放課後等デイサービスの利用者負担の仕組み。1割負担・上限額・無償化の条件。

放課後等デイサービスの利用者負担の仕組み。1割負担・上限額・無償化の条件。 放課後等デイサービス・児童発達支援

放課後等デイサービスの利用料(保護者負担額)は、世帯の市町村民税所得割額によって決まる「負担上限月額」以内に抑えられます。利用者が支払う金額が収入として計上されるわけではなく、事業所の収入のほとんどは国保連からの給付費(公費)です。この記事では、利用者負担の仕組みと事業所の収入の関係を整理します。

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事業所の収入の多くは国保連からの給付費。利用者負担は収入の一部

放課後等デイサービスの事業所の収入は、大きく「給付費(公費)」と「利用者負担額」の2つに分かれます。

放デイ事業所の収入の構成
収入の種類 支払元 割合の目安
給付費(公費) 国保連(国民健康保険団体連合会)経由の公費 収入全体の9割程度
利用者負担額 保護者(利用児童の家庭) 収入全体の1割程度

利用者1人・1回の利用に発生する「費用の総額」(基本報酬+加算を金額換算したもの)のうち、保護者が負担するのは原則として1割です。残りの9割は給付費として公費から支払われます(出典:児童福祉法第21条の5の11)。

ただし、保護者が支払う金額は「世帯の所得に応じた負担上限月額」を超えることはありません。そのため、利用回数が多くなっても、保護者が支払う金額は月の上限額で止まります。

負担上限月額は世帯の所得区分で決まる

障害児通所支援の利用者負担上限月額は、世帯の市町村民税所得割額(課税所得)によって次の4区分に設定されています。

利用者負担上限月額(障害児通所支援・2024年度時点)
区分 対象世帯 負担上限月額
生活保護世帯 生活保護受給世帯 0円
低所得 市町村民税非課税世帯 0円
一般1 市町村民税課税世帯(所得割28万円未満) 4,600円
一般2 市町村民税課税世帯(所得割28万円以上) 37,200円

出典:こども家庭庁「障害児通所支援における利用者負担(令和6年度現在)」。

一般1区分(月4,600円上限)の世帯が多い地域では、利用日数が増えても保護者の実質負担が月4,600円で止まります。一方で事業所の収入は利用日数に比例して増えます。

事業所が受け取る収入の計算:費用総額の9割が給付費として入る

放課後等デイサービスの報酬の流れを整理します。

1日に1人の子どもが利用した場合(時間区分2・609単位・その他地域・1単位10.00円・加算なし):

費用総額:609単位 × 10.00円 = 6,090円

そのうち保護者の1割負担:609円(ただし月の上限額に達している場合は0円になる)

国保連から給付費として事業所へ:5,481円(9割)

事業所としての収入は、給付費5,481円+利用者負担609円=6,090円です。保護者が上限額に達して負担が0円になっている月でも、給付費(公費9割)が事業所に入るため、事業所の収入は変わりません。

利用者負担は事業所が代理受領する場合がほとんど

実務上、利用者負担額は保護者から事業所に直接支払われます(代理受領方式)。事業所は受け取った利用者負担額も含めて収入として計上しますが、給付費は国保連から翌月以降に支払われるため、収入の入金タイミングは利用者負担分と給付費分で異なります。

事業所の資金繰りを考える上では、国保連からの給付費の入金タイミング(利用月の翌々月ごろが目安)を把握しておくことが重要です。開設初期に利用者が増えても、入金までの期間の運転資金が不足しないよう、事前に資金繰りを確認しておく必要があります。

利用者負担の上限管理:複数事業所を使う場合の調整

利用者が複数の障害福祉サービスを利用している場合、複数の事業所での利用者負担の合計が上限額を超えないよう、「上限額管理」が行われます。「上限額管理事業所」として指定された事業所が、利用者の他の事業所での負担額を合算して管理します。

放課後等デイサービスを運営する事業所が上限額管理事業所になる場合があります。上限額管理の業務フローは、指定権者や国保連の手引きを確認してください。

飲食代・おやつ代などは「実費」として別途請求できる場合がある

基本報酬・加算から算定される費用以外に、「日常生活に必要な費用」として保護者から実費を徴収できる場合があります。おやつ代・送迎のガソリン代(実費相当)などが含まれますが、徴収できる実費の範囲は指定基準・指定権者の運用で定められています。合理的な額の範囲内での徴収となり、事前に利用者(保護者)への説明・同意が必要です。

実費徴収の範囲・手続きについては、指定権者の手引きで確認してください。

収支試算における利用者負担の扱い

収支シミュレーターでの試算では、給付費(公費9割)と利用者負担(1割)を合算した「費用総額」を「収入」として扱っています。実際には、利用者の多くが上限額以下であることが多く、収入の大半は国保連経由の給付費として入ってきます。試算の数字は「月何回・何人利用するか」によって変わります。

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作成者:fufumumu_design 作成日:2026-11-01
【出典】
・児童福祉法第21条の5の11(利用者負担額)
・こども家庭庁「障害児通所支援における利用者負担(令和6年度現在)」
本記事の内容は情報提供を目的としたものです。負担上限月額の詳細・実費徴収の範囲は制度改正により変動することがあります。最新の情報は市区町村・指定権者にご確認ください。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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