甲4の製図問題では、系統図の問題で受信機の種類が条件として与えられることがあります。また、「この建物にはP型1級とP型2級のどちらが必要か」を問われることもあります。
受信機の種類が変わると、感知器回路への配線の構成が変わります。P型1級とP型2級では線の本数が違い、接続できる回路数の上限も異なります。
このページでは、受信機の種類(P型1級・P型2級・R型)の定義・使い分けの条件・各種配線の役割を、規格省令(自動火災報知設備の受信機に係る技術上の規格を定める省令)と消防法施行規則第24条をもとに整理します。送り配線・終端器・共通線の本数の計算は別の記事(系統図の読み方(送り配線・終端器・共通線))で扱っているため、この記事では受信機の種類と配線の種類に絞って説明します。
P型受信機の種類は「感知器回路の数」で決まる
P型受信機は、回路(警戒区域)ごとに火災信号を受け取り、発報した回路(警戒区域)を表示する受信機です。
P型受信機には1級と2級があり、接続できる回路数によって使い分けます。根拠は自動火災報知設備の受信機に係る技術上の規格を定める省令(以下、規格省令)です。
| 種類 | 接続できる回路数(感知器回路の上限) |
|---|---|
| P型2級 | 5回路以下 |
| P型1級 | 回路数の制限なし(5回路を超える場合はP型1級が必要) |
出典:自動火災報知設備の受信機に係る技術上の規格を定める省令(e-Gov法令検索)
つまり、警戒区域が6つ以上ある建物にはP型2級は使えません。P型1級を選ぶ必要があります。製図問題で受信機の種類を選ぶ問いがある場合は、警戒区域の数(回路数)を先に数えてから判断します。
P型1級とP型2級の主な違い
回路数の上限以外にも、P型1級とP型2級には機能的な違いがあります。
| 機能 | P型1級 | P型2級 |
|---|---|---|
| 火災信号・障害信号の表示 | あり(発報した警戒区域が表示される) | あり(簡略化されている場合がある) |
| 電話連絡機能 | あり(受信機と感知器回路の末端機器との間で通話できる) | なし |
| 応答確認ランプ | あり(発信機の操作に受信機が応答したことを確認できる) | なし(または簡略) |
| 蓄積機能 | あり(非蓄積型もある) | 規格省令の規定に準じる |
| 接続できる回路数 | 制限なし | 5回路以下 |
出典:自動火災報知設備の受信機に係る技術上の規格を定める省令(e-Gov法令検索)。各機能の詳細な定義は原文を参照してください。
P型1級は電話連絡機能と応答確認機能を持ちます。これは「発信機のそばにいる人が受信機の操作員と通話できる」という機能で、大規模な建物で特に重要です。P型2級はこれらの機能を持ちません。
P型1級の配線は4種類の線で構成される
P型1級の感知器回路には、P型2級より多くの種類の線が必要です。試験の参考書では一般に次の4種類が示されています。
| 線の種類 | 役割 | 略称 |
|---|---|---|
| 表示線(ライン線) | 感知器・発信機の信号を受信機に送る。火災発報はこの線の電流変化で検知される | L(Line) |
| 共通線 | 複数の感知器回路が共用する基準の線。L線と組み合わせて回路を構成する | C(Common) |
| 応答線 | 発信機の操作ボタンを押したとき、受信機が応答確認ランプを点灯させるための線 | A(Answer)または応答線 |
| 電話線 | 受信機と発信機の間で音声通話をするための線 | T(Telephone) |
L線・C線は感知器の信号回路に必要な線です。応答線・電話線はP型1級だけの機能に対応する線です。
線の本数そのものは法令で直接規定されているわけではなく、上の機能(信号回路・応答確認・電話連絡)を実現するための設計上の構成として、参考書・業界の慣行として広く使われています。
P型2級の配線はL線とC線の2本
P型2級は電話連絡機能と応答確認機能を持たないため、信号回路(L線・C線)のみが基本構成です。
| 受信機の種類 | 基本の線の構成 |
|---|---|
| P型2級 | L線(表示線)+C線(共通線) |
| P型1級 | L線+C線+応答線+電話線 |
P型1級の系統図では、1つの回路あたりP型2級の2倍の配線本数が描かれることになります。系統図問題で「P型1級」という条件が与えられている場合は、応答線・電話線の存在を忘れずに含めます。
R型受信機はアドレス式で回路の考え方が変わる
P型以外に、R型(記録型)受信機があります。R型はP型と根本的に仕組みが異なります。
P型は「1回路=1警戒区域」という対応があり、どの回路が発報したかで場所を特定します。R型は感知器1台ずつに固有のアドレス(番号)が割り当てられており、発報した感知器の番号から場所を特定します。
| P型受信機 | R型受信機 | |
|---|---|---|
| 場所の特定方法 | 発報した回路(警戒区域)を表示 | 発報した感知器のアドレスを表示 |
| 配線の方式 | 回路ごとに独立した配線(L・C線等) | アドレス信号を伝送する配線(2芯の場合が多い) |
| 感知器の種類 | P型対応の感知器 | R型対応(アナログ)感知器 |
| 感知器の精度 | on/off の2値信号 | 連続した信号値(アナログ)も扱える |
| 採用される建物 | 中・小規模建物が多い | 大規模建物・新築ビルに多い |
出典:自動火災報知設備の受信機に係る技術上の規格を定める省令(e-Gov法令検索)
R型は警戒区域ごとに回路を用意する必要がなく、アドレスで管理するため、配線本数が少なくて済む利点があります。甲4の試験では、R型の詳細な配線本数の計算よりも「P型との違いとはどういうものか」が問われることが多いです。
GP型・GR型も存在する
ガス漏れ火災警報設備に対応した受信機にGP型・GR型があります。4類の設備の中にガス漏れ火災警報設備も含まれるため、試験の法令問題では出てくることがあります。
GP型は自動火災報知設備(P型機能)とガス漏れ警報(G機能)を兼ね備えた受信機です。GR型はR型にG機能を加えたものです。製図では主にP型・R型が問われます。
受信機の種類を選ぶ手順
製図問題で受信機の種類を選ぶ場合の手順をまとめます。
- 警戒区域の数(回路数)を数える
- 5回路以下 → P型1級・P型2級のどちらでも可
- 6回路以上 → P型1級(またはR型)が必要
- 問題文に「電話連絡機能が必要」「応答確認ランプが必要」という条件がある → P型1級
- 問題文が「P型2級受信機を使う」という条件であれば5回路以下の前提
共通線の本数は7警戒区域で1本
共通線(C線)は複数の回路で共用できますが、1本の共通線につき7警戒区域以下とする制限があります(消防法施行規則第24条第一号ヘ)。この規定は系統図の配線本数の計算で使うため、系統図の読み方(送り配線・終端器・共通線)の記事でまとめています。
問題で練習する
受信機の種類・配線の本数は、問題を通じて「このケースでは何本になるか」と確認しながら覚えると定着しやすいです。むむ(ふふむむデザイン)の消防設備士4類の問題集には、受信機の種類・系統図・配線本数に関連する問題が含まれています。製図の系統図問題の練習に使ってください。
出典
- 自動火災報知設備の受信機に係る技術上の規格を定める省令(P型受信機の種類・機能の定義):e-Gov法令検索(https://elaws.e-gov.go.jp/)
- 消防法施行規則第24条第一号(共通線の本数・送り配線・配線の基準):e-Gov法令検索


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