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就労定着支援の基本報酬は、「就労定着率」という1つの指標によって7つの区分に分かれます。就労定着率とは、登録利用者全体のうち6か月以上継続して就労できた人の割合のことです。この割合が翌年度の報酬単位数を決めます。
報酬の区分は令和6年4月に改定されており、最高区分(9割5分以上)と最低区分(3割未満)では報酬単位数に約3.3倍の差があります。開業1〜2年目は実績がないため最低区分が適用されますが、3年目以降は実績次第で報酬が上がります。
この記事では、就労定着支援の基本報酬の計算方法と7区分の具体的な金額を、告示523(令和6年4月改定版)の数字をもとに解説します。
就労定着率は、6か月以上就労が続いた利用者の割合です
就労定着率の計算式は次のとおりです。
就労定着率=(評価期間中に6か月以上継続して就労した者の数)÷(評価期間中に就労定着支援の利用を終了した者の数)
評価期間は前年度(4月1日〜翌3月31日)の1年間です。年度中に利用を終了した人のうち、6か月以上就労が続いた人が多いほど就労定着率が上がります。
1〜2年目は実績なしのため最低区分が適用されます
開業してから最初の2年間は、評価できる実績がありません。このため、1年目・2年目は一律で「3割未満(区分7)」が適用されます(告示523 注1)。3年目の4月1日以降、初めて前年度の実績に基づく区分が適用されます。
基本報酬7区分の一覧です
令和6年4月改定後の基本報酬(月額・登録利用者1人あたり)は次のとおりです。
| 区分 | 就労定着率 | 基本報酬(単位数/月) |
|---|---|---|
| 1 | 9割5分以上 | 3,512単位 |
| 2 | 9割以上9割5分未満 | 3,348単位 |
| 3 | 8割以上9割未満 | 2,768単位 |
| 4 | 7割以上8割未満 | 2,234単位 |
| 5 | 5割以上7割未満 | 1,690単位 |
| 6 | 3割以上5割未満 | 1,433単位 |
| 7 | 3割未満(開業1〜2年目含む) | 1,074単位 |
出典:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準(告示523)令和6年4月改定版
単位数を金額に換算する方法です
障害福祉サービスの報酬は「単位数×地域単価」で金額になります。地域単価は「人件費割合×地域加算率」で決まります。就労定着支援の人件費割合は60%です。
主要な地域区分ごとの1単位あたりの金額は次のとおりです(令和6年度)。
| 地域区分 | 1単位あたりの金額 | 適用地域の例 |
|---|---|---|
| 1級地 | 11.40円 | 東京都特別区の一部 |
| 2級地 | 11.26円 | 東京都一部市部・神奈川県一部 |
| 3級地 | 11.15円 | 大阪市・横浜市等 |
| 4級地 | 11.05円 | 名古屋市・京都市等 |
| 5級地 | 10.94円 | 川崎市・さいたま市等 |
| 6級地 | 10.73円 | 仙台市・広島市等 |
| 7級地 | 10.63円 | 政令指定都市以外の中規模都市 |
| その他 | 10.00円 | 上記以外の市町村 |
出典:令和6年度障害福祉サービス等報酬改定 地域区分(厚生労働省)
登録利用者20人・区分7・その他地域(1単位10.00円)の場合の試算
1,074単位×20人×10.00円=214,800円/月(基本報酬のみ)
処遇改善加算Ⅰイ(11.5%)を加算すると、214,800円×1.115=約239,502円/月になります。
登録利用者20人・区分1・その他地域の場合の試算
3,512単位×20人×10.00円=702,400円/月(基本報酬のみ)
区分7から区分1になると、同じ登録利用者数でも収入が約3.3倍になります。
報酬区分を上げるために重要なこと
就労定着率を上げるためには、利用者が職場に定着し続けることが必要です。支援の質を高める観点からは次の取り組みが有効とされています。
- 月1回以上の連絡の徹底:職場への訪問や本人との面談を記録として残す
- 職場の担当者との関係構築:問題が大きくなる前に職場側と連絡を取る
- 生活面の課題への対応:体調・家計・生活リズムなど、就労継続に影響する要因への早期介入
- 就労先の種別の選定:開業前の段階で、定着しやすい業種・職場環境を意識した就職支援
就労定着支援の収入の上限目安
就労定着支援は「定員」がなく、登録できる利用者数に法定の上限はありません。ただし、支援の質を保つためには就労定着支援員1人あたりが担当できる人数に現実的な上限があります。他の就労支援サービスの実態から見ると、支援員1人あたり30〜40件程度が無理のない範囲とされることが多いです(法定の規定はなく、事業所の体制次第です)。
登録利用者数と区分の組み合わせによる月収入の試算は、シミュレーターで確認できます。
就労定着支援の収支を、地域単価・登録利用者数・人件費を入れて試算できます。


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