遊技場(パチンコ店・ゲームセンター等)は消防法施行令別表第一(二)項ニに分類される特定防火対象物です。(二)項は施行令第10条第1項第1号イにより、延べ面積にかかわらず消火器の設置義務があります。不特定多数が長時間滞在する施設のため、消火器の設置・管理は特に重要です。
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遊技場の消防法上の分類
消防法施行令別表第一の遊技場・ゲームセンター等の分類は次のとおりです。
| 区分 | 施設の種類 | 特定・非特定 |
|---|---|---|
| (二)項ニ | 遊技場(パチンコ・スロット・ゲームセンター・ボーリング場・射的場等) | 特定防火対象物 |
| (二)項イ | キャバレー・カフェー等 | 特定防火対象物 |
| (二)項ロ | 遊興を目的とする施設(ナイトクラブ等) | 特定防火対象物 |
| (一)項ロ | 映画館・演芸場・観覧場(遊技場とは別分類) | 特定防火対象物 |
(二)項ニは特定防火対象物です。不特定多数の人が出入りする施設であるため、消防設備の設置・維持基準が非特定防火対象物より厳しく設定されています。点検結果の報告は1年に1回が義務です(消防法施行規則第31条の6第3項第1号)。
消火器の設置義務(設置が必要な条件)
(二)項(遊技場等)への消火器設置義務は施行令第10条第1項第1号イが根拠です。
| 分類 | 設置義務の発生条件 | 根拠 |
|---|---|---|
| (二)項ニ(遊技場等) | 延べ面積にかかわらず設置義務あり | 施行令第10条第1項第1号イ |
| (一)項ロ・(四)項等(別グループ) | 延べ面積150㎡以上(施行令第10条第1項第2号) | 施行令第10条第1項第2号 |
| (七)項・(十五)項等(別グループ) | 延べ面積300㎡以上(施行令第10条第1項第3号) | 施行令第10条第1項第3号 |
遊技場((二)項)は延べ面積の大小にかかわらず消火器の設置義務があります。たとえ小規模なゲームセンターであっても設置義務があります。
能力単位の算定
設置する消火器の台数は「能力単位の算定面積」をもとに計算します。(二)項の能力単位算定面積は50㎡で、消防法施行規則第6条第1項の表が根拠です。
| 建物の用途分類 | 能力単位算定面積 | 根拠 |
|---|---|---|
| (一)項イ・(二)項・(十六の二)項・(十六の三)項・(十七)項 | 50㎡あたり1能力単位 | 消防法施行規則第6条第1項の表 |
| (一)項ロ・(三)項〜(六)項・(九)項・(十二)項〜(十四)項 | 100㎡あたり1能力単位 | 消防法施行規則第6条第1項の表 |
| (七)項・(八)項・(十)項・(十一)項・(十五)項 | 200㎡あたり1能力単位 | 消防法施行規則第6条第1項の表 |
(二)項の能力単位算定面積は50㎡で、3グループの中で最も厳しい基準です。例えば延べ面積1,000㎡の遊技場なら 1,000㎡ ÷ 50㎡ = 20能力単位以上が必要です。
ただし建物が耐火構造かつ内装難燃材料の場合、能力単位算定面積は2倍(50㎡→100㎡)に緩和されます(施行規則第6条第2項)。
設置場所の技術的要件
設置場所の条件は建物の用途にかかわらず共通して適用されます。
| 設置条件 | 基準値 | 根拠 |
|---|---|---|
| 設置高さ | 床面から1.5m以下 | 消防法施行規則第9条第1号 |
| 歩行距離 | 20m以内 | 消防法施行規則第6条第6項 |
| 標識 | 「消火器」の標識を見やすい位置に設置 | 消防法施行規則第9条第4号 |
遊技場での消火器の設置場所の考え方
遊技場では遊技台が密集した客席空間が大部分を占めます。歩行距離20m以内の条件を満たすためには、次の場所への配置が一般的です。
- 遊技台の列の両端(通路沿い):各列の端から20m以内になるように配置
- カウンター付近(スタッフエリア):火災発生時にスタッフが迅速に使用できる場所
- 出入口付近:来場者が避難時に取り出しやすい位置
- 喫煙室(設置されている場合):タバコの不始末による火災リスクへの対応
遊技場の火災リスクと消火器の選定
遊技場特有の火災リスクとして電気系統の問題があります。大量の遊技台・電子機器への電力供給による電気火災リスクがあるため、消火器選定の際に次の点を考慮します。
- ABC粉末消火器が標準的な選択肢
- 大量の遊技台(電子機器)がある場合、水系の消火剤による機器損傷を避けるため、CO2消火器や強化液消火器を一部に設置することも検討できる
- 電気設備がある場所(変圧器・配電盤等)には適応性のある消火器を設置する義務があります(施行規則第6条第4項)
まとめ
遊技場((二)項ニ)は特定防火対象物で、延べ面積にかかわらず消火器の設置義務があります(施行令第10条第1項第1号イ)。能力単位算定面積は50㎡(施行規則第6条第1項)で、3グループ中最も厳しい基準です。設置場所の条件(設置高さ1.5m以下・歩行距離20m以内)は一般建物と共通です。点検報告は特定防火対象物として年1回が義務です。電気機器が密集する環境に合わせた消火器の選定(ABC粉末・CO2・強化液)が実務上のポイントです。
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