消防設備士 乙種第2類(乙2)の令和7年度(2025年4月〜2026年3月)の合格率は29.7%です。受験者790人のうち、合格者は235人でした(消防試験研究センター「試験実施状況」より)。乙種7類を合格率で並べると、下から3番目にあたります。
作成:fufumumu_design(ふふ)/作成日:2026年10月17日/出典は各表の下に記載しています。
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29.7%は、乙種7類の中で下から3番目
令和7年度の乙種各類の合格率を並べます。データは消防試験研究センターが公表している「試験実施状況」(令和7年度)からです。
| 類 | 対象設備 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 乙種7類 | 漏電火災警報器 | 31,498人 | 20,382人 | 64.7% |
| 乙種5類 | 金属製避難はしご・救助袋・緩降機 | 2,044人 | 842人 | 41.2% |
| 乙種6類 | 消火器 | 46,218人 | 16,453人 | 35.6% |
| 乙種4類 | 自動火災報知設備・ガス漏れ火災警報設備 | 20,714人 | 7,038人 | 34.0% |
| 乙種2類 | 泡消火設備 | 790人 | 235人 | 29.7% |
| 乙種1類 | 屋内消火栓設備・スプリンクラー設備 | 5,748人 | 1,638人 | 28.5% |
| 乙種3類 | 不活性ガス消火設備・ハロゲン化物消火設備・粉末消火設備 | 1,741人 | 466人 | 26.8% |
出典:一般財団法人消防試験研究センター「試験実施状況 令和7年度」(2026年10月17日に確認)
乙7(64.7%)との差が目立ちます。乙7は漏電火災警報器の資格で、電気工事士の資格があれば電気系の科目が全問免除になることや、設備の構造がシンプルで覚える量が少ないことが合格率を押し上げています。乙6(消火器)も受験者46,000人規模で、参考書・問題集が充実しているため学習効率が高く、合格率35.6%という水準に収まっています。
一方、乙2の受験者数は790人です。乙6の約58分の1、乙7の約40分の1という少なさです。この数の少なさが、合格率の読み方に影響します。
受験者数が少ないため、合格率が年によって動く
合格率が30%を切るか切らないかは、年度によって変わります。理由は受験者数の少なさです。
たとえば、790人が受験した年に合格者が10人増減するだけで、合格率は約1.3ポイント動きます。乙6(受験者46,218人)では、同じ10人の増減は合格率に0.02ポイントしか影響しないのとは大きく異なります。
過去の数年分の傾向としては、乙2は概ね25〜35%の範囲で推移することが多いです。最新のデータは消防試験研究センターの「試験実施状況」(年度別)で確認できます。
合格率が年によって変わることは、「今年は難しかった」「今年は易しかった」という年度ごとの難易差というより、受験者の母集団が小さいことで生まれる統計的な揺れに近いです。準備の量と合格の可能性は、合格率の年次変動とは別に考えるほうが実態に近いです。
乙2の受験者が少ない理由
乙2の受験者数が少ない最大の理由は、泡消火設備の設置が限られた用途の建物に限定されているためです。消防法施行令第13条が定める泡消火設備の設置義務は、飛行機・回転翼航空機の格納庫(床面積200m²以上)、駐車場(一定規模以上)、自動車修理工場などです。一般的なビルやマンション、学校、病院には泡消火設備の設置義務はありません。
このため、乙2が必要な現場で働いている消防設備士は全体から見ると少数であり、受験者数の規模が乙4・乙6・乙7のように大きくなりにくい構造になっています。
受験者数が少ないことは、参考書や問題集の充実度にも影響します。乙6や乙4と比べると、乙2の専用問題集は市場に少なく、出題傾向が公開情報として蓄積しにくい状況があります。これが実際の受験難易度の一因でもあります。
合格率29.7%をどう読むか
合格率が30%前後という数字は、「受けた3人に1人が受かる」水準です。乙7の64.7%と比べると厳しく見えますが、行政書士(13%前後)や宅建(17%前後)といった国家試験と比べると難度の区分が違います。
乙2の試験範囲は、消防関係法令・基礎的知識・構造機能整備・規格・鑑別の5科目で、試験時間は1時間45分です。出題内容は泡消火設備と泡消火薬剤に絞られており、範囲は広くありません。
合格率が低めになる構造的な理由の一つは、科目ごとの足切り(各科目40%以上)です。基礎的知識は5問しかないため、1問の重みが大きく、科目足切りに引っかかる受験者が出やすいです。また、規格科目(泡消火薬剤の省令)は数値問題が多く、暗記の精度が得点に直結するため、準備が不十分だと得点が安定しません。
逆に言えば、各科目を意識した準備ができれば、合格率の数字が示すほど困難な試験ではないともいえます。
乙1・乙3と乙2の比較
合格率でいうと、乙1(28.5%)と乙3(26.8%)は乙2(29.7%)の近い位置にあります。いずれも受験者が少なく、設備が専門的という共通点があります。
乙1(屋内消火栓・スプリンクラー)は受験者5,748人で、乙2の約7倍です。スプリンクラーは多くの建物に設置されているため、消防設備の仕事をしている人の間では一般的な資格です。乙3(不活性ガス・ハロゲン化物・粉末)は受験者1,741人で、工場や電算機室などの特殊用途建物に設置される設備を扱います。
乙2・乙1・乙3はいずれも合格率が30%前後で推移しており、「専門設備の乙種は難しめ」という傾向が共通しています。
まとめ
乙2の合格率29.7%(令和7年度)は、乙種7類の中で下から3番目です。受験者数が790人と少ないため、年度によって合格率が数ポイント動きやすい特徴があります。難しいように見える数字ですが、科目足切りの対策と規格の数値暗記をていねいに行えば、合格率の水準は乗り越えられる範囲です。試験の構造や各科目の対策は、乙2の試験ガイドにまとめています。
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