甲1の製図問題はここを押さえる。系統図の書き方と出題パターン

甲1の製図問題はここを押さえる。系統図の書き方と出題パターン 資格

消防設備士 甲種第1類の実技試験には、鑑別5問に加えて製図2問が含まれます。製図は乙種にはない甲種特有の問題で、系統図の完成や誤り指摘が出題されます。合格するには、弁・機器の記号・配管の書き方・設置ルールを正確に覚えて、実際に手を動かして書く練習が必要です。この記事では、出題パターン・系統図で覚えること・対策の進め方を解説します。

問題をすぐに解いてみたい方はこちらをご利用ください。
▶ 消防設備士 第1類 問題集

製図は甲種のみ・実技2問

消防設備士第1類の実技試験は、鑑別と製図で構成されています。乙種は鑑別5問のみで製図はありません。甲種は鑑別5問に加えて製図2問があり、合計7問の実技試験になります。試験時間は実技だけで1時間15分です(筆記は別に2時間)。

製図の合格基準は実技全体で60%以上(消防試験研究センター公表の合格基準)です。鑑別と製図を合わせた7問で60%以上を取る必要があります。製図の配点は公表されていませんが、2問で実技7問の一部を占めるため、製図で大きく失点すると実技全体の合格が難しくなります。

製図の出題パターンは2種類

過去の試験の傾向から、製図問題の出題パターンは主に次の2種類です。

パターン1:系統図の完成

未完成の系統図が与えられ、足りない機器・弁・配管を書き加えて完成させる問題です。どの位置にどの機器・弁を設置するか、消防法施行規則等に定められたルールに従って答えます。

パターン2:系統図の誤り指摘

意図的に間違えて描かれた系統図が与えられ、誤っている箇所を指摘して正しく直す問題です。誤りの数が指定されることがあります(「2か所の誤りを指摘しなさい」など)。

どちらのパターンも、正しい系統図の構成を知っていることが前提です。設備の流れ・各機器の役割・弁の位置・記号を正確に覚えていないと、完成させることも誤りを見つけることもできません。

屋内消火栓設備の系統図で覚えること

屋内消火栓設備の系統図は、水の流れに沿って次のように構成されます。

水源(水槽)→フート弁(フットバルブ)→加圧送水装置(ポンプ)→逆止弁→仕切弁→立管→各階の消火栓箱(ホース・ノズル)という流れです。

補助高架水槽は最高位の消火栓よりも高い位置に設置し、配管内の常時加圧と起動信号の確認に使われます。起動用水圧開閉装置(圧力スイッチ)はポンプの自動起動に関わる部品で、系統図上の位置を覚える必要があります。

主な弁と役割は次のとおりです。

弁の名称 役割 位置
フート弁(フットバルブ) 水源の水がポンプ配管に逆流しないよう防ぐ 水源の吸込み管先端(水中)
逆止弁(チェック弁) ポンプ停止時に配管内の水が逆流しないよう防ぐ ポンプ吐出側
仕切弁(ゲートバルブ) 点検・修理時に配管を止める 各分岐点・消火栓箱付近

1号消火栓と2号消火栓では、ホースの本数・ノズルの形が違います。1号は2人操作・65mmホース(1本または2本)、2号は1人操作・25mmホースです。系統図上での表記の違いも確認しておきます。

スプリンクラー設備の系統図で覚えること

スプリンクラー設備の系統図は、屋内消火栓よりも構成部品が多く、流水検知装置(アラーム弁)が系統図の中心になります。

水源→加圧送水装置(ポンプ)→逆止弁→仕切弁→流水検知装置(アラーム弁)→末端試験弁側と各ヘッドへの配管、という流れです。補助高架水槽はシステムの最高位に設置し、配管の常時加圧を保ちます。

流水検知装置(アラーム弁)は、ヘッドが開放したとき水の流れを感知して警報を出す部品です。系統図ではアラーム弁の前後に仕切弁・ドレン弁・圧力計・アラーム管(警報管)への接続が描かれます。末端試験弁は系統の末端に設置し、ヘッドを作動させずに流水検知装置の動作確認ができます。

閉鎖型スプリンクラーと開放型スプリンクラーでは系統図の構成が変わります。開放型は一斉開放弁(デリュージバルブ)を使って全ヘッドから一斉放水する方式のため、ヘッド側に感熱部がありません。開放型の系統図では、一斉開放弁・起動用配管(感知線または感知器)が追加されます。

製図で使う主な記号

消防設備士の製図では、機器や弁を記号(シンボル)で表します。テキストの巻末や製図章の冒頭に凡例として掲載されているものが標準的な記号です。試験では記号の意味を問う設問が出ることもあります。

よく出る記号の例を示します。ポンプは長方形の中に羽根の形を描くか「P」の記号で表します。逆止弁は矢印の向きで流れ方向を示します。仕切弁は菱形または蝶型の記号です。スプリンクラーヘッドは円に横線または点の記号で表します。アラーム弁は縦断面の形を模した記号が使われます。

正確な記号はテキストで確認してください。記号の種類はテキストによって若干異なる場合がありますが、試験では一般的な凡例に沿っていれば採点されます。

平面図問題(甲種)への対応

甲種の製図では、系統図の問題のほかに平面図を使った問題が出ることがあります。平面図問題では、部屋の形・天井の高さ・使用するヘッドの種類から設置すべきヘッドの個数を求めたり、配置が適切かどうかを判断したりします。

ヘッドの設置個数は、一つのヘッドがカバーする面積(消防法施行規則第13条の2等に規定)から計算します。標準型と小区画型でカバー面積が異なるため、使用するヘッドの種類を確認してから計算します。ヘッド個数の計算方法の詳細はこちらでまとめています。
→ 甲1の計算問題は3種類。ヘッド個数・水源水量・ポンプ全揚程の解き方

製図対策の進め方

ステップ1:系統図を読む

最初のうちは、テキストに掲載されている完成した系統図を繰り返し読み、各機器の位置・弁の役割・水の流れを確認します。どの機器がどこにあり、何のために存在しているかが分かれば、系統図の完成問題にも誤り指摘問題にも対応できます。

ステップ2:系統図を書き写す

次に、何も見ずに系統図を書けるようにします。テキストの系統図を見ながら書き写す練習を繰り返してから、最終的には何も見ずに書ける状態を目指します。製図の試験は時間が限られているため、悩まずに書ける状態が必要です。

ステップ3:誤りのある系統図を直す練習

テキストや問題集に掲載されている誤り指摘問題を解きます。「逆止弁の向きが逆」「仕切弁の位置が違う」「補助高架水槽の位置が低すぎる」など、典型的な誤りのパターンを覚えておくと対応しやすくなります。

製図は試験勉強の後半に集中させる

製図の対策は、法令・基礎知識・構造機能整備の学習が一通り終わった後に始めることをおすすめします。設備の構成・各部品の役割を理解していないまま系統図を書こうとしても、なぜその位置にその弁が必要なのかが分からず、記憶が定着しにくくなります。

勉強の後半2〜4週間を製図対策の期間として確保し、集中して練習するのが効率的です。製図を含む甲種第1類の勉強法全体については、こちらの記事でまとめています。
→ 第1類の勉強法。計算・鑑別・法令、各科目の優先順位と時間の目安

まとめ

甲種第1類の製図問題は、系統図の完成・誤り指摘の2パターンが中心です。屋内消火栓の系統図(水源・ポンプ・弁・消火栓箱の位置と役割)とスプリンクラーの系統図(水源・ポンプ・アラーム弁・末端試験弁・ヘッドの位置と役割)を正確に覚え、実際に書く練習を積むことが合格への近道です。対策の開始は法令・基礎・構造の学習が一段落した後が効率的です。

問題をすぐに解いてみたい方はこちらをご利用ください。
▶ 消防設備士 第1類 問題集

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

ご質問はメールで。電話・面談はしていません。

fufumumu_designをフォローする
資格
fufumumu_designをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました