放課後等デイサービスの定員と収益の関係。定員10人と15人の収支比較。

放課後等デイサービスの定員と収益の関係。定員10人と15人の収支比較。 放課後等デイサービス・児童発達支援

放課後等デイサービスの収入は「定員×稼働率×基本報酬単位数×地域単価」で決まるため、定員を増やすと上限収入が大きくなる一方で、人件費・物件費も増えます。この記事では、定員5人・10人・15人・20人の4パターンで月収入の上限と必要な人員を比較し、定員を選ぶ際の収支上の考え方を整理します。

すぐにご利用されたい方は、こちらからどうぞ。
▶ 放課後等デイサービス 収支シミュレーター

定員が大きいほど収入の上限は大きくなるが、費用も増える

放課後等デイサービスの月収入の上限は、定員が満員(稼働率100%)のときの収入で決まります。定員を増やすと収入の上限は大きくなりますが、それに合わせて必要な直接支援職員の人数も増えるため、人件費・物件の広さ・設備費も増加します。

定員別の月収入の上限(時間区分2・609単位・その他地域・1単位10.00円・月22日・稼働率100%)と必要な直接支援職員の最低人数を比較します。

定員別の月収入上限と最低人員(基本報酬のみ・稼働率100%・時間区分2・その他地域)
定員 月収入の上限(基本報酬のみ) 直接支援職員の最低人数
5名 約67万円(609×10×5×22) 2人以上
10名 約134万円 2人以上
15名 約201万円 3人以上
20名 約268万円 4人以上

出典:人員基準は厚生労働省「指定通所支援の人員、設備及び運営に関する基準」(省令174号)。基本報酬単位数は平成24年厚生労働省告示第122号(令和8年こども家庭庁告示第5号改正後)。

定員5人と定員10人では直接支援職員の最低人数が同じ「2人以上」です。定員10人は最も一般的な開業規模であり、全国平均もこの水準と一致しています(令和5年経営実態調査・定員10人・職員5.0人)。

定員5名と10名の違い:収入の差と人員の差

定員5名と定員10名は、いずれも直接支援職員2名以上という同じ最低人員基準が適用されます。つまり、人件費の構造は同じままで収入が2倍近く変わる関係にあります。

定員5名で開業する主な理由としては、「小さな物件から始めたい」「利用する子どもの人数が限られている地域」などが挙げられます。一方で、定員5名では収入の上限が低いため、損益分岐の稼働率が高くなりやすく、経営の余裕が少ない構造になります。

人件費の固定費が同じなら、定員10名のほうが稼働率が同一でも収入が大きく、収支上の余裕が生まれやすいといえます。

定員10名と15名の違い:収入増加と人件費増加のバランス

定員を10名から15名に増やすと、月収入の上限は約134万円から約201万円へと約67万円増えます。一方で、直接支援職員の最低人数が「2人以上」から「3人以上」に増えるため、人件費が1人分増加します。

1人分の人件費(給与・社会保険料含む)を月25万〜30万円と仮定すると、人件費の増加は月25〜30万円です。収入の増加(67万円)が人件費の増加(25〜30万円)を上回るため、稼働率が一定以上であれば定員を増やすことで収益性が改善する可能性があります。ただし、物件の広さ・内装工事費・送迎の体制整備なども費用として加わります。

定員と稼働率の関係:稼働率が同じでも定員によって収入額が変わる

「稼働率80%」といっても、定員10名では1日8名・定員20名では1日16名の利用になります。利用者の確保が難しい地域・開設初期では、実際の利用者数(絶対数)が定員の割合に関わらず少ないことがあります。

定員を大きく設定しすぎると、実際の利用者が少ない時期に稼働率が下がって赤字幅が拡大する可能性があります。地域の需要(潜在的な利用者数)・競合事業所の定員・自分の事業所の集客力をあわせて考慮して定員を設定することが重要です。

加算を組み合わせると、定員10名でも月200万円以上の収入を目指せる

基本報酬だけでなく、加配加算・送迎加算・処遇改善加算を組み合わせることで、定員10名でも月収入を大きく増やせます。

定員10名・稼働率85%・時間区分2・その他地域・送迎加算(往復・全員)・加配加算(経験5年以上常勤専従・187単位)・処遇改善加算Ⅰイ(15.5%)を組み合わせた場合の月収入の概算は次のとおりです。

加算込みの月収入試算(定員10名・稼働率85%・月22日・時間区分2・その他地域)
内訳 月収入(概算)
基本報酬(609単位×10.00円×8.5人×22日) 約113万8,000円
加配加算(187単位×10.00円×8.5人×22日) 約34万9,000円
送迎加算(108単位×10.00円×8.5人×22日) 約20万2,000円
小計(処遇改善加算の対象) 約168万9,000円
処遇改善加算Ⅰイ(15.5%) 約26万2,000円
合計 約195万1,000円

加算の組み合わせ次第では、定員10名で月200万円近い収入になります。定員を増やすことだけが収益改善の手段ではなく、加算の取得・稼働率の向上の組み合わせが重要です。

定員の変更は開業後にも申請できる

開業時の定員は指定申請時に届け出るものですが、その後の変更も申請によって可能です。ただし、定員を増やす場合は物件の面積基準(定員×2.47m²)と人員基準を同時に満たす必要があります。内装工事・採用が伴う場合は、増員・工事の準備期間を見込んで申請スケジュールを組む必要があります。

定員と収支の試算はシミュレーターで確認できる

収支シミュレーターでは定員を入力値として設定でき、定員が変わると月収入・損益分岐の稼働率・必要な運転資金の見通しがどう変わるかを確認できます。定員5名・10名・15名を比較した試算をしておくことで、自分の開業計画に合った定員の目安が見えてきます。

すぐにご利用されたい方は、こちらからどうぞ。
▶ 放課後等デイサービス 収支シミュレーター

あわせて読みたい


作成者:fufumumu_design 作成日:2026-11-01
【出典】
・厚生労働省「指定通所支援の人員、設備及び運営に関する基準」(省令174号)
・平成24年厚生労働省告示第122号(令和8年こども家庭庁告示第5号改正後)
・厚生労働省「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査結果」第26表(放課後等デイサービス・令和4年度決算・有効回答485事業所)
本記事の内容は情報提供を目的としたものです。定員の設定・変更・収支の詳細は、指定権者および専門家にご確認ください。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

ご質問はメールで。電話・面談はしていません。

fufumumu_designをフォローする
放課後等デイサービス・児童発達支援福祉事業の開業と運営
fufumumu_designをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました