消防設備士4類(乙4・甲4)の試験科目と合格率。甲種と乙種の違いも整理する。

消防設備士4類(乙4・甲4)の試験科目と合格率。甲種と乙種の違いも整理する。 資格





消防設備士4類は、自動火災報知設備やガス漏れ火災警報設備の点検・工事に必要な国家資格です。

ビルメンテナンスや防災設備の仕事でよく求められる資格ですが、「乙4と甲4、どちらを受ければいいか」「試験科目が多くて何から手をつければいいか」と迷う方は多いです。

このページでは、試験科目の内訳・出題数・合格基準・合格率を整理します。乙4と甲4の具体的な違いも説明します。


消防設備士4類は、自動火災報知設備の専門資格

消防設備士の資格は1類から7類まであり、扱える設備の種類によって分かれています。4類は「自動火災報知設備」「ガス漏れ火災警報設備」「消防機関へ通報する火災報知設備」が対象です。

ビルや工場、マンション、商業施設など、ほぼあらゆる建物に自動火災報知設備は設置されています。そのため、4類の資格者は設備業界・ビル管理業界を中心に安定した需要があります。

試験の実施は一般財団法人・消防試験研究センターが行っています。都道府県ごとに複数回実施されるため、受験機会は年に数回あります。

乙4と甲4の違い。できることが根本的に変わる

4類には乙種(乙4)と甲種(甲4)の2種類があります。大きな違いは「工事ができるかどうか」です。

区分 乙種(乙4) 甲種(甲4)
点検・整備 できる できる
設備の工事 できない できる
受験資格 なし(誰でも受験可) 学歴・実務経験・資格等の条件あり
筆記問題数 30問 45問
実技問題数 鑑別5問 鑑別5問+製図2問
試験時間 1時間45分 3時間15分

乙4は受験資格の制限がないため、誰でも受験できます。甲4は受験に一定の資格・学歴・実務経験が必要です(詳しくは消防試験研究センターの公式サイトで確認してください)。

「まず点検・整備の仕事がしたい」という場合は乙4から、「将来的に工事もやりたい」「甲種の受験資格を持っている」という場合は最初から甲4を狙う選択もあります。

試験科目と出題数の内訳

消防設備士4類の試験は、筆記試験と実技試験に分かれています。

乙4の科目構成(計35問)

科目 問題数
消防関係法令(共通) 6問
消防関係法令(第4類) 4問
基礎的知識(電気) 5問
構造・機能・整備(電気) 9問
構造・機能・整備(規格) 6問
実技(鑑別) 5問

甲4の科目構成(計52問)

科目 問題数
消防関係法令(共通) 8問
消防関係法令(第4類) 7問
基礎的知識(電気) 10問
構造・機能・整備(電気) 12問
構造・機能・整備(規格) 8問
実技(鑑別) 5問
実技(製図) 2問

※問題数は消防試験研究センターの公表情報をもとにしていますが、試験回によって若干異なる場合があります。最新の情報は消防試験研究センターの公式サイトでご確認ください。

各科目の出題内容。何を勉強するか

消防関係法令(共通)

消防法・消防法施行令・消防法施行規則の基本的な内容が出ます。防火対象物の区分、消防設備の設置義務、点検報告の義務などが問われます。4類だけでなく、他の類の試験でも出るため、消防設備士試験全体の基礎になる科目です。

消防関係法令(第4類)

自動火災報知設備に関する法令が出ます。感知器の設置義務が生じる防火対象物の種類、設置免除の条件、届出・点検の義務などが含まれます。

基礎的知識(電気)

電気の基礎知識です。オームの法則・キルヒホッフの法則・直列/並列回路の計算、電力・電力量の計算、変圧器、蓄電池などが出ます。数式を使った計算問題が出るため、計算練習が必要です。

構造・機能・整備(電気)

自動火災報知設備の機器の構造と動作原理が出ます。感知器の種類(差動式・定温式・光電式・炎感知器など)と特徴・設置場所・設置距離の数値、受信機の種類(P型・R型)と動作、発信機・中継器の構造などが含まれます。出題数が多い科目です。

構造・機能・整備(規格)

感知器・受信機等の規格(技術上の規格を定める省令)が出ます。感知器の試験方法、受信機の保持電圧・電流、配線の規格などが問われます。暗記の比重が高い科目です。

実技(鑑別)

感知器や受信機の写真・イラストを見て名称・用途・設置場所を答える問題が中心です。5問出題され、記述式です(マークシートではありません)。機器の見た目と名前・特徴を一致させて覚えることが必要です。

実技(製図・甲4のみ)

系統図や平面図を見て、感知器の設置個数・配線の本数・終端抵抗の位置などを判断する問題です。2問出題されます。甲4のみの科目で、製図の知識が必要です。

合格基準は「各科目40%以上かつ全体60%以上」

合格するためには、2つの条件を同時に満たす必要があります。

  • 各科目:正答率40%以上(科目ごとに下回るとその科目が「足切り」になる)
  • 全体:正答率60%以上

「全体では6割取れても、電気の基礎だけ3割しか取れなかった」という場合は不合格になります。苦手科目を放置せず、すべての科目で最低40%を確保することが重要です。

特に注意が必要なのは基礎的知識(電気)です。計算問題が含まれるため、電気の知識がない方には難しく感じやすい科目です。早めに取り組むことをおすすめします。

合格率は甲4が37%、乙4が36%(令和8年4〜7月)

消防試験研究センターが公表している令和8年4〜7月(2026年)のデータは以下のとおりです。

区分 受験者数 合格者数 合格率
甲種4類(甲4) 5,960人 2,210人 37.1%
乙種4類(乙4) 2,085人 755人 36.2%

出典:消防試験研究センター「試験実施状況」(https://www.shoubo-shiken.or.jp/result/)

甲4・乙4ともに30〜37%前後で推移することが多く、10人受けて3〜4人が合格するイメージです。難しすぎるということはありませんが、準備なしで合格できる試験でもありません。

合格率だけ見ると甲4と乙4はほぼ同じですが、甲4は受験資格の条件があり、ある程度の経験者が受験する試験です。出題範囲が広く問題数も多いため、実際の難易度は甲4の方が高いと考えるべきです。

勉強の進め方。科目の順番と時間配分

まず法令から入るのが定番

消防設備士の試験勉強は、消防関係法令(共通・第4類)から入るのが効率的です。法令は暗記が中心で、構造・機能の理解がなくても進められます。また、法令の知識が入ると「なぜこの設備が必要なのか」という背景がわかり、構造・機能の理解が早くなります。

電気の基礎は早めに片付ける

基礎的知識(電気)の計算問題は、後回しにすると試験直前に焦りやすいです。オームの法則・合成抵抗・電力計算の3つは繰り返し計算して体で覚えます。理解より先に計算のパターンを覚えてしまう方が早いことが多いです。

構造・機能は感知器の種類から

構造・機能・整備の科目は出題数が最も多く、ここで点数を稼げるかどうかが合否を左右します。感知器の種類(差動式・定温式・光電式・煙感知器・炎感知器)と設置できる場所・設置できない場所を表にまとめて覚えると整理しやすいです。

実技は筆記と並行して準備する

鑑別問題は記述式のため、「名前は覚えたが書けない」というケースがあります。よく出る感知器・受信機の名称と特徴を、手を動かして書いて覚えることをおすすめします。写真・イラストと名前を対応させる練習を早めに始めると、本番で焦りません。

甲4の製図は後半に集中する

製図問題(甲4のみ)は他の科目の理解が前提になります。感知器の設置基準・配線の仕組みを理解してから取り組んだほうが、理解が早くなります。試験勉強の後半(最後の1〜2週間)に集中して取り組む方が多いです。

問題練習で確認する

試験対策の核は「問題を解いてみること」です。テキストを読むだけでは、本番形式に慣れていないために本番で焦ることがあります。

試験と同じ形式の4択問題を繰り返し解くことで、知識の定着と時間感覚の両方が身につきます。

このページを作ったむむ(ふふむむデザイン)では、消防設備士4類(乙4・甲4)のAI問題集を無料で公開しています。1日3問まで無料で練習できます。全区分(法令共通・法令4類・基礎的知識・構造機能・実技鑑別)に対応しています。

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確認済みの問題と、AIがその都度生成する問題を組み合わせて出題します。解くたびに解説と根拠が表示されるため、どの法令・規格に基づく問題かも確認できます。


消防設備士4類(乙4・甲4)の試験科目・合格率・勉強の進め方をまとめました。試験範囲は広いですが、科目ごとに特徴が異なるため、優先度をつけて計画的に進めれば十分に合格を狙えます。

乙4から始めるか甲4を直接受けるかは、現在の受験資格と目指す仕事の内容によって判断してください。どちらを選ぶ場合でも、法令・電気・構造の3本柱を着実に押さえることが合格への近道です。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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