職前」のサービスです。利用者は事業所に通所し、職業訓練・履歴書作成・面接練習・職場実習などを経て就職を目指します。利用者が就職すると就労移行支援の利用は終了します。
就労定着支援は「就職後」のサービスです。就労移行支援等を使って就職した後、働き続ける過程で生じる問題(生活リズムの乱れ・体調管理・職場の人間関係・業務上の課題など)への相談・調整を担います。
この流れは利用者の視点から見ると「就労移行支援 → 就職 → 就労定着支援」という順番になります。
報酬の計算方法が異なります
就労移行支援の基本報酬は「日額」です。利用者が通所した日数に応じて収入が変わります。通所日数が多いほど収入が増え、欠席が増えると収入が減ります。定員・就労定着実績・利用率などに応じた区分もあります。
就労定着支援の基本報酬は「月額」です。登録利用者1人につき月1単位が支払われます。日々の通所有無は収入に関係せず、就労定着率(前年度実績)によって7つの区分に分かれます。月額報酬のため収入が安定しやすい特徴がありますが、1〜2年目は最低区分(1,074単位)が適用されます。
人員基準の規模感が異なります
就労移行支援は、定員に応じた職業指導員・生活支援員・サービス管理責任者の配置が必要です。定員20人規模だと複数の常勤職員が必要です。
就労定着支援は、就労定着支援員(常勤換算1人以上)と管理者(常勤1人以上)のみです。サービス管理責任者の配置義務がなく、就労移行支援と比べると少ない人員で運営できます。
2つのサービスを組み合わせて運営するメリット
就労移行支援事業所が就労定着支援の指定を追加で取ることで、次のメリットがあります。
- 利用者の継続的な支援:就職後もつながりを持てる
- 就労移行支援の利用者獲得に有利:「就職後も支援してもらえる」は利用者選びの判断材料になる
- 職員の兼務が可能:既存の職員を就労定着支援員として兼務できる
- 設備の共用が可能:相談室を既存の施設と共用できる
就労定着支援単体での新規開業は可能ですが、就労移行支援等の実績(就職させた人の数)がないと登録利用者を集めにくいため、実際には既存の就労支援事業所に追加指定するケースがほとんどです。
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