短期入所の虐待防止研修は、年1回以上が義務
短期入所の虐待防止研修は、年1回以上の実施が義務づけられている。研修とあわせて、虐待防止委員会の設置も義務となっている。
根拠は国の解釈通知(障発第1206001号・最終改正 令和7年3月31日)「第七の3の(11)」。障害者虐待防止法(平成23年法律第79号)とあわせて確認する必要がある。
義務づけられている内容
| 義務の内容 | 頻度・補足 |
|---|---|
| 虐待防止委員会の設置・開催 | 定期的に(概ね年1回以上) |
| 研修の実施 | 年1回以上・新規採用時にも実施 |
| 虐待防止責任者の選任 | 専任でなく兼務可 |
| 相談・報告体制の整備 | 通報窓口・連絡先の明示 |
出典:厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」(障発第1206001号・最終改正 令和7年3月31日)第七の3の(11)/障害者虐待防止法
短期入所で特に注意が必要な点
短期入所は、利用者が宿泊する形態のサービスだ。利用者が自宅を離れ、夜間・深夜も施設内で生活する環境であることから、虐待が発生しやすいリスク要因が通所型サービスと異なる。
夜間・深夜帯の対応
夜勤帯は職員数が少なくなり、管理者の目が届きにくい状況になる。疲弊・睡眠不足の状態での対応が続くと、身体的虐待や心理的虐待が発生するリスクが高まる。夜間帯に起こりやすい虐待の場面を研修で具体的に取り上げておくことが重要だ。
家族と離れた環境での利用者の権利
短期入所の利用者は、家族から離れて宿泊している。利用者が自ら権利侵害を訴える手段が限られる環境でもある。利用者が相談しやすい体制(相談窓口・匿名通報の手段)を整備し、その存在を利用者・家族に知らせることが必要だ。
身体拘束の禁止と例外規定
短期入所では、緊急時の安全確保を理由に身体拘束を求められる場面が生じることがある。身体拘束は原則禁止であり、例外的に認められる3要件(切迫性・非代替性・一時性)と、記録義務・家族への説明義務を研修で確認しておく必要がある。
研修で確認する内容
年1回以上の研修で確認すべき主な内容は次のとおりだ。
- 虐待の定義と5種類の具体例(特に短期入所で起きやすい場面を中心に)
- 身体拘束の禁止と3要件・記録義務
- 夜間帯の対応で虐待が起きやすい場面の確認
- 虐待を発見・疑った場合の通報先(市町村・都道府県)と手順
- 利用者が相談できる窓口の確認
委員会と研修の記録の整備
虐待防止委員会の開催記録・研修の実施記録は2年間保存する。運営指導では次の書類が確認される。
- 虐待防止委員会の開催記録(日時・参加者・議題・決定事項)
- 研修の実施記録(日時・参加者・内容・アンケート等)
- 虐待防止責任者の選任記録
- 身体拘束の廃止に向けた取り組み記録(身体拘束を行った場合は記録・報告書)
ツールで記録様式と研修資料をまとめて用意する
短期入所の法定研修の資料・確認テスト・委員会の議題案・訓練の記録様式がまとまったキットを用意している。

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