グループホームの日中サービス支援型は、短期入所を併設する義務がある。
日中サービス支援型共同生活援助を開業するには、短期入所事業を同一建物内に設置することが省令で義務付けられています(出典:平成18年厚生労働省省令第213条の4)。介護サービス包括型では任意ですが、日中サービス支援型だけはこの条件を満たさないと指定申請そのものができません。物件選びの段階から短期入所居室を確保できるかを確認する必要があります。
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日中サービス支援型グループホームは、短期入所の設置が省令で定められている。
日中サービス支援型共同生活援助(以下、日中サービス支援型)は、2018年(平成30年)度の報酬改定で創設された類型です(出典:東京都福祉局「重度障害者への支援を可能とするグループホームの新たな類型の創設(日中サービス支援型)」)。重度の障害者が地域で安心して暮らせるよう、夜間だけでなく日中も事業所が直接支援を担う仕組みです。
日中サービス支援型を開業するには、短期入所事業を同一建物内に設置することが省令で義務付けられています(出典:平成18年厚生労働省省令第213条の4)。介護サービス包括型や外部サービス型では短期入所の設置は任意です。日中サービス支援型だけが、この条件を満たさないと指定申請そのものができない制度設計になっています。
短期入所の設置が義務付けられている理由として、厚生労働省の解説では「グループホームを利用している障害者の家族等のレスパイトのため」と説明されています(出典:東京都の解説資料による)。入居者の家族が休息を取れるよう、一時的に施設が利用者を預かる機能を、日中サービス支援型には必ずセットで持たせる設計になっています。
包括型と日中サービス支援型のどちらを選ぶべきかの全体的な比較については、介護サービス包括型と日中サービス支援型、どちらで開業すべきか。をあわせてご参照ください。
短期入所の設備基準は、居室1室以上と専用スペースの確保が最低条件になる。
短期入所を設置するための設備基準の概要は次のとおりです(出典:平成18年厚生労働省省令第213条の4)。
| 設備 | 基準の概要 |
|---|---|
| 居室 | 定員1人以上。1人あたりの床面積は収納スペースを除いて7.43㎡以上 |
| 居間・食堂 | 利用者の交流と日常生活のための空間(グループホームの共用設備を兼用できる場合もある) |
| 浴室 | 利用者の入浴が可能な設備(グループホームの浴室を兼用できる場合もある) |
短期入所の居室は、グループホームの利用者が使う居室とは別に専用で確保する必要があります(出典:平成18年厚生労働省省令第213条の4)。グループホームの空き居室を短期入所居室として兼用できるかどうかは、指定権者(都道府県・政令市・中核市)の運用によって異なります。「空き居室が出たときだけ短期入所に使う」という運用が認められるかどうかを、事前に指定権者に確認してください。
グループホームの物件選びの段階で、短期入所居室として使える居室を1室以上確保できるかどうかを確認しておくことが重要です。後から対応しようとすると、物件の間取りや築年数によっては改修費が大きくなる場合があります。
物件の設備基準の全体については、グループホームに使える物件の条件。個室の広さ・定員・設備基準をまとめます。もあわせてご参照ください。
短期入所には別の指定が必要で、人員基準も別途満たす必要がある。
日中サービス支援型グループホームに短期入所を設置するには、グループホームの指定とは別に、短期入所(共同生活援助に併設するもの)の指定を受ける必要があります(出典:平成18年厚生労働省省令第213条の4)。グループホームの指定を受けたからといって、自動的に短期入所の指定が下りるわけではありません。指定申請の段階から、短期入所の申請をセットで進める準備が必要です。
短期入所の人員基準の概要は次のとおりです(出典:平成18年厚生労働省省令第213条の4)。
| 職種 | 基準の概要 |
|---|---|
| 管理者 | 1名以上(他の職務との兼務可) |
| サービス管理責任者 | 利用者30人以下で1名以上(グループホームのサビ管と兼務できる場合がある) |
| 生活支援員 | 利用者6人以下で1名以上(常勤換算) |
グループホームのサービス管理責任者が短期入所のサービス管理責任者を兼務できるかどうか、職員が短期入所の生活支援員を兼務できるかどうかは、指定権者の運用によって異なります。兼務を前提に計画を立てる場合は、事前に指定権者へ照会しておくことが現実的です。
短期入所の利用者が実際に発生すると、その都度、グループホームの既存の職員に支援業務が追加されます。短期入所の利用率が低い時期でも最低限の人員体制は維持する必要があり、人件費の固定費として計上することになります。
日中サービス支援型の基本報酬は包括型より高く、短期入所の負担を補う設計になっている。
日中サービス支援型の基本報酬は、介護サービス包括型より高く設定されています(出典:厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001658031.pdf)。主な区分の基本報酬を比較すると次のとおりです。
| 区分 | 介護サービス包括型の基本報酬(目安) | 日中サービス支援型の基本報酬(目安) |
|---|---|---|
| 区分4 | 453単位/日 | 670単位/日程度 |
| 区分5 | 555単位/日 | 831単位/日程度 |
| 区分6 | 649単位/日 | 1,153単位/日程度 |
上記は概算です。正確な単位数は厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」をご確認ください。また、令和8年6月以降の新規指定は基本報酬×97.2%が適用されます(出典:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容」)。
日中サービス支援型の報酬単価が高い背景には、日中の人員配置コストが包括型より大きいこと、そして短期入所の設置・運営コストも事業者が負担することがあります。短期入所の設置義務と高い基本報酬はセットの制度設計です。
収支計画では、短期入所の初期費用と月次コストを別途計上する必要がある。
日中サービス支援型で開業する場合、収支計画には短期入所に関わる次のコストを別途加える必要があります。
| コスト項目 | 内容 |
|---|---|
| 初期費用(物件・設備) | 短期入所居室の整備費。既存の部屋を転用する場合でも最低限の改修が必要なことがある |
| 指定申請費用 | 短期入所の指定申請に必要な書類作成・手数料(行政書士費用等) |
| 月次人件費 | 短期入所に対応できる職員の体制維持費。短期入所の利用者がいない月も発生する |
| 月次運営費 | 短期入所用の光熱費・消耗品費等 |
短期入所の収入は利用者がいなければゼロですが、人件費の固定費は発生します。開業初期は短期入所の利用者がほとんどいない時期が続く可能性があります。その期間は短期入所分だけ赤字が加算されるため、開業時の運転資金を見積もる段階から短期入所のコストを盛り込んでおく必要があります。
収支シミュレーターで月次の費用を試算するときは、短期入所分の固定費を上乗せした状態で損益分岐稼働率を確認しておくことをお勧めします。開業資金全体の試算については、障害者グループホームの開業資金はいくら必要か。もあわせてご参照ください。
まとめ
日中サービス支援型グループホームを開業するには、短期入所事業を同一建物内に設置することが省令で義務付けられています。短期入所の指定は別途必要で、設備基準・人員基準も別途満たす必要があります。
日中サービス支援型を選ぶ場合は、物件探しの段階から短期入所居室を確保できるかを確認し、指定申請の段階でも短期入所の申請をセットで進めることが必要です。短期入所の運営コストを収支計画に組み込まないと、開業後に想定外の赤字が発生するリスクがあります。
日中サービス支援型の基本報酬は包括型より高く設定されており、その分だけ収益ポテンシャルも大きいですが、初期費用・運営コストともに包括型より高くなります。収支シミュレーターで実際の数字を試算し、短期入所のコストも含めた全体の収支を確認してください。
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【出典一覧】
・平成18年厚生労働省省令第213条の4(日中サービス支援型共同生活援助・短期入所の設備基準・人員基準)
・厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」(https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001658031.pdf):各類型の基本報酬単位数
・東京都福祉局「重度障害者への支援を可能とするグループホームの新たな類型の創設(日中サービス支援型)」:日中サービス支援型の創設背景・短期入所の義務化の説明(東京都の解説資料による)
・厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容」:令和8年6月以降の新規指定報酬引き下げ

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