短期入所の食事提供体制加算。令和9年3月末の期限と算定できる条件。
短期入所の収支を試算できます。
▶ 短期入所 開業収支シミュレーター
短期入所の食事提供体制加算は、利用者に食事を提供している事業所を評価する加算で、1日1人当たり48単位です(令和3年厚生労働省告示第523号 別表第7の1)。ただし、この加算は令和9年3月31日までの経過措置として設けられており、以降の取り扱いは改定によって変わります。この記事では加算の仕組み・算定条件・実費との違い・収支への影響を整理します。
食事提供体制加算の単位数と金額
食事提供体制加算の単位数は1日1人当たり48単位です。地域区分別の金額換算は次のとおりです。
| 地域区分 | 1単位の単価 | 48単位の金額 |
|---|---|---|
| その他(非加算地域) | 10.00円 | 480円/人日 |
| 7級地 | 10.18円 | 489円/人日 |
| 6級地 | 10.36円 | 497円/人日 |
| 5級地 | 10.60円 | 509円/人日 |
| 1級地(東京23区等) | 11.20円 | 538円/人日 |
定員10名・稼働率80%・地域区分その他(1単位10円)・30日/月の場合、食事提供体制加算の月額収入は次のとおりです。
48単位 × 10円 × 8名(稼働率80%)× 30日 = 115,200円/月
年間では約138万円の収入となります。食材費・調理人件費などのコストと比較して採算を評価してください。
算定できる条件
食事提供体制加算を算定するには、事業所が自前で(または委託して)利用者に食事を提供していることが条件です。主な要件は次のとおりです。
- 短期入所の利用者に食事を提供していること
- 食事の提供にかかる費用の一部または全部を事業者が負担していること(単純に外部弁当を利用者が実費購入する場合は対象外になる可能性がある)
- 食事の提供体制が整備されていること(厨房設備・調理員配置または委託先との契約等)
加算の詳細要件は告示の附則・解釈通知・指定権者の指導に従ってください。生活介護等の食事提供体制加算の規定を準用する形で定められており、短期入所専用の別規定ではありません。
令和9年3月31日が期限である理由
食事提供体制加算は、障害福祉サービスの報酬改定の経過措置として設けられた加算です。食事の費用は省令171号 第120条により実費として利用者から受け取ることができるため、将来的には「加算」として別途評価するのではなく、実費として収受する方向に移行していくことが想定されています。
令和9年3月31日以降の取り扱いについては、今後の報酬改定で決定されます。現時点では「令和9年3月31日まで算定できる」という経過措置の期限が設定されています。
令和9年度以降の運営計画を立てる際は、この加算がなくなった場合の収支影響を試算し、食事費用を実費として設定する場合の利用者への影響も含めて検討しておくことが重要です。
「実費」との違い
省令171号 第120条は、事業者が利用者から「食事の提供に要する費用」を実費として受け取ることを認めています。食事提供体制加算と実費の違いは次のとおりです。
| 項目 | 食事提供体制加算 | 実費(第120条) |
|---|---|---|
| 財源 | 障害福祉サービス費(公費)の一部として支払われる | 利用者が直接負担する(介護給付費の対象外) |
| 利用者の自己負担 | 1割負担の対象(低所得者は上限額あり) | 全額自己負担 |
| 上限 | 告示で定める単位数(48単位) | 実費の範囲内(別にこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定めるところによる) |
食事提供体制加算と実費は同時に設定できますが、重複して食事費を受け取ることのないよう、加算の趣旨と実費徴収の範囲を整理して運営規程に記載してください。
加算の算定漏れに注意
食事を提供しているにもかかわらず食事提供体制加算を算定していない事業所があります。加算の算定要件を満たしているか確認し、令和9年3月31日の期限内は算定漏れがないよう注意してください。加算を算定するためには、指定権者への届け出が必要な場合があります(指定権者によって異なります)。
短期入所の収支を試算できます。
▶ 短期入所 開業収支シミュレーター
あわせて読みたい
出典:令和3年厚生労働省告示第523号(障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の報酬の算定に関する基準)別表第7の1・指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第120条。当ページは法令の解説を目的としており、法的助言ではありません。最新の内容は指定権者(都道府県・市町村)にご確認ください。作成:2026年11月。


コメント