小規模多機能の開業前の収支試算は、こちらのシミュレーターをご利用ください。
小規模多機能型居宅介護(小規模多機能)と訪問介護は、どちらも在宅介護を支えるサービスですが、制度の構造が大きく異なります。開業を考えている方にとって、どちらを選ぶかは収益・人員・物件の面で重要な判断です。
この記事では、両サービスの制度上の違いを整理し、開業のしやすさという観点から比較します。
サービス内容の違い
| 項目 | 小規模多機能型居宅介護 | 訪問介護 |
|---|---|---|
| 提供形態 | 通い・訪問・宿泊の3つ | 訪問のみ |
| 報酬体系 | 月額定額制 | サービス時間・回数ごとの報酬 |
| 担当ケアマネ | 事業所内のケアマネが担当 | 居宅介護支援事業所のケアマネが担当 |
| 他サービスとの併用 | 制限あり(同種の他事業所との併用は原則不可) | 他サービスと組み合わせが可能 |
| 指定権者 | 市区町村(地域密着型) | 都道府県(居宅サービス) |
収益の仕組みの違い
小規模多機能:月額定額制
登録者1人あたりの介護報酬は要介護度に応じた月額定額です。要介護1であれば月額約107,000円、要介護5は月額約272,000円が基本です(地域区分・加算によって変わります)。
定額制のため、月に何回通いに来ても・何回訪問に行っても、1人あたりの収入は変わりません。登録者が増えれば収入は増えますが、サービス提供量が増えると職員の負担が増すという特性があります。
訪問介護:出来高払い
訪問介護は、1回の訪問ごとにサービス種別(身体介護・生活援助)と時間に応じた報酬が発生します。サービスを提供した分だけ収入になるため、稼働率を高めれば収入も増えます。ただし登録者が少ないと収入が少なく、人件費との逆転が起きやすい面があります。
開業のハードル比較
| 項目 | 小規模多機能型居宅介護 | 訪問介護 |
|---|---|---|
| 物件 | 通い・宿泊ができる専用スペースが必要 | 事務所のみ(小規模でよい) |
| 初期費用の目安 | 2,000万〜5,000万円以上(規模・物件による) | 数百万円〜1,000万円程度 |
| 看護師の確保 | 必要(または訪看との連携) | 不要 |
| ケアマネ資格 | 計画作成担当者として必要 | 不要 |
| 管理者要件 | 認知症介護経験3年+管理者研修修了 | サービス提供責任者(ヘルパー2級等) |
| 指定の窓口 | 市区町村 | 都道府県 |
どちらを選ぶか
一概にどちらが開業しやすいとは言えません。判断のポイントを整理すると:
小規模多機能に向いているケース
- 物件・資金が確保できる
- 認知症介護の経験者や看護師が確保できる見通しがある
- 月額定額で安定した収益基盤を作りたい
- 地域密着の「顔の見えるケア」をしたい
訪問介護に向いているケース
- 初期費用を抑えて始めたい
- ヘルパーの確保は見込めるが物件や看護師の確保が難しい
- まず小さく始めて、徐々に規模を拡大していきたい
訪問介護から始め、利用者と職員の基盤ができたところで小規模多機能への転換・新設を検討するというルートも、実際には行われています。
小規模多機能の収支を事前に確認する
どちらのサービスを選ぶか迷っている段階でも、小規模多機能の収支を具体的な数字で確認することで、判断の材料になります。
登録者数・要介護度の構成・地域区分・職員数を入力して収支を試算できます。


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