消防設備士4類の筆記は、数字を覚えているかどうかで差がつきます。ただ、暗記カードの数字をそのまま覚えると、似た数字で混乱します。主音響装置は85dBで地区音響装置は90dB、絶縁抵抗は0.1MΩと50MΩ、電源は10分と「60分+10分」のように、同じ言葉で違う数字が並ぶからです。
混乱を減らすコツは、数字の「持ち主」を分けて覚えることです。4類の数字は、大きく3つの出どころに分かれます。
- 規格省令(受信機・感知器と発信機・中継器の「技術上の規格を定める省令」):機器そのものが満たす性能の数字
- 設置基準(消防法施行規則第23条・第24条、施行令第21条):建物にどう取り付けるかの数字
- 試験制度(消防試験研究センターの公表内容):問題数・時間・合格基準
このページでは、この3つに分けて、条番号つきで数字を並べます。数字はすべてe-Gov法令検索の原文とセンターの公表内容で確かめたものです。
受信機の規格の数字は、音圧85dB・電圧±10%・予備電源60分+10分
受信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和56年自治省令第19号)の数字です。
| 項目 | 数字 | 条番号 |
|---|---|---|
| 主音響装置の音圧 | 無響室で中心から前方1mで85dB以上(P型3級・GP型3級は70dB以上)。その他の音響装置は70dB以上 | 第4条第一号ロ |
| 音響装置が音を出す電圧 | 定格電圧の90%(予備電源があるものは予備電源の定格電圧の85%)で音響を発すること | 第4条第一号イ |
| 予備電源の容量(P型・R型) | 監視状態を60分間継続した後、2の警戒区域(回線が1のものは1)の回線を作動させる消費電流を10分間流せる容量 | 第4条第八号ホ(1) |
| 電源電圧の変動 | 主電源は定格電圧の90%以上110%以下、予備電源は85%以上110%以下で機能に異常がないこと | 第14条 |
| 火災灯の色 | 赤色 | 第6条第1項 |
| P型2級受信機の回線数 | 接続できる回線の数は5以下 | 第8条第2項第一号 |
| P型3級受信機の回線数 | 接続できる回線の数は1 | 第8条第3項第一号 |
| 導通試験装置 | 終端器に至る信号回路の導通を回線ごとに確認できる装置(回線数1のものは不要) | 第8条第1項第一号 |
「60分+10分」は受信機の予備電源の話で、建物側の非常電源(次の設置基準の表にある「10分間」)とは別のものです。問題文が「予備電源」か「非常電源」かを必ず見ます。
感知器と発信機の規格の数字は、温度60〜150℃・絶縁50MΩ・保護板20N/80N
火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和56年自治省令第17号)の数字です。
| 項目 | 数字 | 条番号 |
|---|---|---|
| 定温式感知器の公称作動温度 | 60℃以上150℃以下。60〜80℃は5℃刻み、80℃を超えるものは10℃刻み | 第14条第1項 |
| 光電式スポット型感知器の感度 | K(濃度)は1種5・2種10・3種15、V(風速)は20以上40以下、T(作動時間)は30秒、t(不作動時間)は5分 | 第17条第2項の表 |
| 光電式分離型感知器の公称監視距離 | 5m以上100m以下、5m刻み | 第17条の2第2項 |
| 再用性試験 | 再用型の感知器は150℃・風速1m/sの気流に、定温式の性能を有するものは2分間、その他は30秒間投入して異常がないこと | 第29条 |
| 感知器の絶縁抵抗 | 直流500Vの絶縁抵抗計で50MΩ以上(定温式感知線型は線間で1mあたり1,000MΩ以上) | 第30条 |
| 放射性物質 | 密封線源とし、外部から直接触れられず、火災の際に容易に破壊されないこと | 第8条第十一号 |
| P型発信機の保護板 | 透明の有機ガラス。中央の直径20mmの円内に20Nの静荷重で押し破られず、80Nの静荷重で押し破られること | 第32条第四号・第五号 |
| P型発信機の外箱の色 | 赤色 | 第32条第八号 |
| P型1級発信機だけの装置 | 受信機が信号を受信したことを確認できる装置(第六号)と、受信機との電話連絡の装置(第七号) | 第32条 |
保護板の20Nと80Nは、「20Nでは破れず、80Nでは破れる」という上下の組です。どちらか一方だけ覚えると、選択肢で入れ替えられたときに迷います。
感知器の設置基準の数字は、規則第23条にまとまっている
消防法施行規則第23条第4項の数字です。製図の個数計算で使う床面積の表は、感知器の設置個数の計算の記事に原文のまま載せているので、ここでは表以外の数字を並べます。
| 項目 | 数字 | 条番号(第23条第4項) |
|---|---|---|
| 感知器を設けない場所 | 取付け面の高さ20m以上、天井裏で天井と上階の床との間が0.5m未満 | 第一号イ・ハ |
| 取付け面の高さと使える感知器 | 4m・8m・15m・20mで区切る(4〜8mは定温式特種・1種、煙1・2種まで。8〜15mは分布型と煙1・2種。15〜20mはイオン化式・光電式スポット型の1種) | 第二号の表 |
| 熱感知器(スポット型)の下端 | 取付け面の下方0.3m以内 | 第三号イ |
| 感知区域を分けるはり | 0.4m以上突出したはり(差動式分布型と煙感知器は0.6m以上) | 第三号ロ |
| 熱感知器の床面積(代表値) | 差動式1種・4m未満:耐火構造90m²、その他60m²。煙1種・2種・4m未満:150m²(4m以上20m未満は75m²) | 第三号ロの表・第七号ホの表 |
| 空気管式 | 露出部分は感知区域ごとに20m以上、各辺から1.5m以内、相互間隔は耐火9m・その他6m以下、1検出部に100m以下、傾斜5度以上させない | 第四号 |
| 熱電対式 | 72m²(耐火88m²)以下で4個以上、超える分は18m²(耐火22m²)ごとに1個、1検出部に20以下 | 第四号の二 |
| 定温式の性能を有する感知器 | 正常時の最高周囲温度が公称作動温度(補償式は公称定温点)より20℃以上低い場所に設ける | 第六号 |
| 煙感知器の下端・壁からの距離 | 下端は取付け面の下方0.6m以内、壁またははりから0.6m以上離す | 第七号ハ・ニ |
| 煙感知器の廊下・階段 | 廊下は歩行距離30m(3種20m)、階段は垂直距離15m(3種10m)につき1個以上。特定一階段等防火対象物の階段は1種・2種を7.5mにつき1個以上 | 第七号ヘ |
| 光電式分離型 | 光軸は壁から0.6m以上、送光部・受光部は背部の壁から1m以内、光軸の高さは天井等の高さの80%以上、各部分から光軸まで水平距離7m以下、15m以上は1種、20m以上の場所には設けない | 第七号の三 |
| 空気吹出し口からの距離 | 1.5m以上離す(差動式分布型・光電式分離型・炎感知器を除く) | 第八号 |
| スポット型の傾き | 45度以上傾斜させない(炎感知器を除く) | 第九号 |
| 炎感知器(道路用)の高さ | 道路面から1.0m以上1.5m以下 | 第七号の五ロ |
0.3mと0.6mの組は、熱感知器と煙感知器で「下端の位置」が違い、0.4mと0.6mの組は、スポット型の熱感知器と、分布型・煙感知器で「はりの判断」が違います。数字を単独で覚えず、「熱は0.3と0.4、煙は0.6と0.6」とまとめると混乱しません。
配線・受信機・音響装置・発信機の設置基準の数字は、規則第24条にある
消防法施行規則第24条の数字です。系統図の問題で使うものが多く入っています。
| 項目 | 数字 | 条番号(第24条) |
|---|---|---|
| 配線の絶縁抵抗 | 感知器回路は一の警戒区域ごとに直流250Vの絶縁抵抗計で0.1MΩ以上。電源回路は対地電圧150V以下で0.1MΩ以上、150V超で0.2MΩ以上 | 第一号ロ |
| 共通線 | 1本につき7警戒区域以下(R型・GR型の固有の信号の回路は除く) | 第一号ヘ |
| P型受信機の感知器回路の抵抗 | 50Ω以下 | 第一号ト |
| 受信機の操作スイッチの高さ | 床面から0.8m(いすに座って操作するものは0.6m)以上1.5m以下 | 第二号ロ |
| 受信機の台数 | P型2級・3級など(回線数1のP型1級を含む)は、一の防火対象物につき3台以上設けない | 第二号ヘ |
| P型2級(1回線)・P型3級を設けられる規模 | P型2級で回線数1のものは延べ面積350m²を超える防火対象物に設けない。P型3級は150m²を超える防火対象物に設けない | 第二号チ・リ |
| 非常電源の種類 | 延べ面積1,000m²以上の特定防火対象物は蓄電池設備、その他は非常電源専用受電設備または蓄電池設備 | 第四号イ |
| 非常電源(蓄電池設備)の容量 | 自動火災報知設備を有効に10分間作動できる容量以上 | 第四号ロ |
| 地区音響装置の音圧 | 中心から1m離れた位置で90dB以上(音声によるものは92dB以上) | 第五号イ(イ)・第五号の二イ(イ) |
| 地区音響装置の距離 | 各階の各部分から水平距離25m以下 | 第五号ニ |
| 区分鳴動 | 地階を除く階数が5以上で延べ面積3,000m²を超える防火対象物は、出火階とその直上階などに限って鳴動させる | 第五号ハ |
| 蓄積時間 | 感知器の公称蓄積時間と中継器・受信機の蓄積時間の合計が60秒以下。煙感知器以外を設けるときは中継器・受信機の合計が20秒以下 | 第七号 |
| 発信機の距離 | 各階の各部分から歩行距離50m以下 | 第八号の二イ |
| 発信機の高さ | 床面から0.8m以上1.5m以下 | 第八号の二ロ |
| 表示灯 | 赤色の灯火で、取付け面と15度以上の角度となる方向に沿って10m離れたところから点灯が識別できること | 第八号の二ニ |
「歩行距離50m」の発信機と「水平距離25m」の地区音響装置は、数字だけでなく距離の測り方も違います。発信機は歩いて行ける距離、地区音響装置は直線の距離です。
警戒区域と設置義務の数字は、施行令第21条と規則第23条第1項にある
| 項目 | 数字 | 条番号 |
|---|---|---|
| 警戒区域の面積と一辺 | 600m²以下、一辺50m以下(光電式分離型を設ける場合は100m以下)。主要な出入口から内部を見通せる場合は1,000m²以下 | 令第21条第2項第二号 |
| 2の階にわたれる警戒区域 | 面積500m²以下なら2の階にわたってよい | 規則第23条第1項 |
| 設置義務の延べ面積(主なもの) | (九)項イは200m²以上。(一)項、(二)項イ〜ハ、(三)項、(四)項、(六)項イ(4)・ニ、(十六)項イ、(十六の二)項は300m²以上。(五)項ロ、(七)項、(八)項、(九)項ロ、(十)項、(十二)項、(十三)項イ、(十四)項は500m²以上。(十一)項、(十五)項は1,000m²以上 | 令第21条第1項第二号〜第六号 |
| 面積に関係なく設置 | (二)項ニ、(五)項イ、(六)項イ(1)〜(3)・ロ、(十三)項ロ、(十七)項など。特定一階段等防火対象物も面積に関係なく設置 | 令第21条第1項第一号・第七号 |
| 地階・無窓階 | (二)項イ〜ハ、(三)項、(十六)項イの地階・無窓階は床面積100m²以上で設置 | 令第21条第1項第十号 |
| 指定可燃物 | 指定数量の500倍以上を貯蔵・取り扱うものは設置 | 令第21条第1項第八号 |
| 漏電火災警報器 | 鉄網入りの壁・床・天井を有する建物で、用途ごとに延べ面積150・300・500・1,000m²以上、または契約電流容量が50Aを超えるもの | 令第22条第1項 |
| 消防機関へ通報する火災報知設備 | (一)項、(二)項、(四)項などは延べ面積500m²以上、(三)項、(七)項〜(十一)項などは1,000m²以上。常時通報できる電話を設置すれば設置しないことができる(一部の用途を除く) | 令第23条第1項・第3項 |
設置義務の面積は、用途の項番号ごとに200・300・500・1,000m²の4段階です。試験では「(四)項の物品販売店舗は何m²以上か」のように用途を指定して問われるので、代表的な用途と面積の組を覚えます。
試験制度の数字は、問題数・時間・合格基準の3つ
| 項目 | 乙4 | 甲4 |
|---|---|---|
| 筆記の問題数 | 30問(法令 共通6・類別4、基礎的知識 電気5、構造・機能・整備 電気9・規格6) | 45問(法令 共通8・類別7、基礎的知識 電気10、構造・機能・整備 電気12・規格8) |
| 実技の問題数 | 鑑別5問 | 鑑別5問+製図2問 |
| 試験時間(免除なし) | 1時間45分 | 3時間15分 |
| 合格基準 | 筆記は科目ごとに40%以上かつ全体で60%以上、実技は60%以上 | |
| 合格率(令和8年4〜7月) | 36.2% | 37.1% |
出典:消防試験研究センター「試験科目及び問題数」「試験実施状況」(2026年10月確認)。科目ごとの合格ラインを問題数に直した表は、4類の問題集の案内ページにあります。
混同しやすい数字は、対にして覚える
最後に、選択肢で入れ替えられやすい組を並べます。左右を一緒に覚えると、どちらか一方を見たときにもう一方を思い出せます。
| 組 | 片方 | もう片方 |
|---|---|---|
| 音圧 | 受信機の主音響装置 85dB以上(規格) | 地区音響装置 90dB以上(設置基準) |
| 絶縁抵抗 | 配線 直流250Vで0.1MΩ以上(規則第24条) | 感知器本体 直流500Vで50MΩ以上(規格第30条) |
| 電源の時間 | 非常電源(蓄電池設備)は有効に10分間(規則第24条) | 受信機の予備電源は監視60分+2回線10分(規格第4条) |
| 距離の測り方 | 発信機は歩行距離50m以下 | 地区音響装置は水平距離25m以下 |
| 感知器の下端 | 熱感知器 0.3m以内 | 煙感知器 0.6m以内 |
| はりの突出 | スポット型の熱感知器 0.4m以上 | 差動式分布型・煙感知器 0.6m以上 |
| 回線と警戒区域 | P型2級受信機は回線5以下(規格) | 共通線は1本7警戒区域以下(規則) |
| 高さ | 発信機 0.8〜1.5m | 受信機のスイッチ 0.8(いす0.6)〜1.5m |
| 保護板 | 20Nで破れない | 80Nで破れる |
| 警戒区域 | 600m²以下・一辺50m以下 | 500m²以下なら2の階にわたれる |
覚える順番は、設置基準 → 規格 → 設置義務の面積
数字が多いので、順番を決めて覚えます。おすすめは、まず規則第23条・第24条の設置基準(製図と鑑別で図面と一緒に使うため、覚えた数字をすぐ使う場面がある)、次に受信機と感知器の規格(機器ごとに数字がまとまっていて、表で覚えやすい)、最後に施行令第21条の設置義務の面積(用途の項番号と組で覚える必要があり、時間がかかる)の順です。
乙4は基礎的知識(電気)が5問で足切りが2問、甲4は10問で4問なので、数字の暗記にかける時間と、電気の計算の練習にかける時間の配分も、早めに決めておくと安心です。
数字は、根拠の条番号と一緒に問題で確かめる
数字は、表を眺めるより、問題で間違えて根拠を見るほうが残ります。むむ(ふふむむデザイン)の消防設備士4類の問題集では、上の数字を使った問題(規格・設置基準・製図)を確認済みの問題として入れていて、答えのあとに根拠の条番号と解説が出ます。数字は、2026年10月に全126問を原文で照合し直しました。確認済みの問題は無料で、回数の制限はありません。
記号の読み方は 自動火災報知設備の図記号一覧の記事、試験科目と合格率は 消防設備士4類の試験科目と合格率の記事 にまとめています。
出典
- 受信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和56年自治省令第19号)第4条・第6条・第8条・第14条
- 火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和56年自治省令第17号)第8条・第14条・第17条・第17条の2・第29条・第30条・第32条
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第23条第1項・第4項、第24条
- 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第21条・第22条・第23条
- いずれもe-Gov法令検索の本文を2026年10月に確認
- 一般財団法人 消防試験研究センター「試験科目及び問題数」「試験実施状況」(2026年10月確認)
このページは、消防庁・消防試験研究センターとは関係のない民間(個人)のものです。数字は法令の原文を当サイトが整理したもので、設計・工事・点検は最新の法令と所轄の消防本部の指導に従ってください。法令は改正されることがあるため、受験する年の条文で確かめてください。


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