乙1から甲1へ。消防設備士のキャリアアップと甲種受験資格の条件

乙1から甲1へ。消防設備士のキャリアアップと甲種受験資格の条件 資格

乙種第1類(乙1)を取得した後、甲種第1類(甲1)に移行するには消防用設備等の整備業務について2年以上の実務経験が必要です(消防法施行規則第33条の8)。実務経験を積んだ後に甲1を受験すると、乙1で学んだ法令・構造・鑑別の知識はそのまま使えます。甲1で追加になる科目は基礎知識(電気系5問)・構造機能(問題数増)・製図・計算問題です。

作成:fufumumu_design(ふふ)/作成日:2026年10月28日/数字の出典は各表の下に記載しています。

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乙1と甲1の業務範囲の違い

乙1と甲1の根本的な違いは、設置工事ができるかどうかです。消防法第17条の5が定める業務範囲の差は1点だけです。

資格 設置工事 整備 点検
甲種第1類 できる できる できる
乙種第1類 できない できる できる

出典:消防法第17条の5(2026年10月28日に確認)

保守・点検業務が主であれば乙1で十分対応できます。新設工事や改修工事(配管変更・ヘッド増設など)まで担当するには甲1が必要です。

甲1の受験資格(乙1取得後のルート)

乙1を持っている場合、甲1の受験資格を満たす代表的なルートは「乙種免状取得後、2年以上の整備実務経験」です。

受験資格の区分 要件
乙種免状+実務経験 乙種消防設備士免状の取得後、消防用設備等の整備業務について2年以上の実務経験を有する者
学歴 大学・短大・高専で機械・電気・工業化学・土木・建築に関する課程を修了した者
他の甲種消防設備士免状 甲種消防設備士免状を取得済みの者(他の類でも可)
技術士・電気工事士等 技術士(機械・電気等)・電気主任技術者など関連する国家資格保有者

出典:消防法施行規則第33条の8(2026年10月28日に確認)

乙1を取得して整備業務に就いた後、2年経過した時点で甲1の受験資格を満たします。実務経験証明書は所属する事業所が発行します。

乙1から甲1に移行する際の追加学習内容

乙1で学んだ内容は甲1でも有効です。追加になる科目・内容を整理します。

科目 乙1 甲1で追加になる内容
法令(共通・類別) 10問 変化なし(10問)
基礎的知識 5問(機械のみ) 電気の基礎5問が追加(計10問:機械5問+電気5問)
構造・機能・整備 10問 15問に増加(工事に関する内容が加わる)
規格 6問 6問(整備4問+工事2問)
実技:鑑別 5問 変化なし(5問)
実技:製図 なし 2問追加(系統図・配置図の作図)
試験時間 1時間45分 3時間15分

出典:消防法施行規則第33条の12(2026年10月28日に確認)

追加学習で特に時間がかかる内容

乙1を持っている人が甲1に挑戦する場合、特に時間を要するのは製図と計算問題です。

  • 製図(系統図・配置図):スプリンクラー設備の系統図を手書きで書く問題。配管の経路・弁の位置・ヘッドの配置を正確に書く必要がある
  • ポンプ全揚程の計算:H = h1 + h2 + h3 + Pの公式を使った計算問題。単位換算(MPa → mH2O)を含む
  • ヘッド個数・水源水量の算定:防護面積からヘッド個数を求め、水源水量を計算する問題
  • 電気の基礎(電気5問分):オームの法則・直並列回路・三相交流の基礎

製図と計算を除けば、乙1の内容の延長で学習できます。乙1取得者が甲1に挑戦する場合の追加学習時間の目安は50〜80時間程度です。

乙1と甲1を同時受験するという選択肢

甲1の受験資格(理工系学歴・関連資格等)を最初から持っている場合は、乙1を取らずに最初から甲1を受験する方が効率的です。一方、受験資格がない場合は乙1を先に取得して実務を積むルートが必要になります。

甲1の受験資格の詳細は甲1の受験資格にまとめています。

まとめ

乙1から甲1への移行には、乙種免状取得後2年以上の整備実務経験が必要です(消防法施行規則第33条の8)。甲1で追加になる学習内容は製図・計算問題・電気の基礎で、乙1で学んだ法令・構造・鑑別はそのまま活かせます。追加学習の目安は50〜80時間程度です。

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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