危険物甲種の性質消火(性消)は20問出題され、合格ラインは12問以上(60%)です。第1〜6類すべての性質・貯蔵・消火方法が対象で、乙4の性消(第4類のみ10問)の2倍の出題数です。類ごとに「主な性質」「特有の危険性」「適切な消火方法」を整理して覚えることが攻略の基本です。
甲種性消の出題構成
甲種の性消20問は、第1〜6類を対象とします。乙4で学ぶ第4類の知識は活かせますが、第2・3・5・6類は甲種で新たに学ぶ必要があります。第1類も乙4ではほぼ出ないため、実質的に5類分を追加で覚えることになります。
| 類 | 名称 | 状態 | 乙4保有者の対応 |
|---|---|---|---|
| 第1類 | 酸化性固体 | 固体 | 追加学習が必要 |
| 第2類 | 可燃性固体 | 固体 | 追加学習が必要 |
| 第3類 | 自然発火性・禁水性物質 | 固体または液体 | 追加学習が必要 |
| 第4類 | 引火性液体 | 液体 | 乙4の知識で対応可 |
| 第5類 | 自己反応性物質 | 固体または液体 | 追加学習が必要 |
| 第6類 | 酸化性液体 | 液体 | 追加学習が必要 |
出典:危険物の規制に関する政令別表第1
第1類 酸化性固体の性質と消火
第1類は加熱・衝撃・摩擦によって酸素を放出し、可燃物と混合すると激しく燃焼または爆発します。物質自体は不燃性です。
- 主な品名:塩素酸塩類(塩素酸カリウム)・過塩素酸塩類・硝酸塩類(硝酸カリウム)・無機過酸化物・亜塩素酸塩類等
- 特有の危険性:単独では燃えないが、可燃物と混ぜると爆発的に燃焼。加熱で酸素ガスを放出
- 消火方法:大量の水で冷却・希釈(注水消火)。乾燥砂も有効
- 禁止事項:可燃物との混合厳禁。有機物・還元性物質との接触禁止
第2類 可燃性固体の性質と消火
第2類は比較的低温で着火しやすい固体です。粉末状の物質は粉じん爆発の危険があります。
- 主な品名:硫化りん・赤りん・硫黄・鉄粉・金属粉(マグネシウム粉等)・引火性固体
- 特有の危険性:粉じん爆発。金属粉は水と反応して水素ガスを発生(マグネシウム・亜鉛等)
- 消火方法:乾燥砂・水(マグネシウム・金属粉は注水厳禁)。硫黄・赤りんは水・泡が有効
- 重要な例外:マグネシウムは水と反応して水素を発生し燃焼が激化するため、注水はしない。乾燥砂で窒息消火
第3類 自然発火性・禁水性物質の性質と消火
第3類は「自然発火性」「禁水性」またはその両方を持ちます。空気や水と激しく反応するため、取扱いに特別な注意が必要です。
- 主な品名:カリウム・ナトリウム・アルキルアルミニウム・黄りん・炭化カルシウム(カーバイド)等
- 禁水性(水NG):カリウム・ナトリウム・アルキルアルミニウム等。水と反応して水素(またはアセチレン)を発生し発火
- 自然発火性:黄りんは空気中で自然発火するため水中保存が必要
- 消火方法:乾燥砂・膨張ひる石・膨張真珠岩。水・泡・CO2・粉末消火剤は使用禁止
黄りんと赤りんの違いに注意:黄りん(第3類・自然発火性)は水中保存が必要。赤りん(第2類・可燃性固体)は水中保存不要。
第5類 自己反応性物質の性質と消火
第5類は物質自体に酸素を含み、外部から酸素を供給しなくても燃焼・爆発します。加熱・衝撃・摩擦で爆発の危険があります。
- 主な品名:有機過酸化物・硝酸エステル類(ニトログリセリン・硝酸メチル等)・ニトロ化合物・ニトロソ化合物・アゾ化合物・ジアゾニウム塩等
- 特有の危険性:自己燃焼(外部の酸素なしで燃焼)。爆轟の危険があるものも
- 消火方法:大量の水で冷却(注水冷却)。窒息消火は効果が低い(自己燃焼するため酸素遮断が無意味)
- 重要な注意:CO2・粉末消火剤は効果が低い。大量注水が基本
第6類 酸化性液体の性質と消火
第6類は不燃性の液体ですが、強い酸化力を持ち可燃物と接触すると燃焼を促進します。腐食性・毒性も強いです。
- 主な品名:過塩素酸・過酸化水素・硝酸・発煙硫酸・ハロゲン間化合物
- 特有の危険性:物質自体は不燃性。ただし可燃物に触れると激しく燃焼を促す。腐食性・有毒ガス発生の危険
- 消火方法:大量の水で希釈・冷却。ただし過塩素酸・硝酸等は水と反応して発熱するため、流出した液には大量の水で希釈しながら消火
- 保護:防護服・保護眼鏡の着用が必要
類別の消火方法まとめ
| 類 | 有効な消火方法 | 禁止・使用不可 |
|---|---|---|
| 第1類(酸化性固体) | 大量注水・乾燥砂 | —(水は基本有効) |
| 第2類(可燃性固体) | 乾燥砂・水(品名による) | マグネシウム・金属粉は注水禁止 |
| 第3類(禁水・自然発火) | 乾燥砂・膨張ひる石 | 水・泡・CO2・粉末(すべて禁止) |
| 第4類(引火性液体) | 泡・CO2・粉末・水噴霧 | 棒状注水 |
| 第5類(自己反応性) | 大量注水(冷却) | CO2・粉末(効果低い) |
| 第6類(酸化性液体) | 大量注水(希釈・冷却) | —(大量水が基本) |
第3類の「水・泡・CO2・粉末のすべて禁止、乾燥砂のみ有効」という特徴は頻出です。
性消の攻略ポイント
- 「注水できる類」と「注水禁止の類」を先に仕分ける:第3類(全禁止)・第2類の金属粉(禁止)が例外。その他はおおむね注水可
- 第1・6類は「不燃性だが危険」という軸で整理する:自分は燃えないが可燃物への引火を促進するという共通点がある
- 第5類は「自己燃焼するので酸素遮断が無意味」という特徴を覚える:CO2・粉末が効かない理由に直結する
- 黄りんと赤りんは混同注意:類が違う(第3類vs第2類)・保存方法も違う(水中vsそのまま)
この記事について
掲載情報は危険物の規制に関する政令別表第1および危険物の規制に関する規則の内容に基づいています。消防試験研究センター(https://www.shoubo-shiken.or.jp/)の受験案内も参照してください。
作成:fufumumu_design 最終更新:2026年11月

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