自動火災報知設備の図記号一覧。感知器は半円・四角にS・丸に三角、発信機は丸にP。国土交通省の標準図で確かめた30個を、見分け方つきで整理します。

自動火災報知設備の図記号一覧。感知器は半円・四角にS・丸に三角、発信機は丸にP。国土交通省の標準図で確かめた30個を、見分け方つきで整理します。 資格

消防設備士4類の製図と鑑別で最初に必要なのが、図記号を正しく読むことです。平面図の半円が差動式か定温式か、丸の中の文字がPかBかで、答えが変わります。

このページでは、国土交通省「公共建築設備工事標準図(電気設備工事編)」の自動火災報知装置の記号30個を、こちらで描き直した一覧画像と表にまとめます。記号の形は、同書のページを画像にして一つずつ目で確かめました。

先に一覧です。文章の説明は、そのあとに続けます。

自動火災報知設備の図記号一覧(差動式・定温式・補償式のスポット型感知器、煙感知器、炎感知器、発信機、表示灯、警報ベル、受信機、副受信機、中継器、機器収容箱、終端抵抗器、差動式分布型、試験器)

図:国土交通省「公共建築設備工事標準図(電気設備工事編)令和4年版」p.17〜18「自動火災報知装置」の記号を見て、当サイトが描いたものです。

熱感知器は半円、煙感知器は四角にS、炎感知器は丸に三角

感知器の記号は、熱・煙・炎で形の系統が分かれています。ここを押さえると、細かい派生形は「基本の形に何が足されているか」で読めます。

系統 基本の形 種類の見分け
熱感知器(スポット型) 半円(上が直線で、下が弧) 上辺のすぐ下に横線1本=差動式。半円だけ=定温式1種。右下に小さい○=定温式特種。中ほどに横線1本=補償式(熱複合式も同じ)
煙感知器 四角の中にS 光電式かイオン化式かは記号で分けず、種別とともに傍記。送光部と受光部の2つの四角に矢印=光電式分離型
熱煙複合式 半円の中にS 熱の半円と煙のSの組み合わせ
炎感知器 丸の中に三角 紫外線式・赤外線式の別は記号にない
差動式分布型 太い実線(空気管式)、線に黒い四角(熱電対式) 検出部は砂時計の形。種別は傍記

差動式と定温式の違いは、横線が1本あるかないかだけです。試験の図面では線の太さや位置が小さく描かれるので、「上辺の下にもう1本あるか」を意識して見ます。補償式は横線の位置が中ほどまで下がるので、差動式の横線(上辺のすぐ下)と区別します。

派生形は、基本の形に「囲み・縦線・弧・傍記」が足される

標準図には、取付けの形や環境に応じた派生の記号があります。足される要素は、囲み・弧・縦線・傍記・二重の四角・屋根の形の6つです。

足される要素 意味 例
円で囲む 埋込形 差動式スポット型 埋込形=半円を円で囲む
上に弧 埋込形(煙感知器) 煙感知器 埋込形=四角にSの上に弧。煙複合式の埋込形も同じ
縦線 環境に応じた型式 定温式スポット型の防水形=縦線1本、耐酸形=縦線2本、耐アルカリ形=縦線3本
傍記(記号の横に文字) 種別・級別・防爆形 1種の場合は傍記、EX=防爆形、発信機の級別、分離型の種別、試験器の個数
二重の四角 点検ボックス付 煙感知器 点検ボックス付
上に屋根の形 屋外用 P型発信機 屋外用、警報ベル 屋外用、機器収容箱(屋外用)

「1種の場合は、傍記による」という書き方は、標準図では差動式スポット型・煙感知器などで繰り返し出てきます。記号自体は2種を表していて、1種のときは横に「1」などを書き添える、という決まりです。定温式スポット型は逆に、特種の記号(右下の○)が別にあり、防水形などの1種の記号に「特種の場合は、傍記による」と書かれています。

発信機・表示灯・警報ベルは、機器収容箱にまとめて描かれる

平面図でひとまとまりに出てくるのが、発信機・表示灯・警報ベル(地区音響装置)と、それらを納める機器収容箱です。

記号 形 読み方の注意
P型発信機 丸の中にP 四角にPではありません。級別(1級・2級)は傍記、EXの傍記は防爆形
表示灯 丸の左半分を塗る 発信機の直近に設ける赤色の灯火。半分だけ塗るのが特徴
警報ベル 丸の中にB 地区音響装置として使われる。屋外用は屋根の形が付く
機器収容箱 横長の長方形(中は空) 両端に縦線=屋内消火栓箱組込、屋根の形=屋外用

設置の基準は消防法施行規則第24条にあります。発信機は各階の各部分から歩行距離50m以下(第八号の二イ)、床面からの高さ0.8m以上1.5m以下(同ロ)、直近に表示灯(同ハ)。地区音響装置は各階の各部分から水平距離25m以下(第五号ニ)です。平面図の問題では、記号を読めたうえで、この距離に収まっているかを確かめます。

受信機は対角線、副受信機は田の字、中継器は上に小さな区画

受信機まわりの3つは、どれも四角で、中の線の入り方で見分けます。

記号 形 役割
受信機 横長の長方形に対角線2本と横線1本 火災信号を受けて火災灯・地区表示・音響装置を動かす本体。防災センター等に設ける(規則第24条第二号ニ)
副受信機 横長の長方形を田の字に区切る 受信機の表示を別の場所にも出す機器(標準図の名称。役割の説明は当サイトの言葉)
中継器 正方形の上部に小さな区画が2つ 感知器などからの信号を受けて受信機などへ送る(中継器の規格省令第2条)
複合盤 受信機の形を横に3つ並べたような記号 自動火災報知装置・ガス漏れ火災警報装置の受信機と自動閉鎖装置の連動制御器を一体にしたもの(標準図の摘要)

系統図の問題では、受信機の記号から各階の機器収容箱へ線が伸び、その途中や末端に終端抵抗器(Ω)が描かれます。受信機と副受信機を取り違えると、回線の数え方が変わるので注意します。

配線と試験器の記号は、Ω・太線・砂時計・四角の文字で覚える

記号 形 意味
終端抵抗器 Ω 感知器回路の末端に設ける終端器。規則第24条第一号イで、回路の末端に発信機、押しボタンまたは終端器を設ける
差動式分布型(空気管式) 太い実線 天井に張る空気管。貫通箇所は小さな○2つで示す
差動式分布型(熱電対式) 線の途中に黒い四角 熱電対部
差動式分布型の検出部 砂時計の形(上下の横線と対角線) 空気管や熱電対部をまとめる検出部。種別は傍記
差動スポット試験器 四角の中にT 個数は傍記
回路試験器 四角の中に黒い丸 回路の試験用
移報器 四角の中にRと、横にG(消火栓用はH) 他の設備へ信号を送る機器(役割の説明は当サイトの言葉)

空気管の記号は、平面図では部屋の天井に沿って太線が回っている形で出てきます。規則第23条第4項第四号で、露出部分は感知区域ごとに20m以上、一の検出部に接続する長さは100m以下、相互間隔は耐火構造で9m以下・その他の構造で6m以下です。記号を読めたら、この数値で図面を確かめます。

30個の記号の名前・形・摘要を、標準図の順に並べる

画像が見づらい環境のために、同じ30個を文字で表にします。「摘要」は標準図に書かれている注記です。

名称 形 標準図の摘要
差動式スポット型感知器 2種 半円。上辺のすぐ下に横線1本 1種の場合は、傍記による
差動式スポット型感知器 2種 埋込形 上の半円を円で囲む 1種の場合は、傍記による
補償式スポット型感知器・熱複合式スポット型感知器 半円。中ほどに横線1本 1種の場合は、傍記による
定温式スポット型感知器 特種 半円の右下に小さい○ なし
定温式スポット型感知器 1種 半円だけ なし
定温式スポット型感知器 1種 防水形 半円に縦線1本 特種の場合は、傍記による
定温式スポット型感知器 1種 耐酸形 半円に縦線2本 特種の場合は、傍記による
定温式スポット型感知器 1種 耐アルカリ形 半円に縦線3本 特種の場合は、傍記による
定温式スポット型感知器 1種 防爆形 半円の横にEX 特種の場合は、傍記による
煙感知器 2種 露出形 四角の中にS 1種の場合は、傍記による
煙感知器 2種 埋込形 四角にSの上に弧 1種の場合は、傍記による
煙感知器 2種 点検ボックス付 二重の四角の中にS 1種の場合は、傍記による
煙複合式スポット型感知器 2種・3種複合式(露出形・埋込形) 四角にS(埋込形は上に弧) 1種・2種複合式の場合は、傍記による
光電式分離型感知器(送光部、受光部) Sの四角から矢印が出るものと、矢印が入るSの四角 種別は、傍記による
熱煙複合式スポット型感知器 半円の中にS 1種の場合は、傍記による
炎感知器 丸の中に三角 なし
終端抵抗器 Ω なし
差動式分布型感知器(空気管式) 太い実線 小さな○2つで貫通箇所を示す
差動式分布型感知器(熱電対式) 線の途中に黒い四角 小さな○2つで貫通箇所を示す
差動式分布型感知器の検出部 砂時計の形 種別は、傍記による
差動スポット試験器 四角の中にT 個数は、傍記による
回路試験器 四角の中に黒い丸 なし
P型発信機 丸の中にP 級別は、傍記による。傍記EXは、防爆形を示す
P型発信機 屋外用 丸にPの上に屋根の形 級別は、傍記による
警報ベル 丸の中にB なし
警報ベル 屋外用 丸にBの上に屋根の形 なし
受信機 横長の長方形に対角線2本と横線1本 なし
複合盤 受信機の形を横に3つ並べたような記号 自動火災報知装置、ガス漏れ火災警報装置の受信機及び自動閉鎖装置の連動制御器を一体としたものを示す
副受信機 横長の長方形を田の字に なし
中継器 正方形の上部に小さな区画2つ なし
表示灯 丸の左半分を塗る なし
機器収容箱 横長の長方形 なし
機器収容箱(屋外用) 長方形の上に屋根の形 なし
機器収容箱(屋内消火栓箱組込) 長方形の両端に縦線 屋内消火栓箱組込
移報器(消火栓)/移報器 四角の中にR、横にH/G 移報器は「別途」

出典:国土交通省「公共建築設備工事標準図(電気設備工事編)令和4年版」p.17〜18。形の説明は当サイトの言葉です。標準図には光警報制御装置・光警報装置(天井付・壁付)の記号も載っていますが、4類の試験で中心になるのは上の記号です。

傍記は「記号の横の小さな文字」で、種別・級別・個数・防爆を表す

標準図の「傍記による」は、記号の横に文字や数字を書き添える、という意味です。読み方をまとめます。

  • 1種・2種・3種の別:差動式スポット型と煙感知器の記号は2種を表し、1種なら横に「1」などを傍記します。光電式分離型と分布型の検出部は「種別は、傍記による」なので、1種でも2種でも傍記します。
  • 特種:定温式スポット型の特種は専用の記号(右下の○)がありますが、防水形・耐酸形・耐アルカリ形・防爆形の特種は、1種の記号に傍記します。
  • 級別:P型発信機の1級・2級は傍記します。P型1級受信機に接続するのはP型1級発信機、P型2級受信機にはP型2級発信機です(消防法施行規則第24条第八号の二ホ)。
  • EX:防爆形を表します。定温式スポット型の防爆形、P型発信機の防爆形に使います。
  • 個数:差動スポット試験器は、1つの記号に個数を傍記します。

製図で感知器を配置するとき、問題文で「1種」と指定されているのに傍記を忘れると、図面上は2種を置いたことになります。細かい点ですが、記号を描く問題では傍記まで含めて答えです。

平面図は「記号 → 感知区域 → 個数 → 発信機とベルの距離 → 警戒区域」の順に読む

記号が読めるようになったら、平面図の問題はこの順番で進めます。

  1. 図面に描かれた記号を読み、どの感知器がどこにあるかを把握する。はり(0.4m以上。差動式分布型と煙感知器は0.6m以上)があれば感知区域が分かれる。
  2. 感知区域ごとに、構造・取付け面の高さ・種別で床面積の表を引き、必要な個数を出す。廊下は歩行距離30m、階段は垂直距離15mで数える。
  3. 発信機は各部分から歩行距離50m以下、警報ベル(地区音響装置)は水平距離25m以下に収まっているかを確かめる。
  4. 階全体を、600m²以下・一辺50m以下の警戒区域に分ける(主要な出入口から見通せる場合は1,000m²以下)。

2の計算の表と手順は、感知器の設置個数の計算の記事に、原文の表と計算例をまとめています。

標準図の該当ページは、PDFの18〜19ページ目にある

原典を自分で見るときの探し方です。国土交通省の官庁営繕のページに「公共建築設備工事標準図(電気設備工事編)」のPDFがあり、令和4年版では本文のページ番号17〜18(PDFのページ番号では18〜19)に「(自動火災報知装置)」の記号表があります。表の列は「記号・名称・摘要」で、上の表と同じ並びです。

同じ標準図には、非常警報設備・ガス漏れ火災警報設備・誘導灯など、消防設備士の他の類で使う記号も載っています。4類の勉強の途中で他の設備の記号が出てきたときも、同じ資料で確かめられます。

製図では「記号を置く」、鑑別では「記号の名前を書く」

4類の実技で図記号が出る場面は2つあります。

甲4の製図では、平面図に感知器の記号を配置して個数を答えたり、系統図の配線を読んだりします。記号を正しく描けないと、個数が合っていても伝わりません。差動式と定温式の横線、発信機のP、表示灯の塗り、終端抵抗器のΩは、自分で描ける状態にしておきます。

乙4・甲4の鑑別では、写真や図を見て名称や用途を書きます。図記号そのものが示されて名称を答える形のほか、機器の写真と記号を結びつける形もあります。本番の鑑別は記述式なので、「半円に横線」と見た瞬間に「差動式スポット型感知器」と書ける速さが必要です。

ネット上の記号は形がまちまちなので、原典で確かめる

図記号を調べると、サイトによって形が違うことがあります。当サイトの問題集でも、公開当初の図記号ドリルは、発信機を「四角にP」、煙感知器を「丸にS」、受信機を「R」で描いていました。標準図のページを画像にして一つずつ照合したところ、10個すべてが標準の形と違っていたため、全部描き直しました。

覚えた形が原典と違うと、本番で記号を読み違えます。この記事の一覧は標準図の記号を目で確かめて描いたものですが、学習の最後には、国土交通省の標準図(下の出典)の該当ページを自分でも一度見ておくことをすすめます。

なお、標準図の図記号はJIS C 0303(構内電気設備の配線用図記号)に基づく、と説明されることがありますが、JISの本文は当サイトでは確認していません。この記事で根拠にしているのは標準図だけです。

図記号ドリルで、名前を選ぶ練習ができる

記号は、見るだけより「名前を選ぶ」練習をしたほうが定着します。むむ(ふふむむデザイン)の消防設備士4類の問題集には、図記号を見て名前を選ぶ「図記号ドリル」が17問入っています。差動式・定温式(1種・特種)・補償式・煙・光電式分離型・炎・発信機・警報ベル・表示灯・受信機・副受信機・中継器・終端抵抗器・機器収容箱・検出部・空気管の順に出て、間違えると形の見分け方がヒントとして出ます。無料で、回数の制限はありません。

▶ 消防設備士4類(乙4・甲4)の問題集

感知器の個数の計算は 感知器の設置個数の計算の記事 に、試験の科目と合格率は 消防設備士4類の試験科目と合格率の記事 に、問題集の中身は 4類の問題集の案内ページ にまとめています。

出典

  • 国土交通省大臣官房官庁営繕部「公共建築設備工事標準図(電気設備工事編)令和4年版」p.17〜18(自動火災報知装置の記号)。PDFを2026年10月に取得し、該当ページを画像にして確認。最新版は令和7年版です。
  • 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第23条第4項第四号、第24条第一号・第二号・第五号・第八号の二。e-Gov法令検索の本文を2026年10月に確認。
  • 中継器に係る技術上の規格を定める省令(昭和56年自治省令第18号)第2条。同上。

このページは、消防庁・消防試験研究センター・国土交通省とは関係のない民間(個人)のものです。一覧の画像は標準図の記号を見て当サイトが描いたもので、標準図そのものの複製ではありません。設計・申請に使う記号は、最新の標準図と所轄の消防本部の指導で確かめてください。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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