就労移行支援の個別支援計画。作成義務と見直し頻度を省令から整理する。

就労移行支援の個別支援計画。作成義務と見直し頻度を省令から整理する。 就労移行支援





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就労移行支援の「個別支援計画(就労移行支援計画)」は、サービス管理責任者が作成する義務があります(障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準・省令174号 第70条・第17条)。見直しは少なくとも3か月に1回(他の多くの障害福祉サービスは6か月)。作成・見直しが行われていない場合は減算の対象となります。この記事では、省令174号の条文を基に作成義務・手順・見直し頻度を整理します。

就労移行支援計画の作成はサービス管理責任者の業務

省令174号第70条は、就労移行支援の事業について第17条(個別支援計画の作成等)を準用することを定めています。第17条第1項では「事業所の管理者は、サービス管理責任者に〔就労移行支援〕計画の作成に関する業務を担当させるものとする」と規定されています。

就労移行支援計画は、省令174号第3条が定める「個別支援計画」の一種です。第3条は「障害福祉サービス事業者は、利用者の意向・適性・障害の特性その他の事情を踏まえた計画(個別支援計画)を作成し、これに基づき利用者に対して障害福祉サービスを提供するとともに、その効果について継続的な評価を実施すること」と定めています。計画なしにサービスを提供することはできません。

作成の手順は6ステップ

省令174号第17条(就労移行支援は第70条で準用)が定める作成手順は次のとおりです。

1. アセスメント(本人面接)

サービス管理責任者は、利用者の有する能力・環境・日常生活全般の状況等を評価し、利用者の希望する生活や課題を把握します(第17条第2項)。アセスメントは必ず利用者に面接して行わなければなりません(第17条第4項)。

利用者が自ら意思を決定することに困難を抱える場合には、意思決定の支援を適切に行うため、利用者の意思・選好・判断能力等を丁寧に把握することが必要です(第17条第3項)。

2. 計画原案の作成

サービス管理責任者は、アセスメントの結果に基づき、利用者の生活に対する意向・総合的な支援の方針・就労移行支援の目標とその達成時期・サービスを提供する上での留意事項等を記載した計画の原案を作成します(第17条第5項)。他の保健医療サービス・福祉サービスとの連携も計画原案に位置づけるよう努めます。

3. 担当者会議の開催

サービス管理責任者は、計画原案の内容について意見を求めるための会議を開催します(第17条第6項)。利用者と担当者等を招集して行う会議であり、テレビ電話装置等を活用することも認められています。

4. 利用者への説明と文書による同意

サービス管理責任者は、計画原案の内容について利用者または家族に対して説明し、文書により利用者の同意を得なければなりません(第17条第7項)。口頭での同意では足りず、文書(署名等)による同意が必要です。

5. 計画相談支援事業者等への交付

サービス管理責任者は、計画を作成した際には、その計画を利用者・保護者と、指定特定相談支援事業者等(計画相談支援を行う者)に交付しなければなりません(第17条第8項)。

6. モニタリングと見直し

計画作成後は、利用者の支援状況(モニタリング)を継続的に行います。見直しの頻度は次の項で説明します。

見直しは少なくとも3か月に1回

省令174号第17条第9項は「少なくとも六月に一回以上、計画の見直しを行い、必要に応じて計画の変更を行うものとする」と規定しています。ただし、就労移行支援はこの「六月」を「三月」に読み替えることが省令174号第70条で定められています。

就労移行支援計画の見直しは、少なくとも3か月(三月)に1回以上、行わなければなりません。

他の主な障害福祉サービスとの見直し頻度の比較は次のとおりです。

サービス種別 個別支援計画の見直し頻度
就労移行支援 少なくとも3か月に1回(省令174号第70条読み替え)
療養介護・生活介護・自立訓練 少なくとも6か月に1回(省令174号第17条第9項原文)
就労継続支援A型・B型 少なくとも6か月に1回(省令174号各準用規定)

就労移行支援が3か月と短い理由は、利用者の就労準備状況が変化しやすく、目標の見直しも頻繁に行う必要があるためと解されています。

個別支援計画の未作成・未見直しは減算の対象

個別支援計画が作成されていない場合、または計画の作成に係る一連の業務が適切に行われていない場合は、減算(個別支援計画未作成減算)の対象となります。

具体的には、次のいずれかの状態が生じた月の翌月から当該状態が解消されるまでの間、当該利用者に係る基本報酬について減算(30%減)が適用されます。

  • サービス管理責任者による指揮の下、個別支援計画が作成されていない
  • 個別支援計画の作成に係る一連の業務(アセスメント・会議・本人への説明と同意等)が適切に行われていない

(出典:指定障害福祉サービス等の報酬算定に関する留意事項・R7.3.31改正版)

見直しと記録の保管

個別支援計画を変更した場合も、変更後の計画について利用者への説明・文書同意・交付の手続きが必要です。また、計画・モニタリングに関する記録は一定期間(完結の日から5年間等)保管する義務があります(省令174号第9条・第36条等)。

計画の見直しを3か月に1回行うためには、各利用者の見直し時期を管理する仕組み(台帳・スケジュール管理等)を整備しておくことが実務上重要です。

就労移行支援計画に記載する内容の目安

省令174号第17条第5項は計画原案に記載すべき事項として次を挙げています。

  • 利用者およびその家族の生活に対する意向
  • 総合的な支援の方針
  • 生活全般の質を向上させるための課題
  • 就労移行支援の目標およびその達成時期
  • 就労移行支援を提供する上での留意事項

就労移行支援は「就労を目指す」サービスであるため、就労に向けた目標(職種・雇用形態・必要なスキル習得等)と支援内容(訓練・実習・関係機関との連携等)を具体的に記載することが求められます。

サービス管理責任者の員数と計画作成の実務上の負荷

就労移行支援事業所のサービス管理責任者は、利用者60人以下で1人以上(省令171号第175条)。定員20人規模では通常1人が配置されます。計画の作成・見直し(3か月に1回)・モニタリング・担当者会議・文書同意・交付という一連の業務を、利用者全員分(20人なら最大20件)管理する必要があります。

サービス管理責任者の業務量は大きいため、日程管理・様式の整備・関係機関との連絡体制の構築が運営上の課題になりやすい点です。

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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