危険物甲種の法令は15問出題され、合格ラインは9問以上(60%)です。乙4の法令と出題範囲がほぼ重なるため、乙4合格者にとって得点しやすい科目です。製造所等の種類(12種)・設置変更許可・保安距離・保有空地・保安組織・定期点検が頻出テーマです。乙4にはない「危険物保安統括管理者」の制度も確認が必要です。
甲種法令と乙4法令の出題範囲の違い
甲種の法令15問は、乙4の法令15問とほぼ同じ範囲から出題されます。乙4で法令をしっかり学んだ方は、甲種の法令は比較的短時間で仕上げられます。
| テーマ | 甲種 | 乙4 |
|---|---|---|
| 消防法の目的・危険物の定義 | 出題あり | 出題あり |
| 製造所等の種類(12種) | 出題あり | 出題あり |
| 設置・変更許可・仮使用・完成検査 | 出題あり | 出題あり |
| 保安距離・保有空地 | 出題あり | 出題あり |
| 保安監督者・定期点検・危険物保安員 | 出題あり | 出題あり |
| 危険物保安統括管理者 | 出題あり(甲種で重要) | 出題少なめ |
| 運搬・移送基準 | 出題あり | 出題あり |
| 措置命令・行政手続き | 出題あり | 出題あり |
出典:消防法・危険物の規制に関する政令・危険物の規制に関する規則
製造所等の種類(12種)は確実に覚える
危険物を扱う施設は「製造所等」と呼ばれ、3区分12種類に分類されます。甲種の法令では分類の判断問題が出ます。
| 区分 | 施設の種類 |
|---|---|
| 製造所(1種) | 製造所 |
| 貯蔵所(7種) | 屋内貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・屋内タンク貯蔵所・地下タンク貯蔵所・簡易タンク貯蔵所・移動タンク貯蔵所・屋外貯蔵所 |
| 取扱所(4種) | 給油取扱所・販売取扱所・移送取扱所・一般取扱所 |
出典:消防法第10条
「取扱所4種」と「貯蔵所7種」の違いは頻出です。ガソリンスタンドは給油取扱所(取扱所)、タンクローリーは移動タンク貯蔵所(貯蔵所)です。
保安距離と保有空地は数字で覚える
保安距離は製造所等から特定の施設(住宅・学校等)までの最低距離です。保有空地は製造所等の周囲に設けなければならない空地です。
保安距離の基準(危険物の規制に関する政令第9条)
| 対象施設 | 保安距離 |
|---|---|
| 学校・病院・劇場等(多数の人が集まる施設) | 30m以上 |
| 住宅(一般の住居) | 10m以上 |
| 重要文化財・史跡等 | 50m以上 |
| 高圧ガス施設(第1種) | 20m以上 |
| 高圧ガス施設(第2種) | 10m以上 |
出典:危険物の規制に関する政令第9条・第11条
保安距離が必要な施設は「製造所・屋内貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・屋外貯蔵所・一般取扱所」の5種類です(危険物令第9条)。給油取扱所・移動タンク貯蔵所等には保安距離は適用されません。
保安組織:保安監督者・保安統括管理者・保安員
甲種の法令で乙4と異なる重要ポイントが「危険物保安統括管理者」です。
保安に関する職の種類と選任条件
| 職種 | 選任が必要な施設 | 要件 |
|---|---|---|
| 危険物保安監督者 | 製造所等(政令で定める施設) | 甲種または乙種免状保有+実務経験6ヶ月以上 |
| 危険物保安統括管理者 | 指定数量の3,000倍以上を製造・貯蔵・取扱いする施設 | 資格要件なし(事業所の役員等が対象) |
| 危険物施設保安員 | 大規模施設(政令で定める) | 要件なし(事業者が選任) |
出典:消防法第13条・第14条の2・第14条の3
甲種免状は「すべての類」の危険物保安監督者に選任できます。乙4は第4類だけです。この違いは甲種の価値を示す重要なポイントとして問題に出やすいです。
定期点検の義務
一定の製造所等は定期点検(年1回以上)が義務づけられています。点検は危険物取扱者が自ら行うか、危険物取扱者の立会いのもとで行います(消防法第14条の3の2)。地下タンク貯蔵所・移動タンク貯蔵所・特定の屋外タンク貯蔵所などが対象です。記録は3年間保存する義務があります。
設置・変更許可のフロー
製造所等を新設または変更する場合は市町村長等(消防長・消防署長)の許可が必要です(消防法第11条)。
- 許可申請(設置・変更の内容)
- 市町村長等による審査・許可
- 設置・変更工事の実施
- 完成検査(市町村長等)
- 完成検査済証の交付
- 使用開始
「仮使用」は完成検査前でも一定条件のもと使用できる制度です(消防法第11条の5)。試験では仮使用の条件が出ることがあります。
法令の攻略ポイント
- 乙4の知識は最大限活用する:法令の出題テーマは乙4とほぼ同じ。乙4テキストの法令章で復習する
- 保安統括管理者を追加で覚える:乙4で学びにくい「3,000倍以上の施設」への選任義務を覚える
- 数字は正確に:保安距離(住宅10m・文化財50m等)・定期点検の記録保存(3年)は正確な数字で覚える
- 甲種免状の特権を意識する:「全類の保安監督者に選任できる」点が試験でも問われる
この記事について
掲載情報は消防法・危険物の規制に関する政令・危険物の規制に関する規則に基づいています。法令は改正されることがあるため、受験申込前に消防試験研究センター(https://www.shoubo-shiken.or.jp/)の最新受験案内で確認してください。
作成:fufumumu_design 最終更新:2026年11月

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