危険物第2類(可燃性固体)の性質と消火方法|マグネシウム注水禁止の理由と試験対策

危険物第2類(可燃性固体)は、比較的低温で着火しやすい固体危険物です。粉末状の金属(マグネシウム・鉄粉・金属粉)は粉じん爆発の危険があります。第2類の最大の注意点は、マグネシウムなどの金属粉に水をかけてはいけないことです(水素ガスを発生して燃焼が激化)。甲種の性消でよく問われるポイントを整理します。

第2類 可燃性固体の定義と共通性質

第2類は「着火しやすい固体」または「着火した際の燃焼が激しい固体」として危険物令別表第1に定められています。

  • 固体危険物:すべて固体(液体状のものも引火性固体として含む)
  • 比較的低い温度で着火:乾燥すると着火しやすくなる品名が多い
  • 粉末状は危険:粒子が細かいほど表面積が大きくなり、粉じん爆発の危険が増す
  • 水との反応(品名による):マグネシウム・金属粉は水と反応して水素を発生

出典:危険物の規制に関する政令別表第1

主な品名の一覧と特徴

品名 代表物質 状態・色 特有の危険性
硫化りん 五硫化りん(P₂S₅)・三硫化りん 黄色の固体 水・酸と反応して硫化水素(有毒ガス)を発生
赤りん 赤りん(P) 赤褐色の粉末 280℃以上で発火。黄りん(第3類)とは別物
硫黄 硫黄(S) 黄色の固体・粉末 粉じん爆発の危険。燃焼で二酸化硫黄(有毒ガス)発生
鉄粉 鉄粉(Fe) 灰色の粉末 目開き53μmの網ふるいを通過するものが50%以上のものが危険物に該当。水・酸と反応して水素発生
金属粉 アルミニウム粉・亜鉛粉等 灰白色の粉末 水・酸と反応して水素発生。粉じん爆発の危険
マグネシウム マグネシウム(Mg) 銀白色の固体・粉末 水と反応して水素発生・発熱。CO2・ハロゲン化物と反応
引火性固体 固形アルコール・ラッカーパテ等 固体 引火点40℃未満の固体。火気に注意

出典:危険物の規制に関する政令別表第1

指定数量

分類 指定数量 対象品名
第1種可燃性固体 100kg 硫化りん・赤りん・硫黄
第2種可燃性固体 500kg 鉄粉・金属粉・マグネシウム
引火性固体 1,000kg 引火性固体

出典:危険物の規制に関する政令別表第3

マグネシウムは注水厳禁

甲種の試験で頻出な「第2類で注水できない品名」の代表がマグネシウムです。

  • マグネシウムと水の反応:Mg + 2H₂O → Mg(OH)₂ + H₂↑(水素ガス発生)
  • 水素ガスは可燃性のため、注水するとかえって火災が激化する
  • CO2・ハロゲン化物消火剤もマグネシウムと反応するため使用禁止
  • 有効な消火方法:乾燥砂・膨張ひる石での窒息消火

鉄粉・金属粉(アルミニウム粉・亜鉛粉)も同様に水と反応して水素を発生するため、注水は禁止です。

赤りんと黄りんの違い(甲種頻出)

赤りんと黄りんは同じ「りん」の元素ですが、類が異なります。試験でよく問われます。

項目 赤りん(第2類) 黄りん(第3類)
類 第2類(可燃性固体) 第3類(自然発火性・禁水性)
色 赤褐色 白〜黄色(淡黄色)
自然発火 しない(通常条件) する(空気中で自然発火)
保存方法 乾燥した場所(密封保管) 水中保管(空気遮断)
毒性 比較的低毒 猛毒
消火方法 水・泡が有効 乾燥砂(水は量を加減)

硫黄の重要ポイント

  • 融点が約113℃と低く、加熱で液体になる(蒸気も引火性あり)
  • 燃焼すると二酸化硫黄(SO₂)を発生→有毒ガスのため換気が重要
  • 粉砕すると粉じん爆発の危険がある
  • 消火方法:水・泡(注水有効)

硫化りんの危険性

  • 水・湿気と反応して硫化水素(H₂S)を発生→硫化水素は有毒で燃焼性もある
  • 乾燥した場所での保管が必要
  • 消火方法:乾燥砂(水は硫化水素発生の危険)

貯蔵・取扱いの注意点

  • 火気・加熱を避ける:着火源となるものを近づけない
  • 粉末の飛散防止:粉じん爆発防止のため換気・静電気対策が重要
  • 水との接触を避ける(金属粉類):マグネシウム・鉄粉・金属粉は湿気・水分を避ける
  • 酸化剤との混合禁止:第1類との混載は原則禁止

消火方法まとめ

品名 有効な消火方法 禁止・注意
赤りん・硫黄 水・泡・乾燥砂 燃焼ガス(SO₂等)に注意
硫化りん 乾燥砂 注水は硫化水素発生の危険
マグネシウム・金属粉・鉄粉 乾燥砂・膨張ひる石 水・CO2・ハロゲン消火剤は禁止
引火性固体 泡・CO2・粉末・水 気化したガスへの対応

この記事について

掲載情報は危険物の規制に関する政令別表第1・第3に基づいています。消防試験研究センター(https://www.shoubo-shiken.or.jp/)の受験案内も参照してください。

作成:fufumumu_design 最終更新:2026年11月

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