就労移行支援と就労定着支援の連携。退所後6か月の支援義務を省令で確認する。

就労移行支援と就労定着支援の連携。退所後6か月の支援義務を省令で確認する。 就労移行支援





就労移行支援と就労定着支援の連携。退所後6か月の支援義務を省令で確認する。


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就労移行支援事業者は、利用者が就職した日から6か月以上、職業生活における相談等の支援を継続しなければなりません(障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準・省令174号 第68条第1項)。「努める」ではなく「継続しなければならない」義務です。利用者が就労定着支援の利用を希望する場合には、速やかに就労定着支援事業者との連絡調整を行う義務もあります(同条第2項)。

退所後6か月以上の定着支援は義務(省令174号第68条)

省令174号第68条第1項は次のように定めています。

「就労移行支援事業者は、利用者の職場への定着を促進するため、障害者就業・生活支援センター等の関係機関と連携して、利用者が就職した日から六月以上、職業生活における相談等の支援を継続しなければならない。」

重要な点は3つあります。

  • 「六月以上」:就職した日から少なくとも6か月間は継続義務がある
  • 「継続しなければならない」:努力義務ではなく義務
  • 「障害者就業・生活支援センター等の関係機関と連携して」:単独で行う必要はなく、関係機関と協力して実施する

就職後の支援は、就労移行支援を退所した後も続く業務です。利用者が退所して働き始めても、事業所として6か月間は関わり続ける義務があります。

就労定着支援への連絡調整も義務(省令174号第68条第2項)

省令174号第68条第2項は次のように定めています。

「就労移行支援事業者は、利用者が、指定就労定着支援の利用を希望する場合には、前項に定める支援が終了した日以後速やかに指定就労定着支援を受けられるよう、指定就労定着支援事業者との連絡調整を行わなければならない。」

「前項に定める支援が終了した日以後速やかに」という表現は、就職後6か月の支援が終了する時点を念頭においています。利用者が就労定着支援を希望している場合、6か月の支援終了前から就労定着支援事業者と連絡を取り、スムーズに引き継げるよう調整する必要があります。

就労定着支援とは

就労定着支援は、就労移行支援等を経て一般就労した障害者を対象に、就業に伴う生活面の課題に対応するための相談・支援を行う障害福祉サービスです(省令171号第206条の2以下)。

就労定着支援の主な内容は次のとおりです。

  • 職場への定着に向けた面談・相談支援
  • 職場や関係機関との連絡調整
  • 就業に伴う生活面の課題(体調管理・金銭管理・人間関係等)への支援

就労定着支援の利用期間の上限は施行規則等で定められています。就職後6か月の移行支援期間が終了した後に就労定着支援を利用開始できるため、就職からの全体的な支援期間は移行支援6か月+就労定着支援の利用期間となります。詳細は指定相談支援事業者や各都道府県に確認してください。

就労移行支援と就労定着支援の役割分担

就職後の支援機関の役割分担を時系列で整理します。

期間 主な支援機関 根拠
就職日〜6か月 就労移行支援事業者(義務) 省令174号第68条第1項
6か月経過後〜(就労定着支援の利用期間) 就労定着支援事業者(希望者) 省令171号第206条の2以下

就労移行支援の支援が終わるタイミングで、希望する利用者には就労定着支援へのスムーズな移行を支援することが求められます。

6か月の定着支援と基本報酬の関係

就労移行支援の基本報酬は「就労定着者の割合」によって7段階に分かれます(告示523号別表第12の1)。就労定着者の割合を計算する「就労定着者」は「前年度と前々年度に就労継続6か月に達した者」です。

省令174号第68条の6か月支援義務を実質的に果たし、利用者の職場定着を支援することが、基本報酬の割合を高く維持することにもつながります。定着支援は義務である以上に、事業所の収入を左右する重要な業務です。

6か月の支援の具体的な内容

省令174号第68条では「職業生活における相談等の支援」という表現にとどまり、具体的な内容は規定されていません。実務上は次のような支援が行われています。

  • 定期的な電話・メール・訪問による状況確認
  • 職場環境・人間関係の課題に関する相談対応
  • 必要に応じた職場訪問・職場担当者との調整
  • 体調変化・服薬管理・生活リズム等の相談

「継続しなければならない」という義務のため、記録に残しておくことが重要です。事業所の実地指導では、退所後の定着支援の記録の有無が確認される場合があります。

就労定着支援を利用しない場合の対応

就労定着支援は「希望する場合」に連絡調整する義務です(省令174号第68条第2項)。利用者が就労定着支援を希望しない場合は、連絡調整の義務は発生しませんが、6か月の継続支援義務(同条第1項)は残ります。

なお、就労定着支援を提供する指定事業者への連絡調整は、就労移行支援事業者自身が就労定着支援の指定を受けていない場合でも行う必要があります。自事業所で就労定着支援を提供できる場合は、引き続き同一事業者が支援を継続する形も可能です。

関係機関との連携の重要性

省令174号第68条第1項では「障害者就業・生活支援センター等の関係機関と連携して」支援を行うことが明記されています。就労移行支援事業所単独ですべての支援を担うのではなく、地域の支援機関(障害者就業・生活支援センター・ハローワーク・障害者職業センター等)と連携することが前提です。

連携する関係機関と事前に関係を構築しておくことで、利用者の就職後に速やかに支援体制を整えることができます。

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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