放課後等デイサービスの加算の種類と算定条件。加配・専門的支援・医療連携。

放課後等デイサービスの加算の種類と算定条件。加配・専門的支援・医療連携。 放課後等デイサービス・児童発達支援

放課後等デイサービスの加算は、基本報酬に上乗せして算定できる報酬です。加配加算・専門的支援体制加算・医療連携体制加算・送迎加算が主なものです。いずれも「利用した児童1人・1日ごと」に算定するため、利用者が多い日ほど加算収入が大きくなります。この記事では、告示原文と国保連サービスコード表をもとに確認した単位数と算定条件をまとめます。

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加算は「事業所単位」ではなく「利用した児童1人・1日ごと」に加わる

放課後等デイサービスの主要加算(加配加算・専門的支援体制加算・福祉専門職員配置等加算・医療連携体制加算)はすべて、利用した児童1人・1日ごとに加算単位が発生します。告示原文(平成24年厚生労働省告示第122号・令和8年こども家庭庁告示第5号改正後)の文言は「指定〇〇を行った場合に、1日につき所定単位数を加算する」です。

たとえば、加配加算(経験5年以上・常勤専従・187単位)を取得している事業所で、ある日に8人が利用した場合、その日の加算収入は187単位×8人分になります。「事業所に職員を1人配置したら毎日一定額が入る」という計算ではないため、稼働率(実際に来る児童の割合)が加算収入にも直接影響します。

このしくみを把握した上で、以下の各加算を見ていきます。

児童指導員等加配加算は経験年数と雇用形態で5区分に分かれる

加配加算は、人員配置基準を上回る職員を配置した場合に算定できる加算です。定員10人以下の事業所では、配置する職員の経験年数と雇用形態によって単位数が5区分に設定されています。算定は配置人数に関わらず「1人以上いれば算定可能」です。

児童指導員等加配加算の区分と単位数(定員10人以下)
区分 対象となる職員 単位数(1人・1日)
(1) 経験5年以上かつ常勤専従 187単位
(2) 常勤専従(経験年数問わず) 152単位
(3) 経験5年以上かつ常勤換算での配置 123単位
(4) 児童指導員または保育士・常勤換算での配置 107単位
(5) その他の従業者 90単位

経験年数5年以上かつ常勤専従の職員がいれば最高区分の187単位を算定できます。その他(90単位)との差は97単位。1日の利用者が8人であれば差は776単位/日となり、月に20日開所・平均8人利用の場合、月間収入の差は約12,400〜15,500円(地域単価10.00〜10.72円で計算)になります。

加配加算の算定には届出が必要です。複数の職員を配置している場合でも、算定できるのは「1人分」です(「2人分を上乗せする」という計算にはなりません)。

専門的支援体制加算は1日123単位、PT・OT・STなどの専門職が対象

専門的支援体制加算は、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)・心理担当職員・視覚障害担当職員などの専門職を、常勤換算で1人以上配置した場合に算定できる加算です。単位数は123単位(1人・1日)です。出典:告示原文(平成24年厚生労働省告示第122号)。

加配加算(区分3:123単位)と単位数が同じですが、対象となる職員の種類が異なります。加配加算は児童指導員・保育士などを対象とするのに対し、専門的支援体制加算はPT・OT・STなどの医療系専門職や心理職が対象です。両方の要件を同時に満たすことはできません(届出は別途確認が必要です)。

福祉専門職員配置等加算は3区分、正規雇用・有資格者の比率で決まる

福祉専門職員配置等加算は、社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士などの有資格者や正規雇用職員の比率によって3区分に分かれます。単位数は次のとおりです。

福祉専門職員配置等加算の区分と単位数
区分 算定要件(概要) 単位数(1人・1日)
加算I 有資格者が常勤職員の35%以上 15単位
加算II 有資格者が常勤職員の25%以上 10単位
加算III 常勤職員が全職員の75%以上 6単位

加算I・IIは有資格者比率が要件で、加算IIIは正規雇用比率が要件です。I〜IIIのいずれか1つを算定します(複数の重複算定はできません)。算定する区分は届出による確定が必要です。

単位数は15〜6単位と小さめですが、利用者数が多い日ほど積み上がるしくみは他の加算と同じです。1日8人利用・月20日の場合、加算I(15単位)では月間で2,400単位、その他地域(1単位10円)で月2万4,000円の上乗せになります。

医療連携体制加算は看護師の訪問回数と医療的ケアの内容で単位数が決まる

医療連携体制加算は、事業所に看護職員を配置するか、看護職員が訪問して医療的ケアを行った場合に算定できます。区分ごとの単位数と上限は次のとおりです。

医療連携体制加算の区分と単位数
区分 対象・内容(概要) 単位数 算定上限
加算I 看護職員の訪問・看護の提供 32単位 1回の訪問につき8人まで
加算II 医療的ケア(経管栄養・たんの吸引等)の提供 63単位 1回の訪問につき8人まで
加算III 人工呼吸器使用児への看護提供 125単位 1回の訪問につき8人まで

医療連携体制加算は、看護を受けた児童に対して「1回の訪問につき8人を限度として、1日につき」算定します(告示原文より)。看護職員が訪問しない日は算定できません。

経管栄養やたんの吸引が必要な医療的ケア児を受け入れる事業所では加算IIやIIIが対象になりますが、受け入れ可能な体制(看護師の確保・医師との連携)の整備が前提です。開業前の段階で受け入れを検討する場合は、体制整備にかかる人件費も試算に含める必要があります。

送迎加算は片道ごとに54単位、利用者1人につき往復で2回算定

送迎加算は、事業所の車両で児童を自宅と事業所の間で送迎した場合に算定できます。単位数は片道54単位で、往復の場合は1日に2回(108単位)算定できます。出典:告示原文・国保連サービスコード表PDF。

送迎を行う利用者の割合や月の送迎回数によって収入への影響は大きく変わります。たとえば、1日8人全員を往復送迎する場合は1日あたり864単位(108単位×8人)、月20日開所の場合は17,280単位、その他地域(1単位10円)で月172,800円が加算収入に加わります。

送迎にかかる人件費・車両費(ガソリン代・保険・車検・減価償却)とのバランスを確認することが重要です。送迎を行うかどうか、全員か一部かによって収支が大きく変わります。収支シミュレーターでは送迎加算の月間回数を入力して試算することができます。

加算収入の月間規模は、利用者数と稼働率によって変動する

各加算の収入規模を、定員10人・稼働率85%(1日あたり平均8.5人)・月20日開所・その他地域(1単位10円)の前提で試算すると次のようになります。

主な加算の月間収入試算(定員10人・稼働率85%・月20日・1単位10円)
加算 単位数 月間単位数(概算) 月間金額(概算)
加配加算(区分1:187単位) 187単位/人・日 31,790単位 317,900円
加配加算(区分5:90単位) 90単位/人・日 15,300単位 153,000円
専門的支援体制加算 123単位/人・日 20,910単位 209,100円
福祉専門職員配置等加算I 15単位/人・日 2,550単位 25,500円
医療連携体制加算II 63単位/人・日 10,710単位 107,100円
送迎加算(全員往復) 108単位/人・日 18,360単位 183,600円

加配加算だけでも区分1と区分5では月間で約16万円以上の差が生じます。開業時の人員体制を検討する際は、採用できる職員の経験年数・雇用形態と算定できる区分の組み合わせを確認することが重要です。

上記の試算はあくまで参考値です。実際の収入は地域区分の単価・定員・稼働率・開所日数によって変わります。収支シミュレーターでは加算の組み合わせを入力して月次の収支を試算することができます。

この記事では取り上げていない加算もある

放課後等デイサービスには上記以外にも多くの加算があります。月の算定回数に制限があるもの、個別の要件が複雑なものについては、この記事では名称のみ挙げます。

  • 家族支援加算
  • 子育てサポート加算
  • 延長支援加算
  • 欠席時対応加算
  • 関係機関連携加算
  • 強度行動障害児支援加算
  • 個別サポート加算(I・II)

各加算の詳細な算定要件は、国保連のサービスコード表や厚生労働省・こども家庭庁が公表している報酬改定の資料で確認してください。算定を検討する際は、指定権者(都道府県・政令市など)への届出が必要です。

まとめ

  • 放課後等デイサービスの加算は、利用した児童1人・1日ごとに算定する
  • 加配加算は定員10人以下で5区分(187〜90単位)、経験年数と雇用形態で単位数が変わる
  • 専門的支援体制加算はPT・OT・STなどの専門職配置で123単位
  • 福祉専門職員配置等加算は有資格者・正規雇用比率で3区分(15・10・6単位)
  • 医療連携体制加算は看護師の訪問・ケアの内容で3区分(32・63・125単位)、上限は1回の訪問につき8人まで
  • 送迎加算は片道54単位、往復で1日108単位
  • 加算の組み合わせと稼働率によって、月間収入は大きく変わる

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出典:
・平成24年厚生労働省告示第122号(児童福祉法に基づく指定通所支援等の費用の額の算定基準)令和8年こども家庭庁告示第5号改正後
・国保連サービスコード表(放課後等デイサービス)カイポケ掲載版PDFより単位数を確認
作成:fufumumu_design 作成日:2026-11-01
※この記事の内容は情報提供を目的としています。算定要件の詳細は指定権者および国保連にご確認ください。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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