小規模多機能型居宅介護は儲かるか。全国の収支差率と損益分岐点。

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自分の事業所で損益分岐点がどこになるか、試算したい方はこちらをご利用ください。

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小規模多機能型居宅介護は、通い・訪問・宿泊を一体で提供するサービスです。利用者の生活を継続的に支えるという役割がある一方で、収益面では厳しい面もあります。

この記事では、厚生労働省の調査データをもとに、全国の収支差率の実態と損益分岐点の考え方を整理します。

全国の収支差率:厚生労働省の調査から

厚生労働省が毎年実施している「介護事業経営実態調査」(令和4年度決算分・2023年調査)によると、小規模多機能型居宅介護の収支差率は次のとおりです。

区分 収支差率
小規模多機能型居宅介護(全体) 2.7%

出典:厚生労働省「令和4年度介護事業経営実態調査」(2023年)

収支差率とは、収益に対する利益の割合のことです(収支差額÷収益×100)。2.7%は、収益100円に対して利益が2.7円ということを意味します。

これは他の介護保険サービスと比べても低い水準の一つです。小規模多機能は、人員の配置基準が厚いことと、月額定額制のため稼働率の影響を受けやすいことが、収益性の低さの背景にあります。

収支差率が低くなりやすい理由

1. 人員配置のコストが高い

小規模多機能は、通い・訪問・宿泊の3つのサービスを24時間体制で提供するため、夜間勤務も含めた人員が必要です。人件費が収益の大半を占め、収益率が上がりにくい構造です。

省令(指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準・第64条)では、通いサービスの提供時間帯は常時2名以上(うち1名は看護師等)の配置が義務付けられています(夜間の宿泊サービス提供時は別途必要)。

2. 登録者が少ない段階では赤字になりやすい

月額定額制のため、登録者が少ない開業初期は固定費に収入が追いつかず、赤字になる月が続きます。定員29人に対し、何人から黒字になるかが重要です。

3. 要支援の割合が多い場合は収益が低くなる

要支援1の月額報酬(3,450単位・34,500円程度)と要介護5(27,209単位・272,090円程度)では、1人あたりの収入に約8倍の差があります。利用者の要介護度の構成が、そのまま月額収入の水準に影響します。

損益分岐点の考え方

損益分岐点とは、収入と費用が等しくなる点、つまり「黒字になるぎりぎりの登録者数・稼働率」のことです。

月の固定費が200万円の事業所で、利用者1人あたりの月額収入(加算込みの平均)が15万円だとした場合:

  • 損益分岐点 = 200万円 ÷ 15万円 = 約13.3人

定員29人に対して14人以上の登録があれば、この条件では黒字になります。

ただし、実際には:

  • 要介護度の構成によって1人あたりの収入が変わる
  • 稼働率が上がるにつれて変動費(消耗品・食材費など)も増える
  • 介護報酬の入金は翌々月のため、資金繰りのズレがある

これらを合わせて試算することが、現実的な収支の把握につながります。

経営を安定させるためのポイント

稼働率を早期に高める

開業後の最優先課題は、登録者を増やすことです。地域の包括支援センターやケアマネジャーへの営業、地域住民への周知活動が有効です。損益分岐点を超えるまでの期間をなるべく短くすることが、経営の安定につながります。

処遇改善加算を取得する

処遇改善加算Ⅰを取得している事業所は、基本報酬に14.9%が上乗せされます。加算を取得しないと収入が約15%少なくなります。算定要件を満たすための体制整備(賃金改善計画書の提出・キャリアパスの整備など)は、開業前に準備しておくことが重要です。

要介護3以上の利用者を中心にする

要介護度が高い方は月額報酬も高く、通い・宿泊の利用も安定しやすい傾向があります。ただし、支援の難易度が高くなるため、職員の技術と人員体制の両面が必要です。

実際の損益分岐点を試算する

事業所の規模・要介護度の構成・職員数・地域区分を入力すると、損益分岐点を確認できます。

無料でお試しいただけます。Pro版(9,800円)では3年分の月次推移と印刷が可能です。

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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